小説『とある絶望の幻想現実』
作者:コンダクター()

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現在、冬風はとある河原に来ていた。もちろん理由は簡単なこと、

「逃げずに来たみたいね」
「マジでやるの?今更になってだるくなってきた。帰っていい?」
「帰れると思ってんの?」
「だよな〜」

今日は美琴との勝負である。黒子、涙子、初春も来ている

「今日こそあんたに勝つわよ!」

美琴が人差し指を冬風に突きつけて宣言する。冬風は、面倒くさそうに溜め息をついて

「勝つも何も一度も負けても勝ってもない気がするんだが?」
「うるさいわね!一度もまじめにあんた達がやらないからでしょ!」
「LEVEL5と真正面から真面目にやりあうLEVEL0がいたら是非紹介して欲しいね」
「あんた達はとんでもない能力持ってるでしょうが!」
「その能力を使いたくないんだが……OK?」
「駄目に決まってるでしょ!」
「お前は能力使わないでも勝てる気がするからなぁ」
「舐めてんじゃないわよ!!」

っと、まだ開始も言ってなのに電撃を放ってくる美琴。冬風が挑発したから仕方ないのだが……

「はぁ〜開始も行ってないのに撃ってくるなよ。」

欠伸をしながら右側にステップして回避する冬風。

「あっさり交わしてんじゃないわよ!」
「いやいや、自分の能力の殺傷能力の高さ理解してる?当たったら死ぬよ?俺」

尚もやる気のなさそうに制服のポケットに手を突っ込んでいる冬風

「行くわよ」
「来な」

一応ポケットから手を出して手を上げる冬風。美琴は先程よりも早い電撃を放つが余裕の表情で交わす冬風。逆に自身の運動能力のみで美琴の懐に一瞬で潜り込んで蹴る。

「っく!」

流石に本気では蹴れなかったので少し後方に飛ぶぐらいだった。すぐに美琴は立ち上がって砂鉄の剣で近接戦闘に持ち込んでくる

「あ、危ね!」
「何で当たんないのよ!」

無闇に切りかかってくる美琴。流石に冬風も当たるつもりはないのでずっと避けているのだがこちらには武器がないので反撃が出来ない。

「能力も使わずにLEVEL5に勝てると思わないでよね!!」
「こんな応用利く能力だとはいつもの調子からだと思うわけないだろ。」
「今はどうなのよ」
「流石は第3位ってとこ、俺も多少は能力使わないとやばい気がしてきた」

攻撃疲れで下がった美琴。冬風は今度はきっちり氷の剣を左手に構える

「あんたにしては珍しく一気に片付けるタイプじゃないのね」
「近接戦闘してきてる相手に絶望の炎みたいな一瞬で人殺しになれるような技は使わねぇよ」
「そう!」

美琴が切りかかり冬風もそれに応戦する。美琴の剣の振りは素人だが、砂鉄の剣は振動いて、LEVEL3程度氷の剣で応戦していたらすぐにでも壊れそうだった。

「LEVEL5にLEVEL3だときつかったか」

自分の剣を捨てて、今度は炎を掴むような形で剣を作る。この間ステイルと戦ったときに思いついたものだ。

「これなら折れる心配はない。」
「熱くないの?」
「いや全然」

実態のない剣だと、動きが不規則で砂鉄の剣も歯が立たない。美琴は砂鉄の剣をやめてまた距離をとり、電撃を撃ってきた

「後ろ注意な?」
「は?」
「上です!」

初春が美琴に指示を出し、美琴が上を見るとそこには津波のように襲ってくる川の水が

「何でもありなの!?」
「そういう能力って言ったろ?」

川の水が美琴に襲い掛かり、当たりの地面をえぐって川へと戻っていく。冬風は美琴が川に行ったと思い込んで川のほうを見ていたのだが突如目の前を何かが通り、その後轟音が聞こえる。

「レ、超電磁砲なんて一般人に撃っていいものなのかよ」
「あんたなら問題ないわ」

ずぶ濡れで立っている美琴。顔は前髪で隠れているがかなり怒っているのが手に取るように分かる。

「いや、マジで死ぬんだが……」
「死になさい」

また超電磁砲が冬風の横を通る。だが、さっきより冬風への距離が近くになっており、確実に当てにきているのが分かる。

「なぁ、少し落ちつかねぇか?」
「………」

無言で超電磁砲を放ち、冬風の右腕をかすめた。だが、それだけでとてつもない痛みを伴う。

「当麻、悪いが能力借りるぞ」

死ぬよりはましだと考え、左腕に幻想殺しを宿す冬風。自分の全ての能力が消えるのが分かるが先ほども行ったように死ぬよりはましだ。

「………」

尚も無言で超電磁砲を放ってくる美琴。少し遠くで見ている黒子たちも恐怖したように縮まっている

「行くぞ。」

無言で今度こそ真正面に来た超電磁砲を幻想殺しで打ち消す。そのまま、次の超電磁砲の準備をする美琴の腕をつかむ。

「お前は俺を殺す気かよ。ったく」

冬風は美琴の首筋を叩いて気絶させた。








★☆★☆★☆★





しばらくたって美琴は目を覚ました。

「うぅ……ん?」
「お姉さま、起きられましたか」

黒子が美琴を覗き込む。美琴は状況が分からないのか、辺りを見渡す。そして、何をしていたのか思い出すと、すぐさま飛び上がって

「黒子!あいつ!あいつどこ!」

あいつというのは現在この場所におらず、先ほどまで美琴と戦っていた冬風を指す。だが、その冬風は周辺を探してもいない。

「あいつまさか帰ったんじゃぁ」

美琴は怒りを思い出したかのように放電を始める。その様子に近くに居た初春があわてながら事情を説明しようとする

「冬風さんは今丁度……「ここにいるよ。」
「!!」

突如として土手に現れた冬風。その手にはビニール袋が握られている。そのまま、川辺に下りてくると、中からストラップを取り出して美琴に放り投げる

「悪かったな。引きちぎって」
「え?いや、えっと」
「デザイン違ったか?同じ奴を買ってきたと思ったんだが」

美琴の近くに来ると更に缶ジュースを取り出して全員に渡して、その場に座る。

「何で分かったのよ」
「何で怒ったのか考えてな?制服が濡れになったので怒ったんならと思ってとりあえず制服が濡れたことをなかった事にした。で、そん時にお前がいっつもつけてるお気に入りのストラップがない事に気づいてな?」

実際、その事に気づいたのは黒子でそれを冬風に伝えると冬風はどこに売っているかも聞かないで飛んでいって、色々回ってやっと見つけたのだ。

「あ、そうだ。適当に侘びのつもりで買ってきたんだがお前こういうのつけるか?」

冬風はビニール袋を捨てようとして、中に入っていたものを思い出し取り出す。

「普通にあの両生類は入ってないブレスレットなんだけどな。」
「両生類言うな」
「電気通さないためにすこし買った後工夫してみた」
「工夫って?」
「企業秘密だ。絶対に電気通さないから安心しろ」

冬風はシンプルなデザインのブレスレットを美琴に渡す。美琴は冬風の電気を通さない工夫が気になりはしたが、言いそうにないのでこれ以上聞かないことにする。

「(魔術使ったなんていえるかよ)」

実は魔術で幻想殺しのようなものをブレスレットにかけたので能力を使えないようなことにはならないが、無意識に流している電気がブレスレットに流れないようにするぐらいには出来る。

「ま、これで終了ってことで。俺は逃げる!」
「へ?」

いきなり逃げるといってその場を立ち去ろうとする冬風。その場に居た全員が意味側からないっといったような顔をしたがすぐにその理由が分かった。

「待つジャン。暁」
「今日は勘弁!」
「あいつを捕まえるジャン」
「ちょっ!まっ!」
「暁冬風。五十二人への過剰防衛で逮捕するジャン」

立ち去ろうとした冬風は警備員に捕まって連行されたのだった。

「あいつ、何で風紀委員じゃなくて警備員に捕まってんの?」
「あのお方は風紀委員では手に負えませんので捕まえるまでは警備員にお願いしているのですわ」
「やっぱりとんでもない人なんだね冬風さん」
「あはは……」










★☆★☆★☆★☆









「お兄ちゃん?今日も相当遅くまで何やってたんですか?」
「LEVEL5の第3位御坂さんとバトって、その後連行されました」
「お兄ちゃん超そこに正座しましょうか」

帰ったら帰ったで説教に会う冬風だった
















Illusion of despair to salvation culminates catalog banned(禁書目録救済へ絶望の幻想はクライマックスを迎える)

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