小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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俺はこれで終わりだと思っていたんだ。
だけど、

「人が・・・いない?」

「どうなってるんだ?」

本通りに出てみると、人の気配が全くなかった。

町並みは変わっていない。むしろ、そのまま人が・・・

『ニンゲンダ、』

と、声が聞こえ振り返るとそこには騎士の石像が立っていた。

「ひっ!?」

千夏は俺の後ろに隠れる。

『・・・シツレイシタ、ムスメヨ。ワタシニハアクイハナイ。アンシンシテクレ。』

「・・・さっき、会った人形とは違うみたいだな。」

-怪異にはこういう奴も多い。-

うるせぇな・・・

『・・・オマエハマジュツシカ?』

「は?」

『オマエカラ、カスカナマリョクヲカンジル。』

-多分、私の魔力だろう。-

「いや、俺は魔術師じゃないしただの学生だ。」

『フム・・・ワカッタ。ワタシハ「エルス」キシノセキゾウダ。』

「そうか、よろしくな。エルス。」

『・・・オチオチ、アイサツモデキナイカ・・・』

エルスは背を向ける。

「ど、どうかしたんですか?」

『ムスメヨ、オソレルナヨ。』

『ヤァット、ミツケタァァァァ!!』

エルスの視線の先にはさっきの人形が宙に浮いていた。

『ミンナァァァァァ、ニンゲンダァァァァァァ!!』

人形が大声を上げると、周囲が一気に騒がしくなった。

『・・・ヤッカイナコトヲ!!』

エルスは石の拳で人形を砕く。

『ウギュウゥゥゥゥゥゥ・・・』

『ショウネンニゲロ!!』

-無理だ、囲まれた!!-

周りを見渡すと、そこらじゅうに人形や石像、剥製が囲んでいた。

-さて、どうする?契約者よ。-

・・・ってか、この状況じゃ限られてくるんだが・・・

-7-
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