しかし、香苗が取った行動はドラマでよく見る抱きつくでも泣きつくでもなく。
「とりあえず、反省しろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
の怒声と怒りに満ちた右ストレートだった。
ドスッっと鳩尾に突き刺さる。
「が、ガハっ!?」
「どんだけ、心配したと思ってんのよ!!
攫われたんじゃないかとか殺されちゃったんじゃないかって心配したんだからね!!」
「い、いや、本当にごめんなさい・・・」
実際、死にかけたんだけど・・・
「もう、ケンカはそこまででいいんじゃないのかな?」
やけに幼い声が聞こえてくる。
「「へ?」」
そこには、いや千夏の隣には・・・エリーが立っていた。
「え、エリーさん!?」
千夏は驚いたように声を上げる。
俺?無理だよ、息苦しいもん。
「ちょっと、直樹・・・」
「あ、え・・・?」
あぁ、マズイ、非常にマズイ・・・
「あんたね!!人に散々心配かけておいて女の子をしかも1人はまだ小学生ぐらいじゃない!!
あ〜そう、そうですか!!あんた人さらいでもしたって!?
ふざけないでよ!!」
段々、香苗の拳の力が増していく。
「あ、ちょ、マズ・・・ブフォ!?」
「バカ!!」
更に、鳩尾に入る。香苗は馬乗りになって・・・
「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカァ!!」
無情に叩き込まれていく顔面ビンタ。
ニヤっと笑うエリーを見ながら俺の意識は落ちっていった。