翌日、俺は香苗と一緒に家を出る。
なんだろうか、学校にいくのはとっても久しぶりな気がする。
「それにしても、エリーちゃんいい娘だね?」
「そうか?」
登校途中に、香苗が聞いてきた。
まぁ、こいつは『裏』を知らないからな・・・
歩いていると見慣れた姿を見つける。
「あれ?千夏だ。おーい!!」
呼ぶと、千夏は振り返り近づいてくる。
「あ、」
「おはようございます。先輩。」
千夏は頭を下げる。
「あぁ、それにしても大丈夫だったか?」
千夏は俺に近づき、香苗に聞こえないように。
「えぇ、エリーさんから何かあったらエルスさんを護衛に使えって来ましたから。」
なんで千夏に?
「どうやら、あの世界に入るとまた入ってしまう可能性があるらしいですよ。」
「なるほどな。」
「あのさ、私のこと忘れてない?」
「あ、悪い。」
「ご、ごめんなさい!」
振り返ると、香苗はこっちを不思議そうに見ていた。
「そういえば雨宮さんだったよね?
直樹とはどういう関係なの?」
「あ、私は直樹さんの・・・後輩です?」
「なんで、疑問形なのよ・・・」
「まぁ、千夏とは少しあってな。そのうち話すよ。」
「そ、ま、いいけどさ。」
女同士のせいか登校している間にすっかり2人は仲良くなっていた。
俺、置いてけぼりだな・・・