小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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【日曜日・時計台前】

空は青く澄みきっている。

「って、少し早く来すぎたかな?」

時間を確かめると、9時30分だった。
まぁ、30分は早すぎたか・・・

「あれ?先輩?」

聞きなれた声が聞こえ、振り返ると千夏がそこにいた。

「私の方が早いかと思っていたのに・・・」

「まぁ、お互いさまってことだな。」

「ですね。」

さて、開催は10時からだから、まだ時間があるな・・・。

「千夏は今日は一体何を買うんだ?」

「あ、いえ、何を買うかは決めていなんですよ。」

すると、千夏は俺に一枚の紙を差し出してきた。

「これ・・・人形?」

チラシには『西洋人形博覧会』と書かれており西洋人形がメインを添えている。
ってか、怖いな。

「はい、で、目玉がですね・・・」

千夏は次にパンフレットを開いてみせる。
今まで、あまり喋らないなって思っていたけどこりゃ考えを変えなきゃな。

「で、これが・・・って、聞いていますか?」

「・・・ごめん、ちょっと圧倒されてたよ。」

「・・・すいません。」

「謝らなくてもいいって、そろそろ時間だな。行こうか?」

「はい!」

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