小説『魔法先生ネギま ロマンのために』
作者:TomomonD()

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第五話 別荘内で一休み?


Side クロラージュ

「知ってたけど、実際に入ってみるとすごいな」

何だか分からないところに別荘が立ってるんだよ。

いや、すごいとしか言えないな。


「約束を忘れるなよ」

「わかってる、美少女との約束は破らないさ HAHAHA」

「///う〜」

「はうぁ〜。広いですね」

「ケケケ、ココナラ俺ハ一人デ動ケルゼ」

「すごいです、さすがゼロさんです!」


てかさ、俺が気を失ってる間に何があったのさ?

一十百がチャチャゼロをさんずけでしたってるし、別荘の使用許可おりたし。

エヴァ曰く

「一十の頼みを断れなかった」

らしいけど…。

なんで?


まあよくわからないが俺の目的のいくつかが同時に上手くいきそうで感動―!

「さて、エヴァさっそくで悪いが」

「例の件か? 私に会得してほしい魔法があると言っていたな」

「ああ。だけどな、この魔法効果と名前しかわからないんだよ」

「それだけわかれば十分だ。それでどれほどの威力なのだ?」

さて、次のセリフ、俺が言いたいセリフ集上位ランカーだ。

心して聞いてもらうぞ、エヴァンジェリン!

「『相手は死ぬ』」


「それだけか?」

「そうだ」

ん?エヴァが震えてるぞ。

そうか、それほど俺のセリフに…

「分かるかボケ――――――!!!!」

鳳凰飛燕脚でつっこみとは恐れ入った……。

「ガフリッチ……!!!」

「そんな適当な効果でどうしろと言うのだ!」

「仕方ないんだよ、俺だってどんなのか知らないし!」

「ではなぜ氷の魔法だと思ったんだ!」

「ああ、魔法名だな」

「そうか。で、なんて言うんだ?」

「EFB」

「? もう一回いいか?」

「ああ。E(エターナル)F(フォース)B(ブリザード)

「………」

綺麗な回し蹴りだ、俺の顔面にクリーンヒット!

「ガフッ……。なぜ蹴った?」

「なぜだか分らぬが、蹴らなくてはいけない様な気がした」

「そうか、たぶん天の意思ってやつだな。気にしなくていい」

「とにかくだ、名前と『相手は死ぬ』だけでは全く考えつかん」

「だからこそお前に頼むんだ、エヴァ。少なくとも使われたら相手は死ぬってことが分かってて、ブリザードって入ってるんだから、そこから組み立ててくれればいい」

「オリジナルとは異なるものになるぞ」

「大丈夫だ。俺はオリジナルを知らない」

まあ、エヴァなら納得できるのを作り上げてくれるさ。

結構期待してるんだよね。

「そうか、わかった。お前の熱意はともかく、最強の氷魔法と言うのならこの闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)が会得しその力を見せつけてやろう!!!」

おお、マントひるがえしたエヴァかっこいいな。


「それで、別荘を使って何をやるつもりだ?」

「ん、ああまだ言ってなかったな」

原作に絡むためネギ君が来る前にちょっとだけ強くなっておく、とかそんなのだ。

さて、どうエヴァに説明するか……。

「エヴァ、俺がこの別荘の事をはじめから知ってただろ」

「ああ、そうだったな」

「ちょっとばかしズルをすると、未来が見えるとかそんな力が俺にはあるって言ったらどうする?」

「……あるんだな」

「ちょっと違うけど、似たようなのはな」

「そうか」

あれ反応薄くね?

もっと食いついてくると思ったけど?

サウザンド・マスターとかの事とかで…


「お前が言いたくなったらでいい。何かわけありなんだろ」

うわ、今なんかエヴァが超かっこよく見えた。

「さすがだな、我が妹よ」

「誰が妹だ―――――!!」


ガウェ……。



Side 茶々丸

「オイ、妹ヨ」

「なんでしょう、姉さん」

「もっぷデ、コノ別荘ヲ掃除シタラドウナルンダ?」

「普通なら、砂、土、泥などの汚れが取れます」

「ジャア、アイツハドウヤッテルンダ?」

「私にもわかりません。ただ普通ではないですね」


「ただ今戻りました」

「ケケケ、掃除御苦労」

「お疲れ様です」

どうやらマスターが放心されているようです。

たしかに別荘が5時間で完全に新築になってしまいましたから。

一十百さんのモップには何か不思議な力があるのでしょうか?


「妹ヨ、少シ見テイロ」

「?」

姉さんがマスターの後ろに隠れました。

「オイ、ヒトト」

「はぅ、な、なんですかエヴァさん?」

「オ前ノ掃除ハコンナモノナノカ?」

「ふぅぇ。まだ駄目ですか?」

なぜ気が付かないのでしょうか?

マスターは口を動かしてません。

声も姉さんのままです。

「掃除ナラ、コノ大理石デ作ラレタ床ヲ鏡ミタイニシテカラ終ワッタト言エ」

「はっ! そうですね。はい! これからが本番です」

一十百さんがモップを三回転くらい回すと、駆け抜けていきました。

「よろしかったのでしょうか姉さん」

「ケケケ、サスガノアイツデモソレハ無理ダ」


数時間後、大理石が鏡のようになり、別荘が生まれ変わりました。

マスターが泡を吹いて寝込んでしまいましたが、大丈夫とクロラージュさんが言ってました。



Side クロラージュ

「まだだ、まだもうすこし……」

俺は今かなり集中している。

新しい魔法だ。

と言うよりも、魔力量の上昇させている。

才能なんてなくたって、何とかしてみせる。

「クロラージュさん、お早う御座います」

「お早う茶々丸」

そう、今は朝。

別荘だから一日経たないと出れないので、朝から修行です。

「そういえば茶々丸」

「なんでしょう?」

「ゼンマイまかせて!」

「考えておきます」

「ぜひ!」

二回目もダメか。

まだ友好度が足りないな。

「そういえばエヴァは?」

「マスターでしたら、うなされてます」

チャチャゼロと一十百の悪ふざけで……。

いや違った、一十百は本気だった。

とにかく、別荘が尋常じゃないことになってるからな。


「まあいいや」

「いいのでしょうか?」

「汚しても、意味ないっしょ。一十百いるし」

「そうですね」

さてと、ネギ君が来るまであと一か月か。

別荘をフルで使えば約2年か……。


「ほぁぁ、おはようございます」

一十百が起きてきたようだな。

不思議だよな。

この何の力も無い男の娘(おとこのこ)が俺の命の恩人だもんな。

まあ、友達としてだけど、いいやつだ。

しかしな、こいつの前では悪が封殺されそうだ。いろんな意味で…

「ケケケ、暇ダゼ」

「なんでチャチャゼロが一十百の上に乗ってるんだ?」

「なんとなくです」

「ナントナクダ」

なんとなくですか。

どこがいいのかは分からないけど一十百が気に入ってるんならいいか。

「オイ、クロ馬鹿、斬ラセロ!」

「なんだと! ボロ人形! やる気か」

殺ル気(ヤルキ)ダゼ」

「あわわぁ、ふ、二人とも落ち着いてください」

「一十百、コイツは人間じゃない」

「ほぃぅ! そうでした。えと、とにかくやめてください〜」

とかなんとか…。

平和だ。


「死ネー!」

ダン!と俺の前にデカい剣が振り下ろされる。

怖! あとちょっとで首ちょんぱだよ。

「おい洒落にならねえって!」

「ケケケ、殺ル気(ヤルキ)ダゼ!」

今の俺には逃げるしかないな。魔法じゃ勝てん。

俺弱ぇ〜〜〜(泣)



Side 一十百

「はわぁぁ、茶々丸さん。と、と、止めないと……」

「多分ですけど、姉さんは止まりません」

茶々丸さんは結構冷静なお姉さんです。

ガイノイド?って言うらしいロボットらしいです。

はっ、そんな事よりもクロラージュさんとゼロさんを止めないと。


「二人とも止まって下さい!!!」

久しぶりに大声出したかも……。

二人も驚いて止まってくれました。

「ケケケ、アト少シダッタナ」

「ぜぃぜぃ、一十百助かったぜ」

喧嘩はよくないですよ。

そう言えば、茶々丸さんはゼンマイがあるんですけど、ゼロさんにはゼンマイついてないんですね。

巻きたかったな〜。


「オイ十百、暇ダ」

う〜ん、ゼロさんが暇しているのはどうにかしてあげたいけど……。

…そうだ!!

「ふぃ! えと、外に出られるようになったらお散歩しましょう」

「…マア、何モシナイヨリハイイカ」

「それじゃ出られるようになるまでは、体とかを洗って待ってましょう」

さてと、これで少しは退屈させないようにできそうです。

「マテ、勝手ニソンナ…」

「大丈夫です。ゼロさんですから、しっかり洗わせてもらいます」

ゼロさんが慌ててるけど、いいですよね。

ついでに、洋服とかも洗っちゃいましょう。



Side クロラージュ

一十百がチャチャゼロを持ってってくれたから少し安心だな。

怖え〜よ。チャチャゼロ怖え〜。

あれの何がいいのかね?


さて俺は魔法の練習だな。

俺の練習方法:とにかく魔法を使う

これでいける!

「そんなことで魔法が上達するか」

「マスターお早う御座います」


ム、エヴァが起きてきた。

少し顔色が悪そうだが……。

「顔色が悪そうだが、大丈夫か?」

「この別荘を見て、正気でいられるだけましだ」

たしかに。

ただの石の床に俺の姿が映ってるもん。

鏡だろ、これ。


!!!ちょっと待て!

下が鏡という事は、スカートとかそんな物の意味を無視できるのでは!

一十百、ナイスだ。最高にナイスだ!

「クックック…」

「なんだそんなに不気味に笑って…」

エヴァよ、あと一歩こっちに近づくと完全に見えてしまうぞ。

助言してやる気はないがな。

さあ、踏み込め、踏み込めぇぇぇぇ!

「まったく、なんだと……ハッ!!」

踏み込んだと同時にエヴァも気が付いたらしい。

だが遅い、俺の目にはしかと焼きついたぞ!

絶対領域を超えたその光景が…

「キサマ、なにを、みた――――――――!!!!!」

見事なけりだ……。

俺はその記憶とともに眠りに着こう。

つまり気を失ったわけだ HAHAHA


気が付けば別荘から追い出されてました。

明日になったら、また入れてくれるさ。


たぶん……。



Side エヴァ

うう、確実に見られた。

「マスターお気をたしかに」

「イツモ蹴ッテル時ニ見ラレテルカラ関係ナイダロ」

次、奴に合わせる顔がない…。

一十に八つ当たりでもしておくか…。

少し多めに血を抜いてやる。

「ケケケ、アイツモ不憫ダナ」

「同情します」

-6-
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