人形たちは少しは戸惑ったものの、すぐに向かってきた。
「ハッ!!」
ズンっと、剣が人形の胸を貫く。
人形は断末魔のようなものを上げて消滅していく。
「まず、1人。」
人形たちが動きを止める。
「直樹・・・?」
「後ろに隠れてろッ!!」
今度は剣を投げつける、
剣は吸い込まれるように人形の胸へ突き刺さる。
「残り1人・・・」
『グギャギャガyがyぎゃy!?』
人形はこの世のものとは思えない叫びを上げて飛びかかってくる。
「トドメッ!!」
剣を上に上げ振り下ろす。
人形は宙で真っ二つに切れ霧散した。
「直樹・・・」
香苗の方を振り返る。
香苗は怯えた目で見てきた。
「大丈夫、もう大丈夫だからな。」
と、手を指し伸ばした時だった。
「嫌ッ!!」
パンっと俺の手は弾かれた。
「え?」
信じられなかった。
「あ・・・ごめん。」
香苗は目を伏せ謝ってくる。
「・・・」
「さ、助けに行こ。」
香苗は俺の方を見ずに立ち上がり歩き出す。
「・・・わかった。」