【自宅・庭】
気づくと、そこは見知った場所だった。
「帰ってきたんだ・・・、ようやく。」
千夏は気が抜けたのか、地面にへたりこむ。
俺は千夏を支える。
「すいません、どうやら腰が抜けちゃったようです。」
部屋が明るい。周りも暗いし、多分香苗が夕飯を作ってくれてるんだろう。
「・・・せ、先輩!!」
千夏は驚いた様子で話してくる。
「どうした?」
「こ、これ!!」
千夏が見せてきた携帯を見る。
「それが?」
「時間ですよ!!」
時間って・・・そう携帯の時計を見ると2時を指していた・・・
途端に俺の携帯も鳴り出した。
携帯を開いて見ると、新着メールが52件、着信に関しては5分おきにかけてきている。
「とりあえず、家の中に入ろう。」
そう俺は千夏と一緒に家の鍵を開けて中に入る。
・・・玄関に入るとすすり泣く声が居間から聞こえてくる。
居間には香苗が泣いていた。
俺が居間に入ると、驚いたように俺の方を見てくる。
「・・・直樹?」
香苗は目を真っ赤にしていた。
「あ、うん、ただいま。」