小説『魔法先生ネギま ロマンのために』
作者:TomomonD()

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今回は番外編・コラボレーションです!!
ナハト・リコリス様の『ネギま 英雄の魂(スーパーヒーロースピリッツ)物語』のアリア・スプリングフィールドちゃんが遊びに来てくれました!!!
では、どうぞ〜!!



番外編  異世界の少女と平和な午後


Side クロラージュ

日曜日が来た、平和な休日だ。

朝早くからネギ君が来てのんびり話をしていた。


そして今、大きな論議を行っているんだよ!

「かわいい少女たちが変身をし、そして悪を成敗する! これが日曜のテレビの醍醐味だろ?」

「そうとも限りませんよ、クロラジュさん! 悪を成敗するのが女性とは限りません! 僕の日曜日は未確認生命体と戦うヒーローの応援日なんですから!」

「フン、所詮は平成の特撮だろう。古き良き時代を知らないぼーやにはわからんだろうが…、あの時代の特撮は今とは違う味がある!」

まあ、単純に好きなテレビ番組のことを話し合ってるわけだ。


日曜日の朝のテレビ番組は早起きしてでも見る価値がある。

そんな話から発展した論議といったところかな。

ネギ君はどうやら、某クワガタライダーさんをよく見ているらしい。

何でも、“見ていて勇気をもらえる”“安心できる”らしい。

確かに…まあ俺は少ししか見ていないんだが、カッコいい部分がかなりあったのを覚えている。

対するエヴァは、同じ特撮でも昭和もののを好んでいるようだな。

カラータイマーがなるような特撮の時代だから画像とかもかなり古いはずなんだが、それはそれで味があるらしい。

あの頃のセットでよくやったものだ、とか言っている。

俺は、特撮ものよりも変身ものが好きで、結構本気で見ている。

特に美少女が変身して悪を懲らしめるタイプのものが好きだ。

お気に入りは…白と黒の二人から五人になった頃のが好きだな。

ビデオに録画し忘れたから、記憶の中に残ってるくらいだけどな。

今度借りてくるか。


論議は進み……、一つの結論に至った。

「とにかく、俺のは特撮じゃないから比較しにくいが、ネギ君のとエヴァのは時代は違えど特撮ものだろう。なら、実際に見てみるのが一番じゃないか?」

「見るのはかまわんが……、録画していないぞ」

「いやいや、それじゃテレビで見るのと同じだろ? つまり、実際にやってくれる人を探す、というわけだ」

「なるほど。でも、やってくれる人いるでしょうか?」

「いたとしても、それなりに似ていなくては話にならん」

「それが問題なんだよな〜。こうなったら…」

「「こうなったら?」」

「最終手段『一十百に頼んでどうにかしてもらう』」

「「………」」

「やっぱ、ダメか?」

「いや、一十なら何かいい案があるかもしれないな」

「聞いてみましょう!」

ということで、一十百のところに行くころになった。


一十百はエヴァハウスの大広間にいた。

掃除中というわけではなかったようだ。

とにかく、今回の論議の結果を一十百に伝えることにした。

「……なるほど。実際に見てですか」

「そうなんだけど、何かいい案あるか?」

「う〜ん……」

一十百が何か考えてる。

変なことを思いつかなければいいけど。

「…よし! ちょっと用意するので外で待っていてください!」

一体何をするのやら……。


「用意ができました!」

一十百の用意ができらたしいので、もう一度大広間に入ってみると……。

「これは…、すごいな」

壁と天井と床に巨大で複雑な魔方陣が描かれていた。

「いったい何をするんだ?」

「すこしだけ次元空間に干渉して、クロラージュさん、エヴァさん、ネギ先生の求める方々をこちらに呼んでみようと思います!」

「……はい?」

「難しいことは聞き流してください。簡単に言うと、うりゃっ、って感じです!」

「「「マッタクワカラン」」」

これはまずい雰囲気しかない。

ここで一十百を止めないと大変なことになりそうだ。

「一十百、スト…」

「展開せよ! 一番から十一番までの魔方陣! いざ、開け! 時空の扉!」

一十百の声を受けて、周りの魔方陣が淡く輝く。

あれ……、一十百って魔法使えないんじゃ……。

いや、これはそれどころじゃない!

目の前の大きな魔方陣に光が集まっていく。

次の瞬間、光が爆発した。

「うわっ……」

部屋が淡い光に包まれる。


「どうなったんだ……」

「成功、しましたよ」

「本当か!」

俺が魔方陣のところを見ると……。

「え゛…」

桃色の髪の毛、小柄な容姿、そして犬の耳と尻尾のようなものがついている少女が立っていた。

ちょ、ちょ……、ちょっと、その御方はどこぞの国の姫君では?

「一十百、呼ぶ人…間違ってないか?」

「ほぇ? う〜ん、うまくいったと思ったんですけど……」

いや、だって……ミルヒ姫じゃないのか?

それとも、他人の空似ってやつか?

「ここは……」

いきなり召喚されたから戸惑ってるのみたいだな。

「こんにちは。ここは、僕の大主・エヴァンジェリンさんのログハウスです。僕は一十百、よろしくね」

そう言って、一十百が微笑みながら手を差し出した。

ミルヒ似の少女は少し戸惑ってから手を差し出したようだった。

「私はアリア・スプリングフィールドです。いったい何が起きたんでしょうか?」

うん?

スプリングフィールド?

まさか……、この少女って……。

「も、もしかして、君ってネギ君の…」

「…妹です」

なんだか、一瞬目をそむけたけど……。

まあいいか。

……て、それどころじゃないいいぃぃ!!!!


詳しく話を聞くと、本当にネギ君の妹らしい。

どうやら、エヴァの家のあたりにいたらしいんだけど、気が付いたらこっちに来ていたらしい。

それで、こっちのネギ君に妹はいるかと尋ねたら、いないと言っていた。

つまり……この子は別次元の…平行世界(パラレルワールド)の人だ。

初めて会った時の印象はかわいい!の一言に尽きる。

正直言って、思いっきり撫でたかったが……我慢した。

話をしてみると、かなりしっかりした女の子だ。

いきなり異世界に飛ばされたら取り乱したりするものだけど、それほど取り乱したりしてない感じだし。

「何か?」

「いや〜、しっかりしてるなぁ、と思ってね。もっとこう…慌てたりするものじゃないか?」

「驚いてはいます。けれど、慌てたりしたところで状況が変わるものではないですから」

うん、しっかりしているなぁ〜。

しかし……犬耳の少女ってのもかわいいな。

俺は猫耳派なんだが、このアリアちゃんを見ていると、犬耳もいいなぁと思ってしまうよ。

うう、撫でたい。

「おい、クロラージュ。キサマ、撫でたいとでも思っているのだろう?」

「そのとおりだ!!」

「せめて隠す努力くらいしたらどうだ!!」

「これだけ犬耳の似合う少女に出会える可能性は、一生に一度あるかないかくらいだ! 故に、ぜひ撫でさせて欲しい!!」

「はぁ……。おい、アリアとか言ったな。嫌だと思うならはっきりと断ってやれ」

「…少しくらいなら、構いませんよ」

よし!

本人から了承された。

軽く手を乗せ、撫でる。

「ふぅ、サンキュー。これは、とてもいい思い出になったよ!」

撫でていたとき、少しだけ目を細めてくれていたから、それほど不快に思ってはいなかったんだと思う。

たぶん……。

「それで、なぜ私がここに呼ばれたんでしょうか?」


一十百の転送間違いだと思うんだけど、一応今回の出来事について話してみた。

すると……。

「なるほど。それなら確かに可能ではあります」

「え゛……。可能なのか?」

「はい」

詳しく聞いてみると、何でもネギ君の故郷が悪魔に襲われたとき同じようにアリアちゃんも襲われてしまったらしい。

犬耳と尻尾はそのときの呪いのせいだと言っていた。

けれどその呪いのせいで、特殊な力が備わったらしい。

なんでも、特撮ものの主人公や変身美少女もののキャラクターになることが出来るらしい。

さらに、その技まで使える……らしい。

平行世界(パラレルワールド)の主人公…てかヒロインのアリアちゃんは十分なチートさんでした。

ぐすん、俺もそういうような能力、欲しかった…。

まあ、落ち込むのは後にしよう。

「では、ぜひ頼みたいんだけど……いいかな? あとで紅茶とパイをご馳走するから」

「物でつられたとは思われたくないのですが……、わかりました」

「じゃ……そうだな…う〜ん、よし! 春日のうらら……てか、キュアレモネードになってもらえるか?」

「……少し気になっていましたけれど、そういう趣味の方ですか?」

ぐふっ……。

正面きって言われるとダメージが大きいな…。

「ま、まあ、ほら……その、なんだ、少女と幼女って愛でるべきものじゃないか?」

「……人の好みに口を出した私が悪かったですね。忘れてください」

なんだろう……。

アリアちゃんの俺に対する好感度が真下に落ちた気がする。

とにかく、不思議な銀色のブレスレットを大きく振り上げたようだ。

そのブレスレットから光が満ち溢れ、アリアちゃんの姿が変わっていく。

光が弾け飛ぶと、そこには黄色の髪を猫の耳のようにした少女がそこにいた。

「お…おおっ!!! 本物だ!!」

「ほぅ、服装だけでなく、髪質や顔の形まで変わるか。相当なレアスキルだな」

「これがクロラジュさんが望んでいた方の姿ですか?」

「ああ!! しかしすごいな…。平面の画面では見られなかった立体のレモネードに会えるとは…」

これは…、うん。

「撫でさせて!! ぜひ!!!」

「そればかりなのですけど…。この方はそういう人なのですか?」

「そうだ。だから断れといっただろう」

「はぁ……。まあ、貴方の目を見ればどれだけ本気で撫でたいのかわかるので、あっさり断るのは少し気が引けますから」

そういって、一歩こっちに近づいてくれた。

「少しでしたらどうぞ」

「やったっ!!」

はしゃぐ気持ちを抑えて軽く撫でる。

今さっきアリアちゃんを撫でたときとは違った感じだ。

本当に別人になっているようだ。

中身は同じだけど、外見がまったく違う。

すごいな。

ゆっくりと手を離す。

「どうだネギ君、エヴァ。俺の言っていたよさがわかるだろう?」

「ああ、ほぼ貴様のせいで台無しだがな」

「クロラジュさん……」

何だか、ネギ君からも冷たい視線を感じる。

うう……。


アリアちゃんには変身を一度といてもらうことにした。

どうやら、次の変身が出来るようになるまで三分ほどかかるらしい。

解いてもらってから気が付いたのだが、技を実演してもらうのを忘れてた。

とはいえ、何度も俺の要望にこたえてもらうのも悪いのであきらめることにしよう。

ちょっと残念だが、撫でられたのでそれはいいか。

まさか、画面の向こう側の方を撫でられる日が来るとは……、感動だ。

「……そこまで、撫でたかったんですか?」

「うん? ああ! というよりも、アリアちゃんがもともと可愛いから嬉しさが二倍から二条なんだよ」

「意味が、わかりません」

なんだかため息を吐かれた。

まあ、俺のロマンは他人には理解してもらえないからな……。

「紅茶が入りましたよ」

一十百が紅茶を注いでいく。

「どうぞ」

「ありがとうございます」

一口飲んで表情が変わった。

やはりイギリスにいたときに飲んでいた紅茶とは比べ物にならないんだな。

「この紅茶、とてもおいしいです」

「えへへ……。別次元の方にも好評なのは僕も嬉しいです。お土産用にいくつか用意しておきますね」

「そういえば一十。アリアを元の世界に戻すことはできるのか?」

「準備はバッチリですよ。ただ、魔力を溜める必要があるので、もう少し時間はかかりそうです」

「なるほどな。さっきから魔力が飽和状態になってるのはそのためか」

俺はまったく気が付かなかったんだけど……。

アリアちゃんの犬耳と尻尾が発現してるって事はそうみたいだな。


「だいたい三分たったけど……、次いけそう?」

「ええ、大丈夫ですね。次は…」

「僕がなってほしいヒーローになってくれますか?」

「…いいですよ」

「あっ、その前に…」

ネギ君が一歩踏み出してアリアちゃんの前に立った。

「何ですか?」

「そっちの僕がどんな僕なのかわからないけど……、大切な妹を守ることができなかったみたいだから代わりに謝らせて」

そういってネギ君が一歩下がる。

そして頭を下げた。

「あの頃の僕に力がなかったとはいえ、守ることができなくて、ごめんなさい」

「!! ……頭を上げて。あっちのネギと貴方は別人ですから」

アリアちゃんの表情が驚いたものから、やさしげな表情に変化した。

どうやら、ネギ君の誠意が伝わったみたいだな。

「それでは改めて…、仮面ライダークウガになってください! できれば、マイティーフォームの状態が見てみたいです!」

「あれ? たしかアリアちゃんのその能力って、対象の強化体にはなれないらしかったけど……、いけそう?」

アリアちゃんが一度うなずいた。

「やってみないことにはわかりませんが、それほど強力な状態じゃないのでできると思います」

そういって、銀色のブレスレットを胸の前に持ってきた。

さっきと変身の仕方が違うみたいだけど……、やっぱり変身する相手によってあるのかな?

銀色の光が満ち溢れ、アリアちゃんの姿が変わっていく。

強い光が弾けとんだあと、そこにいたのは……。

「すごいな…」

赤色のボディと金色の角が目を引く仮面ライダーがそこにいた。

テレビで見るのと、本物がいるのとではまったく違う。

頼りたくなるような優しい威圧感とでも言うものがある。

「ほ、本物です!! すごい、すごい!!」

ネギ君が少年みたいにはしゃいでるよ。

あ、ネギ君は少年だった。

「あ、握手してください!!」

そういってネギ君がおずおずと手を出す。

アリアちゃん…じゃなかった、クウガが一度うなずくとその手をがっしりと握ってくれた。

ネギ君が感動して、目の中に光が満ち溢れているんだが……。

「後出来れば……」

何かネギ君が耳打ちしてるな。

クウガは大きく一度頷いた、どうやら了承してもらえたみたいだな。

クウガは大きくサムズアップをし、一言。

「大丈夫だ!」

横のネギ君がめっさ感動しているんだけど……。

まあ、わかる気がするなぁ。

「どうですか! 僕の言っていた日曜日の朝のすごさがわかりましたか?」

「確かに。これはこれでいいな。てか、普通に頼りたくなるのもわかる」


これで残るはエヴァの期待する変身を残すのみとなった。

まあ、また三分間待つことになったんだけどね。

「パイが出来ましたよ〜」

一十百がパイを持って戻ってきた。

ふんわりと甘い香りが部屋を包んだ。

「はい、アリアさん。どうぞ」

「ありがとうございます」

どうやら、あの金色のリンゴのパイのようだ。

あれは美味しいから、俺からもお勧めの一品だ。

アリアちゃんも一口食べてかなり驚いた表情をしていた。

「美味しいですか?」

「ええ、とても……」

「えへへ、頑張って焼いたかいがありました。お土産用にもう少し焼いておきますね」

一十百はにこにこ顔でパイを焼きに行った。

「お土産が段々と豪華になっていきますね……」

「まあいいんじゃないか? 一十百の料理は向こうに帰ったら食べられないんだから」

美味しそうにパイを食べるアリアちゃんがとても可愛い。

カメラにぜひ収めておかないと……。

「おい、なにをしようとしている?」

「いや、思い出に一枚…」

「キサマの欲望のためだろうが!!」

「ぐふぅ……」

エヴァに思いっきり蹴られた。


「さて、今度はエヴァの番か」

「……確か、それほど巨大なものには変身できない、だったな」

「はい」

大方、三分タイマーの人になってもらいたかったのだろうけど、ダメだったみたいだな。

少し考えた後、エヴァが出した答えは……。

「なら、宇宙刑事ギャバンになってもらおうか」

「ギャバン…ですか」

「出来そうか?」

「可能ですけれど……、変身後の黄金パターンまでは……無理かもしれません」

変身後の黄金パターン?

「エヴァ、黄金パターンってなんだ?」

「キサマは見ていないから分からないだろうがな……。まあいいか」

「ほぇ? アリアさん、その部分お手伝いしましょうか?」

台所から戻ってきた一十百がそういった。

「できるのでしょうか?」

「一十なら可能かもしれないな。よし、変身の掛け声からやってもらおうか」

「わかりました」

アリアちゃんが少し離れて、軽く息を吸い込んだ。

「蒸着」

アリアちゃんが上半身をひねり、前で手をクロスさせ、その後全身を大きく斜め下に倒し、そして大きく銀色のブレスレットを振り上げた。

光が満ち溢れ、ほぼ一瞬でアリアちゃんの姿は、メタリックな姿になっていた。

「宇宙刑事ギャバン!」

「なっ、速い!!」

「コホン…。宇宙刑事ギャバンは戦闘の際、コンバットスーツを蒸着するタイムは僅か0.05秒にすぎない。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!」

一十百が解説口調でそういった。

すると大画面の映像が映し出される。

スローモーションでアリアちゃんの変身シーンが映し出されている。

途中に“了解!コンバットスーツ、電送シマス!”と機械的な音声が入っている。

なるほどこれが黄金パターンか。

なんとなく昭和の香りがするヒーローだな。

「エヴァ、どうだった……。エヴァ?」

エヴァがぐっと手を握っている。

感動していますね、普通に。

「アリアといったな……ぐすっ。お前のおかげで、懐かしい時代を思い出せた。礼を言うぞ」

「そこまで感動できるのか…すごいな」

「キサマには分かるまい! よし、せっかくだ、ギャバンキックをこいつの顔面に向けて打ってくれ」

「はい?」

なんだそれ、と俺が正面を向いた瞬間にアリアちゃん…てかギャバンと呼ばれたメタリックの右足の蹴りが思いっきり突き刺さった。

「ぶべぅ……」


「まさか、ノータイムで蹴りを入れてくるとは……。予想してなかった」

「なぜか、蹴らなくてはいけない感じでしたので…」

まあ、姿はアレだったけど、実質アリアちゃんに蹴られたのだと思えば問題ないな。

美少女の攻撃で倒れる事は絶対にないのだよ!

「まあ蹴られたのは問題ない。一部の人からするとご褒美だからな。あ、俺は違うぞ」

「説得力がありませんね」

ぐぅふ……。

「アリアさ〜ん、そろそろ帰る準備が整いそうです」

もうそんな時間か……。

「さて、私は帰ります。こちらで過ごし続けるわけにもいきませんから」


魔法陣の部屋まで戻ってきた。

魔法陣は淡く輝き、いつでも発動できる状態のようだ。

「アリア、お前のおかげでいい思い出ができた。礼を言う」

「向こうの僕がダメな兄だったら、ビシッと言ってあげて」

「アリアさん、これお土産です。紅茶の葉とパイが入っています。向こうに行ったら食べてくださいね」

「それじゃ、記念に一枚…」

「今度のは…本気のようだな。よし」

アリアちゃんを囲むように一十百、ネギ、エヴァが並ぶ。

「タイマー……よしっと」

最後に俺がアリアちゃんの後ろに立つ。

パシャリ……。

「まあ、向こうに付くころには見えるようになってるよ」

まだ黒いままの写真をアリアちゃんに渡した。

「今回は、貴重な経験をさせてもらいました。また…、機会があれば」

そこまでアリアちゃんは言ってにっこりと微笑んだ。

「また会いましょう!」

魔法陣が光り輝く。

アリアちゃんの姿は消え、静かな部屋が戻ってきた。

「少しさびしいな。可愛かったし」

「結局、キサマはそれか! 向こうに帰って“ロリコンの変態がいた”といわれては後々面倒だろうが!」

エヴァ……ひどい。

「向こうでも頑張ってね、アリア」

「また会えるといいですね」


こうして、異世界の少女との楽しいひと時は終わりを告げたのだった。



「それで……、結局どれが一番だったんですか?」

「「「あ゛……」」」

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