小説『とある絶望の幻想現実』
作者:コンダクター()

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一方通行とあった次の日、冬風は、またも学校を休んだ

なぜか?


_










________またも呼び出されたから。


しかも今回は、一方通行よりも不純な動機で、呼び出すLEVEL5第2位未元物質(ダークマター)垣根帝督。
今回も一方通行と同じ噴水の前で待っているのだが、

「遅ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

通行人がビクッ!っとするような叫び声を出す冬風。今回も毎度のごとく遅刻のようだ。

「なぜだ!なぜあの馬鹿どもは自分から平日に誘っておいて、遅れてやってくるんだ。いじめか?
イジメなのかこれは」
「いや、寝過ごしてるだけだからな」

ビュ!
ガ!
ドカーン!

「痛ってぇぇ。何すんだ冬風!」
「お前らは平日にこの学校行かなきゃ留年組のLEVEL0の俺を待たせて何がしてぇんだ!」
「まぁまぁ、そう怒るなって」

このかる〜い感じのホスト顔のイケメンメルヘン野郎こそが今回の呼び出しの人物。垣根帝督

「帝督クゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥん?誰を何時間待たせてるのかなぁぁぁぁ?しかも理由が寝過ごした?ありえねぇだろ。朝電話かけて来たのはどこのメルヘンやろうだ?この野郎!!!!」
「うわ!怒るなって。チョイ暇だからナンパしようぜって誘っただけなんだぜ?」
「何故容姿底辺の俺が貴様みたいなエセホストとナンパしに行かなければならん」
「俺の引き立て役?」
「一生分の走馬灯は見たか?」
「嘘だっつの。まぁ行こうぜ」
「ったく。面倒なことになった。」

そして、冬風と帝督は、ナンパをすることになった。










♪♪♪










時刻は、正午そこには、げんなりした冬風と、気分のいい帝督の対照的な二人がいた。

「本当お前ナンパ得意だな。」
「は?お前まさか失敗したとか思ってんのか?」
「当たり前だろ。お前といたら一人も成功してねぇだろ。」
「(こいつに勇敢にメアドの交換を求めた女子がかわいそうだ)」

この二人は2時間ほど手当たり次第にナンパをして行ったのだが、帝督が、盛んに声を掛けて、冬風が便乗する形ばかりだった(その形しかなかった。)ので、自分はひとりも成功していないと思っているのだが、実はというと、帝督が一人でやるナンパは、ここまで成功した例がないつまり、帝督からすれば、冬風がいたからここまで成功したわけであったのだが、本人はまるで気づいていないらしく、滅茶苦茶落ち込んでいる。

「あ〜、もう!神を俺は殺す決意をいました!!」
「神に八つ当たりかよ」
「馬鹿だな帝督。この世には二種類の人物がいる。イケメンとブスだ!お前はイケメン俺はブス完璧にお前と一緒にいるかわいそうな人になっちまっただろ?お前とナンパはこれだから嫌なんだ。」

そして、会話を交わしながら、路上を歩いていると、帝督が切り出した。

「なぁ、お前は何でLEVEL0なんだ?」

帝督聞いていることは、彼の能力を知っている全ての人間が持つ疑問だ。

「簡単な話、俺の能力を機械がまったく測れないから俺は無能力者認定なんだ」
「それなら、樹形図の設計者(ツリーダイアグラム) の使用申請をすればいいじゃないか。」
「あ〜あれ俺がぶっ壊した。」
「おい!」
「冗談、AIM出してないんだよ。だから無能力だと思われてるわけ」
「ある意味もっと立ち悪い。というか何でそこまで今の地位にこだわるんだ?」

帝督にしたらちょっとした疑問なのだが、冬風は思案顔になり、う〜んっとうなって、問いに答える。

「俺は多分LEVEL6ぐらいならすぐなれる。」
「まぁ、俺よりも数十倍強いしな。」
「で、まぁ普通に能力見せたら最初はどうせLEVEL5になる。そうしたら今まで同じ無能力者の友人と思ってた連中はどうなる?まぁ、騙したと思って俺を嫌うな。」
「つまりお前は、人から嫌われるのが嫌だといいたいわけだな。」
「っま、そういうことだな。」

二人は、また、他愛のない会話をしながら、ブラブラと適当に歩いていく。そこで帝督のはらから自己主張が聞こえた。

「飯にすっか、帝督」
「あ…あぁ、すまねぇ」

そういって近くのファミレスに入っていく。二人、しかし、中に入ったとたん信じられない光景が眼に飛び込んできた。店の従業員どころか、客までも、手を止めてある一点を見つめているのだ。

「あっれぇ〜?今日のシャケ弁と昨日のシャケ弁はなんか違う気がするけど?」
「結局さ、サバの缶詰がキテるわけよ、カレーね、カレーが最高。」
「香港赤龍電影カンパニーが送るC級ウルトラ問題作・・・・様々な意味で手に汗握りそうで、逆に超気になります」
「南南東から強い信号がきてる。」

最初の足全体をストッキングで覆った女性?は、変なことを言いながら首をかしげ、次の少女は、缶詰を爆破させ、また次の少女は、変な映画の雑誌を見ながら変なところに丸をつけ、最後の少女は電波少女かサイコ少女だろう。

「お綺麗ですね」

っで、さらに先程まで、一緒にいた馬鹿までもがニコニコと従業員をナンパしている。

「(最愛がアイテムと一緒にいるから近づきたくはねぇんだよなぁ。とりあえず帝督を連れて行くか)」

冬風は、すぐさまこれを実行する。帝督の元まで歩いていき、

スパーン!!

「おい、何従業員ナンパしてんだこの馬鹿。」

一番目立っていた先程の女子達に気づかれぬように帝督を連れて行こうとする冬風だったのだが、
帝督はそのことを知るわけがない。

「痛えぇ!何すんだ冬風!!!ていうかそのハリセンどっからだした!」

大声で叫んでしまい、全員から注目を集めてしまった。もちろん先程の少女達にも

「お兄ちゃん!?超なんでここにいるんですか?学校は?」

最愛が大きな声で叫ぶ。

「帝督。お前ちょっとコンクリで固めてやるから裏まで来い。」
「いや、その、えっと冬風さん?お許しいただくことは、」
「死んでから許してやる」

満面の笑みで、帝督に死刑宣告をする冬風。

「お兄ちゃん?ちょっとこっちに来てください」

だが、冬風自体もちょっとした死刑宣告を受けようとしていた。

「なに?絹旗あいつのこと知ってんの?」
「きぬはた、あの人誰?」
「あの人誰ってわけよ」

全員からも注意を向けられ逃げること不可能となった冬風は、帝督を一発殴ってそちらに向かうだがその前に、

「みなさん、お騒がせして申し訳ありません。ですので、あんまり睨まないでほしいんですが……」

睨んでいる客と従業員に謝罪をして、通常の空気に戻してから、向かう。
近くに行くと、

「さてお兄ちゃん。超学校はどうしたんですか?」

最愛が、笑顔で聞いてくる。目は笑っていないのだが、

「こいつに呼ばれたんでサボりました。」
「お兄ちゃん超昨日も休みましたよね。ただでさえ超無能力者なんですから超ちゃんと学校行かないと留年ですって超何回言ったらわかるんですか?」
「申し訳ありません。ですから飯抜きだけは勘弁してください」

正座で説教をされ、土下座して懇願する冬風。帝督はニヤニヤして、最愛と一緒にいた女子達は、唖然としている。

「超駄目です」
「くくく、冬風が久々にダサく見えるぜ」
「気が変わった。よかったな帝督。白モヤシと一緒に死ねるぞ」
「第一位と一緒に死ぬのなんざごめんだぞ!!」
「ウルサイ。」

今度は、女性が、

「絹旗〜、ソイツ誰?隣の奴は第2位ってわかんだけど」
「気になるってわけよ」
「超義兄ちゃんの暁冬風です。」

冬風を最愛が紹介する。続けて、

「どうもはじめまして、絹旗最愛の義兄のLEVEL0暁冬風です。よろしくえ〜っと、」
「フレンダってわけよ。」
「滝壺理后。」
「私がLEVEL5第4位、麦野沈利よ。」
「よろしく、フレンダさん滝壺さん、麦野さん」

いい笑顔で自己紹介をする冬風。帝督が小声で、

「(お前まさか自分が裏の人間って隠してるのか?)」
「(あぁ、絶対言うなよ)」
「(わかった)」

帝督としゃべった後で麦野が、

「絹旗ソイツ裏の人間?」
「なんですか?裏って?俺LEVEL0なんで難しい言葉は」
「いや、忘れてくれ悪かった。」

麦野が、言い直す。ここに長居してるとばれそうなので、

「帝督、ゲーセン行こうぜ。」
「え?もうナンパしねぇのか?」

帝督はまたも、何も知らず言うのだが、最愛のいる前でその発言はやばい

「お・に・い・ちゃ・ん?今変なことばが超聞こえたんですが?」
「いやいや、帝督さっきまで俺らさっきまでボウリングしてたよな?(合わせろよ)」
「へ?ナンパしてたろ?俺ら(誰が合わせるか)」
「と、とにかくゲーセン行こうぜ(後で殺す)」
「っま、いくか(やれるもんならやってみな)」

ダッシュで、店の外に逃げる冬風と、笑いながら、歩いてくる帝督。

「お兄ちゃん帰ったら超覚えておいてくださいね(ニコ)」

最愛が眼の笑っていない笑顔で、言ってくる。

「(俺、死んだな)」

案の定、帰ったら、飯抜きに最愛のお説教5時間の刑が待っていたのであった。







When the intersection of science and magic, the boy's despair will ruin the story with the weakest(科学と魔術が交わるとき、最弱で絶望の少年は物語をぶち壊す)

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