小説『とある絶望の幻想現実』
作者:コンダクター()

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爆発したシャッターは、破片となって地面に散らばり、中からモクモクとあからさまにやばそうな煙が立ち上っている。

「な、何なの?」

爆発音で、体を丸めていた涙子が、疑問の声を上げる。

「初春!警備員(アンチスキル)への連絡と怪我人の有無の確認! 急いでくださいな!」
「は、はい!」

黒子は風紀委員を示す腕章を付けながら、初春に指示を飛ばす。
そして、同じく腕章を付けていた初春は、黒子の指示通りに携帯電話で警備員への通報を始めた

「黒子!」
「いけませんわ、お姉様。学園都市の治安維持はわたくし達、風紀委員のお仕事。今度こそ、お行儀良くしていてくださいな」

その動きを見ていた美琴も動き出そうとするが止められる。そして、冬風にも注意しようとするが一足遅かった。

「冬風さん!?」

彼は柵を乗り越えて、もう駆け出していた。

「分かってる!強盗のほうはおメェらに任せる!あの煙で銀行内に人なんかいたら大事だ!」
「しかし、貴方はLEVEL0なのでは?」
「俺がどれだけ強いかはそこのビリビリにでも聞いときな!」

それだけ言うと、冬風は人とは思えないようなスピードで銀行内へと飛んでいった


 








銀行内に入った冬風は先ずは有害な煙を外に出すべきと判断して風力使い(エアロシューター)の能力を使い、銀行内から煙を出す。そして、辺りを見回し、

「怪我のある奴はいるか?居るなら名乗り出ろ。」

 そう注意を促した後、恐る恐る、一人の学生が手を上げる。

「すいません、友達が、煙を吸い込んじゃって苦しそうにして、」
「見せてみな。」

冬風は、その学生が煙を吸ってしまったと判断した。煙を吸ってしまったのならば有害な物質が灰の中に入ってしまった可能性が高い。

「少しだけ苦しくなるが勘弁してくれよ?」

っと、確認を取ると学生の中に有害物質を取り除く物質新たに作り出し、それをを入れる。

「ッ!」
「もう少しだ。我慢してくれ」

学生は少し苦しそうにしだしたが、数秒するとすぐに良くなった。

「他に怪我をしたりした奴はいるか?」

誰も手を上げなかったため、外に出る。
 
「オイ黒子。中は終わった。お前はどうなっている。」
「こちらも大丈夫ですわ。」

冬風が眼をやると、そこには、大の男が、二人ほど転がっていた。

「よし、これで解決だな。」

冬風が、そういったとたん、反対側から、悲鳴が聞こえてきた。そこには、涙子と、男が相対していて、男が、蹴るモーションに入っている。

「っち!面倒な!」

男を蹴り飛ばそうと走り出すが、一足遅く、涙子が、男に蹴られてしまう。美琴のキレタ声がするが、冬風はとりあえず冷静になり、涙子の無事を確認する。

「おい涙子大丈夫か?」
「は、はい。大丈夫です。」
「大丈夫じゃねぇな。」

っと、そこで、涙子の怪我を肉体再生の応用で治療し、立ち上がる。

「下種やろうが……。」

男が乗り込んだ車が発進する。だが、後ろには仲間がいるのでUターンしてくると推測した冬風は迎撃する為の炎を手に纏わせ始める。後ろには、美琴がバチバチと放電していた。

「俺も混ぜろ美琴。」
「足引っ張ったら許さないわよ」
「大丈夫だ。発火能力のLEVEL6並の炎だ」
「アンタ本当に規格外ね」
「心配するな自覚はある」

簡単なやり取りを済ませる。やがて、その乗用車がこちら目掛けて突撃するように猛然と加速し出した。それを見ながら、怒りに満ちた冬風は、

「おメェもついてない。」

一方通行の能力を使い、向かってくる車のベクトルを、下方向に向ける。車は、つぶれかけ、道路が凹んでいる。

「まさか俺を、怒らせるとはな。」

 そう言うが早いか、ベクトルを上向きにして、天高く車をほうり、手に纏わせていた炎を放つ。

「doomflame(破滅の炎)」

一瞬にして、車は原型がなくなり、大変なことになるが、そこで終わらす冬風ではない。

「やっちまえ美琴。」
「当たり前よ」

空を駆け抜けた一枚のコインは、止めとばかりに乗用車の後部座席から後ろを根こそぎ吹き飛ばしていった。ぼろぼろと落ちてくる破片その中に、前部座席のシートが落ちてくるので、一方通行で、スピードを落とす。落ちてきたシートに乗っていた男は、髪の毛が燃え、気絶していた。

「俺を怒らせたこと、これで後悔するんだな。」 






★☆★☆★






「何なんだよ……あいつらは……」

道路で、寝かされていた男が疑問の声を上げる。黒子がそれに説明するように答える。

「……片方は学園都市二三○万人の頂点、七人の超能力者(レベル5)の第三位。(超電磁砲(レールガン))御坂美琴お姉様。常盤台中学が誇る最強無敵の電撃姫ですの。」

そして、涙子や美琴から聞いた。ありえないような能力を持つ人物を説明する。

「そして、もう片方は、学園都市で最弱といわれる無能力者(レベル0)でありながら超能力者全員を圧倒する力を持つ規格外。幻想作り(ファンタジーメーカー)の暁冬風さんですの。」

視線の先で立つ二人を見ながら、黒子は笑みを浮かべた。








Of this is just an extension of Prolog. The story still does not start(こんなのは、プロローグの延長に過ぎない。まだまだ物語は始まらない)

-3-
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