小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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(夜・自室)

それは夜中、俺がトイレに行ったあとに部屋に戻ってきた時だった・・・

人形が・・・人形が俺のことを見ていた。

そう、考えてみれば・・・
西洋人形にグロテスクモードを追加したような感じなのだ・・・
月明かりに照らされて更に恐怖感を煽っている。

「こ、こえぇ・・・」

しかも、この人形・・・動くからなお怖い。

「あ、うん。お前も早く寝ろよ?」

俺はそう言い、布団を頭から被り目を閉じようとした時だった・・・
布団の空いた隙間から青い眼が覗いていた。

「ぎゃ!?」

いや、待て、落ち着け、人形だ。そうだ、人形なんだ。
うん、もう目をつぶろう。

・・・しかし、寝れない!!
落ち着け落ち着け・・・大丈夫大丈夫、無害なんだ。
そうだ、なんにも問題ないんだ。

-主どの、何をしておる。-

頭の中にエリーの声が響く。

「え、エリー?」

-まったく、変な物音がして部屋に来てみればミノムシが転がってるとは・・・-

布団が少し持ち上がる。
するり、と何かが中に入ってきた。

「まったく、恐いなら一緒に寝てやるのにな?」

エリーが俺の布団に入り意地悪く笑う。

「え、エリー?」

しかし、コレはかなり心強い。いや、別に怖いってわけじゃないんだが・・・
まぁいい、なんだろう。眠くなってきた。

-28-
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