小説『魔法先生ネギま ロマンのために』
作者:TomomonD()

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第十三話 これからの日々のために


Side クロラージュ

今は戦争中です。

何のかって?

テスト対策だよ、ちくせう!!

「なんで俺まで…」

「気にしてはだめです」


今はバカレンジャーと一緒に勉強中だ。

先生は……一十百だ。

エヴァと茶々丸は寝た。

俺は関係ないのに――――――!!!!


「では次の問題です。120km/hのA君が20分前に歩き出した30km/hのB君に追いつくのは何分後ですか?」

「わからないので実際にやってみるでござる!」

誰がやるんだ? そんな速い速度で……。

あ、できるのか一十百なら。

「だ、だめですよ〜。テスト中には立ち歩けないんですから」

「そうだったでござる」

いやそうじゃないだろ……。

一十百が頑張って説明してるけど…

「えと、では1600年にあった天下分け目の戦いのことを何と言いますか?」

「第三次世界大戦アル!」

そうか、それは大参事だな。

「ほぃう。えと酸だと赤くなってアルカリだと青くなる試験紙の名前は?」

「リーズナブル試験紙でしょ!」

さすがだレッド。

リーズナブルか、リしかあってないぞ。

「えぅぅ、では……源氏物語の作者は?」

「はいはーい、十二一式部!」

混じってる、混じってるぞピンク!

「えぅぇぇ。その、次の問題です。ナイル川周辺で栄えた四大文明の一つは?」

「…エジ…いえ、インダス文明です」

惜しい夕映!なぜ言い直した。

てかさ、一十百が唖然としてるんだけど。

バカレンジャーの恐ろしさを知るがいい!

「えと、そのクロラージュさんに問題です。三角形の内角の和は?」

「約260°」

……あれ、一十百?

どうしてそんな目で見る?

260°じゃなかったか360°だったか?

「バカレンジャーに新たな色が加わりそうでござる」

「バカオレンジ、ネ」

「ブルーとイエロー!勝手に加えるな!」

まったくな〜、今のはわざと……なんだ、本当だ。


「それじゃ、次の問題です…」

「ちょっと待って。一十百君だって問題解かなきゃ不公平よ!」

「ふぇ!そういえばそうですね。で、ではお願いします」

「それじゃね、聖徳太子が行ったことを二つくらい言って」

アバウトだな、さすがレッド。

「冠位十二階の設定と、十七条の憲法です」

「あ、あたってる…」

そりゃそうだ、一十百のノートみてみろ。

なんだかわからん公式とか書いてあるぞ。

ホントに中学生か?

「私にも出させて〜。それじゃね、二月を英語で書いて!」

ほう、書かせるか。フェヴァリーとかいう発音だったっけ?

「February ←はい」

「すご〜いあってる」

さすがだな。

チャチャゼロ曰く“てすとジャ90おーばーガ普通ラシイナ”らしいけど、本当だな。

とにかく、一十百は頭がいいようだな。

むむむ、嫉妬のオーラをぶつけてやる〜。

「ひぁい! い、いま寒気が……? 気のせいかな〜?」


さてと、さすがに疲れてきたな。

俺も、そろそろ寝る…グエッ!

「どこに行くつもり?」

「いや、寝ようと…」

「私たちが徹夜覚悟なのに?」

レッド、それはお前たちのせいだよ。

俺は関係ない。

「俺は…」

「クロラージュさんは今日も学園の平和を守ってクタクタなんです。かわいそうですよ〜」

ナイスだ、一十百!

「そうだったの? てか学園の平和ってなに?」

オーマイガー!

どうするんだ一十百?

ばれたら大変……か?

アスナは魔法知ってるんだったっけ。

でも他のメンツにはまだ早いぞ!

「学園の美化運動をしてるらしいですね」

夕映のナイスサーブ!

「美化運動? 知らないでござるな……」

おい青忍者、黙っとけ。

さんぽ部(笑)のくせに〜。

「えと、部活とかではないですから、きっと有名じゃないんですよ。そういえば、みなさんは何か部活やってるんですか?」

「え?部活?」

一十百の自然な切り替えし……か。

やるな。

「拙者はさんぽ部でごさる」

「さんぽ部? のほほんとしていていいですね〜」

「私は中国武術研究会ネ、それの部長ヨ」

「部長!すごいですね!」

お〜い、一十百……。

今の部活名に疑問はないのか?

無いんだろうな、一十百だし。

「私は新体操部だよ」

「みてみたいですね〜」

「私は図書館探検部、児童文学研究会、哲学研究会の3つをやっているです」

「かけもちですか〜! アグレッシブですね」

そういやそうだったな。

学校の部活の後に別荘での修行って……かなり大変じゃないか?

普通の顔してやってるけどさ。

「えと、レッドさん?は何か部活をやってるんですか」

「美術部よ…ってレッドさんって何!」

「はぅ!クロラージュさんがそう言ってたので…」

「私の名前は神楽坂明日菜よ!」

「じゃ、じゃあレッドっていうのは?」

「バカレンジャーの色だよ一十百、ぷぷぷ」

「そこ、はっ倒すわよ!」

いや〜、レッドさんか。

てことは他の人もブルーさんとかイエローさんなんだろうな。

「まあまあ、せっかくだから自己紹介しておきますか。俺の名前はクロム・クロロ・クロラージュ、エヴァの兄だ」

「え!エヴァちゃんにお兄さんいたの!」

「正式な兄ではないです。クロロさんの妄想が大半を占める“兄”です」

夕映、正しいコメントだがやるせない気持ちになったぞ。

「えと、僕は一十百です。ここの掃除等をやってます」

「あれ? 十百君はここの執事なの?」

「執事じゃないです。えと、奴隷か下僕って言われてますけど……?」

おい一十百、夕映以外のメンツが引いてるって……。

「逃げた方がいいでござるよ」

「私もそう思たヨ」

「ふぇ? でも大丈夫です、家の掃除と家事全般、庭の手入れ、くらいですから」

知らなかったな、そんなに多忙だったのか。

「たぶんですけど、今のプラス、輸血パック、別荘の掃除&修理、エヴァさんの代わりの警備をやってるです」

そっと夕映そう言ってくれた。

よく平気だな……。

まあ、一十百だから大丈夫と思えるのはいいことなのかな。

「えと、そちらのお二人は?」

「自己紹介の途中でござったな。拙者は長瀬楓でござる」

「私は古菲アル」

「佐々木まき絵だよ。ワンちゃんと一緒のときあったよね」

そういやそうだったな。


うむむ、しかし……

バカレンジャーってある意味すごいよな。

アスナ、古菲、楓の3人は身体能力とか特殊能力とかあるし、夕映は魔法使いになってるし。

よく考えるとまき絵だけが一般人か?

そのうちこっち側に呼ぶか、本格的に。

「それと、アスナさんですね」

「そうよ」


さてと、話がそれてるうちに逃げよ。

眠いし。

「どこに行くです?」

「え゛……」

さすが我が弟子。

こんな時まで周囲に気を配らなくても…

「逃がさないアル!」

「旅は道連れでござる」

「待て俺は関係ないんだ〜!!!」

「あ!だったら、私たちとテストして一番点が良かったらいいよ」

そうか、だがそんな簡単にテストが…

「はい、クロラージュさん」

横にテスト製作機がいました。

一十百、いつの間に…

「それじゃ〜、始めてください」


一十百の模擬試験        国語   数学   歴史   理科   英語
結果 神楽坂明日菜(バカレッド) 32    38    47    23    25
    佐々木まき絵(バカピンク) 48    34    45    43    29
    長瀬楓   (バカブルー)  54    39    34    31    40
    古菲   (バカイエロー)  39    28    39    47    57
    綾瀬夕映 (バカブラック) 57    49    37    39    40

    クロロ  (バカオレンジ) 27    33    12    23    11

徹夜ですハイ、ちくせう。エヴァと茶々丸も後でやったそうだ。

    エヴァ             83    79    89    91    88
    茶々丸            81    83    82    86    87

二人ともすごいな……。



そしてテスト後日……。

どうやらバカレンジャーのテストも上手くいったらしい。

今か?

エヴァの頭をなでなでしてるとこだ。

そりゃな、全科目90点越えすれば褒めるって。

俺としてもかなりいい気分だ。

茶々丸がビデオカメラでしっかり録画していてくれてるから、安心してなでなでに専念できる。

「///お、おい、いつまでなでているつもりだ?」

「ん? エヴァが満足するまでだけど?」

「な、ならもういいぞ」

そうか。

まあ、少し俯いて顔を赤くしてるエヴァを間近で見られたからな。

眼福、眼福。

夕映もそのうち来るから、また至福のなでなでタイムがやってくるぜ!

そういや、一十百が超の所に行ったんだよな……。

まさか、もう完成したのか?

いや〜、さすがにそれはないな。


「エヴァ、このログハウス少し大きくしないか?」

「なぜだ?」

「いや、本当なら茶々丸とエヴァだけが住む予定だったんだろ。でも俺や一十百とかその他もろもろが住み始めて狭くなったんじゃないか?」

「そうか、そうは感じないが……。それにログハウスを改築なぞ誰がやるんだ?」

「……一十百」

「……できるのか?」

「できるだろ?」

「ログハウス…のままでいられる可能性は?」

「正直35%くらいか?」

「………」

「………」

「かけてみるとするか」

どうやら、ログハウスの改築を考えたようだな。

木材費とかはどうしようかな?



Side 一十百

「コレがその体ネ!」

超さんにさよさんの乗り移る用の体を見せてもらいました。

本物そっくりです。

洋服は古い学生服に似せたものです。

僕のハンドメイドです。

他の人には……エヴァさんは見えてるんでした、見える人が少ないので僕がさよさんの今着てる服を作ったんです。

「じゃあさよさん、中に入ってみてください」

「はい!」

ふわ〜って中に入って見えなくなっちゃいました。

「成功しましたか?」

「待ってください……大きな変化は見られませんが…」

「失敗カ?」

「う、うごけます!!」

はぅぁ!び、びっくりした〜。

いきなり起きるから、お化けを見た感じです。

あれ、さよさんは幽霊さんでした。

「も、問題はありませんか?」

「はい! またこうやって地面を歩けるなんて……あれ?」

「どうしました、さよさん?」

よくみると、さよさんの体が地面から数cm浮いてる…!

ホ、ホバーリング移動、だっけ。

「ちゃ、超さん。あの、なんでホバーリングを?」

「し、知らないネ! ハカセのロマンカ?」

「私じゃないです、それにロマンってなんですか?」

う〜ん、でもいいんじゃないですか?

困りそうなことはないですし。

「さよさんは大丈夫ですか?」

「はい。浮きながら移動するのには慣れてます」

「ソウカ。それはよかったヨ」

「でも、他の人からはなんて思われるんでしょうか?」


「大丈夫ネ、きっと気が付かないヨ」


あ、あれ?

さよさんの周りに青白い人魂が……。

それにドヨ〜ンと空気が重くなった気がします。

「私そんなに影薄いでしょうか?」


さよさんが立ち直るまで20分くらいかかりました。



Side 夕映

いつものログハウスに着くとクロロさんが出迎えてくれたです。

……いきなり頭を撫でられたですけど。


「結果がどうこうじゃない、あれだけ頑張ったんだ。約束通りなでなで〜」

という感じだったです。

///いやな感じは全くしなかった……事はクロロさんには黙っておくです。


「それで、なぜ見取り図を描いてるですか?」

「いやなに、ログハウスの改築をだな」

「一十に任せようと思って書いているのだが……」

どうみても、立派な豪邸にしか見えないです。

「さすがの十百さんでも、これは無理だと…思うです」

無意識に無理だと思えないという感情がよぎったです。

一十百=万能人

という方程式が成り立ちそうです。


「ただ今戻りました〜」

ナイスタイミングです、おや……?

誰でしょうか、知らない女性と一緒です。

「誰だその子? 彼女か……いや、君どこかで…」

ム、クロロさんはこの人に見おぼえがあるのですね。

なぜか黒い感情が湧くです。

「なんだ、相坂か。その様子だとうまくいったらしいな」

「はい! みんなから話しかけてもらえるのがとてもうれしくて…」

今まで無視され続けてたのですか!

可愛そうです、いじめでしょうか?

「でもこれで大丈夫です。これからもよろしくお願いします」

「さよさんもこれで学校に行けますね」

「はい! あ、学校には行っていましたよ」

十百さんの知り合いだったのでしょうか?


それよりもこの見取り図を十百さんはどう思うのでしょうか?

「あれ、これって…」

「このログハウスも狭くなってきたからな、少し改築しようと思ってるんだ」

「でもすごいですねこの見取り図。これだと仮に僕がやっても1日かかっちゃいます」


「「「1日!!!」」」


「ふぁぁいあ! びっくりしました。どうしたんですか?」

「待て待て待て!!! この見取り図で1日か?」

「はい。材料は……木材店と鉄鋼店から持ってこれるので完成まで1.5日くらいです」

「できるのか? できるんだな?」

「はい、エヴァさんこれくらいできるのが執事らしいです。青い髪の執事さんもきっとできそうですし」

「誰かは聞かないぞ、金髪ツインテールの主がいる執事なんて知らないからな」

的確すぎるです、エヴァさん。

しかし本気でしょうか?

この間取りで、二階建てで…

「せっかくですから、三階建て書斎、音楽室、ワインセラーなんかをおまけでつけますか?」

「おまけってなんですか――――!!!」

さすがにこれ以上突っ込まないの無理です。

「お、おい一十、三階建てはともかく、他の無理じゃないか?」

「大丈夫です。7歳のころ、お家に地下秘密基地を作りましたから、それを応用して地下にワインセラーを作れば大丈夫です」

「土地のことは…爺に言えばいいか。で、今のおまけをつけるといつできる?」

「そうですね、地下の改築があるので……3日かかっちゃいます」


もう駄目です。

クロロさん少し休ませてもらうです。

「夕映どうした?」

「現実がファンタジーを超えたです」

「そうだな、俺も疲れた」


次の日、エヴァさんのログハウス……いえ、ログハウスだったものが生まれ変わってました。

木造三階建築のログ豪邸です…。

「夕映か、いま中には入れないそうだ。今夜だけでいいから泊めてほしい」

「…エヴァさん、クロロさんは?」

「棺桶に入って寝ている。“現実は嫌だ、出来上がったら起こしてくれ”と書いてあった」

「生きてるですか?」

「ああ、クロラージュはお前用のがないのを心配してたぞ」

ありがたい心配です、今日はエヴァさんと家に帰るです。

現実を言うファンタジーを見なかったことにしておくです。

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