小説『ヘッドフォンアクター』
作者:hj()

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二章


外は、想像以上の蠢きだった。
流石は地球最後の日。何かのアニメで見たような荒れ果てようだ。
「あの丘に行けばいいのか?」
独り言のようにヘッドフォンに呼びかける。
周りから見れば馬鹿みたいな行動なのだろう。実際、自分でやっていてとて
も馬鹿らしく思えるぐらいなのだから。
『そう。そこに生き残る答えがある』
そして、当然のように答えが返ってくるというこの状況。
自分の頭が大丈夫かを疑いたくなる。
(まあいっか。どうせ他に方法ないんだし)
自分の頭の中で、勝手な結論が出る。
それにしても、
「あの丘の向こうに、一体何があるんだ?」
『………』
一瞬だけ音声が止まる。数秒して。
『行けば嫌でも20秒で知ることになるよ』
返った答えはそれほどいいものではなかった。
「嫌でもって………本当に生き残れるの?」
『生き残れるよ』
今度は力の入った返事だった。
『ちゃんと生き残れる』
「…そうか」
ほっと、息を整える。
『……疑わないんだね』
「まあね」
ゆっくりと深呼吸を三回する。そして、
「このまま終わるなら、もうすべはないだろ?」
丘の向こうへと、駆け出した。

-5-
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