小説『魔法少女リリカルなのは〜心の剣と小さな奇跡〜』
作者:ディアズ・R()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第十一話・旅館×予想外





「フルハウスや!」
「残念、フォーカードだ」
「なん、やと!?」
「これで、俺の18連勝だな」

部屋で休んでいたら、はやてがトランプを持ってやって来た。
なので、ポーカーでフルボッコ中。
ちなみに部屋割りは、一が夫婦二組、園児二人。
二がカップルで、三がホタル、姫、二人。
四がなのは、アリサ、すずか、はやて。
五が俺とリニスだった。
つまり、俺は二人部屋に一人でいる。
何故リニスと一緒にした。
ちなみに、六の美由希とメイドの部屋の事を、夜空は知らない。

「19戦目や!配るで」

配られたカードを見て、伏せる。
はやては弱くないんだ。
俺が強過ぎるだけなんだ。

「Kのフォーカードや!これはキタやろ!」
「悪いな。スペードオンリーでキングがジョーカーのロイヤルストレートフラッシュだ」
「何故や!?」

そろそろ諦めないかな。
次がラストということで、ジョーカーを最初から一枚持たせてスタート。

「20戦目、これでラストや!……キター!!これでかつる!!」

配られたカードを見て喜んでいるはやてを見て、俺はカードを見ない。
負けてやりたいが、無理だろうな。

「勝負や!スペードの10、J、Q、K、ジョーカーのロイヤルストレートフラッシュや!!さっきの仕返しや!ざまぁぁぁぁぁ!!!」

俺は溜息を吐きつつ、首を振りながら自分のカードを表にする。
ちなみに、ジョーカーははやての持っているのと合わせて二枚だ。
もうわかっただろ?

「A四枚、ジョーカーのファイブカードだ。出せる最高の手札だな。ジョーカー無しだったら勝てたかも……ないか」
「……」

思考停止したはやてを連れて、なのは達の所へ向かう。
すずかとホタルが卓球をしていた。
かなりハイレベルな。

「あははははは♪」
「そのヘラヘラした顔、なんかムカツクのよ!!」

この卓球を音で伝えると、カカカカカカカカカカ、となっている。
はっきり言って、うるさい。
あと、すずかが壊れてるな。
すずかを心配そうに見ているアリサに話し掛けてみる。

「すずか、どうしたんだ?」
「アンタの作った笑顔になれるパンとか言うのを、アンタを迎えに行った時に食べたのよ」
「アレを食ったんか……」

あぁ〜あれか。
笑いが止まらなくなるパンを改良して作り上げたパンだ。
食べると最初は笑顔だが、徐々に笑い始め最終的に笑い続ける。
まあ、寝ると効果が切れるから大丈夫だろ。
はやてをアリサに任せて、椅子に座って寛いでいるなのはと姫の所に行く。

「あ、夜空君なの」
「ひゃぁ!?ど、どうかしたんですか!?何かしちゃいましたか!?」
「姫は落ち着け。暇だから何話てるか気になったんだ」
「秘密なの♪」
「ひ、秘密です!……すいません」

そう言われると余計気になるな。
まあ、女子しか分からない話だろ。
あと、姫は怯えすぎだ。
姫の頭を軽く撫でてやり、自販機を探す。
喉が渇いたので、フルーツ牛乳でも飲もうと思っている。
自販機を見つけフルーツ牛乳を飲みながら、ゲームコーナーに行ってみる。
男二人がいた。
赤い髪の男は、格ゲーのラスボスに負けてた。

「くっそ!強すぎだろ!どんなハメ技だ!!」

確かに、一回はまるとボコボコにされるよな。
まあ、俺はやったとしても金が勿体無いから絶対勝つけどな。
青い髪の男は、音ゲーでミスを連発していた。
何も喋らず無言でやっていることから、かなりイラついてるみたいだな。
なのに、難易度を高くしているのは何でだろうか?
折角だ、俺はクレーンゲームでもやるか。

「あ、夜空」
「あら、アンタも来てたんだね」
「ん?おぉ、フェイトと……誰だ?」
「あ〜そう言えばこの姿は初めてだったね。アルフだよ」

アルフも久遠的なのだったのか。
それとも、久遠も生物兵器?
バリバリしてたし、その可能性は高い。
まあ、どうでもいいな。
今取ったぬいぐるみをフェイトとアルフに渡す。

「何でここにいるか知らないが、なのは達が向こうにいるから会ってけ」
「へ〜なら、あの小娘には邪魔しないように言わないとね!」
「ここで会うのはちょっと……」

アルフがなのは達の方に向かっていったので、フェイトに取ったぬいぐるみを数個渡して別れた。
このぬいぐるみ、簡単に取れるな。
と言う訳で、もっと取る事にした。


◇◇◇◇◇


たとえ旅行に行ったのだとしても、夜の散歩は欠かせないな。
なのは達にクレーンゲームで取ったぬいぐるみ24個を押し付けて、散歩に出かけている。
20個あたりから従業員が泣いていたな。
まあ、やめなかったが。
あと、亀が木に登ろうとしてたので、水の中に帰してやった。

「ところで、何で外にフェイトとアルフがいるんだ?」
「ジュエルシードがこの辺りにあるから」
「フェイト、言っちゃダメよ」
「あ、ごめん」

またジュエルシードか。
アレは危険だ。
久遠が美人になるぐらい危険な物なんだぞ。
……アレがホントの姿なのか?

「まあ、怪我しない様に頑張れ」
「わかった」
「邪魔は入りそうだけどね」

なのはの事か?
思考回路が戦うことに特化され始めてるから、気を付けろよ。
フェイトとアルフと別れ、そのままブラブラする。
少し歩いたら、謎の生物を見つけた。
あの石が付いてるから、ヤバイのだろう。
関わるのも面倒なので、別のルートを行くことにした。
なのは達、あんなのと戦って大丈夫か?
まあ、なのはも頑張って結構強くなった筈。

「俺も魔法、使いたいな」

と言う訳で、ちょっと練習。
……………やっぱ無理。
魔法は、デバイスが必要なのか。
もう、このままでいくか。
それに、魔法なんて使うタイミング無いだろ。
戻って寝ようかな。


◇◇◇◇◇


夜空が魔法に挑戦中の時のなのは達。
なんだかんだで、なのはとフェイトが一騎打ちをすることになった。

「今度は、負けないの!」
「ジュエルシードは、私が貰う!」
「頑張れなのは!」
「負けんじゃないよフェイト!」
「行こう、レイジングハート!」
【Yes master】
「行くよ、バルディッシュ!」
【Yes Sir】

戦闘が始まろうとした瞬間、ソレは来た。

『ガァァァァァ!!』
「ッ!?ガ、ガ○ラなの!本物のガ○ラなの!」
「何、あの亀?」
「ジュエルシードがくっ付いてる!」
「随分とでかいね」

それは、一軒家サイズの大きさに巨大化した、亀だった。
口から火が漏れていたり、牙が生えていたりしているが、元は亀である。
けしてなのはの言うガ○ラではない。

「コレは俺TUEEEフラグだな!蹴散らしてやるぜ!」(今回はガ○ラかよ!?イレギュラー過ぎだろ!)
「雑魚は所詮雑魚だろ?」(フェイトにいいとこ見せるチャンス!)
「……眠いんだけど」
「Zzz……ハッ!?寝てませよ!?」
「ホタルちゃんに姫ちゃん!……あと、二人」

新たに来た四人が、イレギュラーの亀と戦う。
赤髪は剣のネックレスを掴む。
青髪は首のチョーカーに触れる。
ホタルは自身の眼に手を翳す。
姫は小さな四角い機械を胸の前に持つ。

「行くぜ、エクスカリバー!!」
「ここからは、一方通行だ!」
「起きなさい、ティーア」
「デジヴァイス、セットアップしてください!」

それぞれがバリアジャケットを展開する。
赤髪は赤い外套にエクスカリバーを持ち、青髪は青い法衣を纏う。
ホタルはその眼に朱の十字を宿し、黒い服に身を包ませる。
姫はフェアリモンの姿となり、両側にアグモンとガブモンが現れる。

「オラァ!!」
「行くぜぇ三下!」
「ダル……てか、魔法使い相手じゃないと何もできないんですけど」
「はぅ……やっぱり、恥ずかしいです」
「大丈夫だよ!凄い似合ってるから!」
「うんうん。とっても可愛いよ。自信持ちなって」

男二人はとにかく突っ込み、ホタルはやる気無しで、姫は恥ずかしがりながらデジモン二人に慰められている。

「……フェイトちゃん、どうしよっか?」
「……えっと、とりあえず倒す?」
「そうだね!いっくよ〜ディバイーン―――」
「じゃあ、私も。サンダー―――」

男二人が戦っているのに、現段階の最強魔法を放とうとする二人。
そんな二人を見て、ホタルが一言。

「よっぽど嫌いなのね」
「バスター!!」
「レイジ!!」

二人の魔砲は、辺りを吹き飛ばせた。
が、誰も倒れてはいなかった。

「あぶね、あぶねぇよ。熾天覆う七つの円環(ローアイアス)が間に合ったからよかったけど、死ぬかと思った」
「反射の向きを変えなかったら、ヤバかったな」

バカ二人が防いだ。
そのせいで、亀は普通に無傷。

『グルァァァァァ!!』
「あ、やべ―――」
「反射、の魔力が足りないだと!?」

二人は吹き飛ばされ、クレーターを作って気絶。
亀との戦闘で、二名ログアウトしました。

「ホントバカ」
「あぅ」
「真面目にやれば強いんだけどね〜」
「と言うか、皇柴君はあそこのゲームで魔力使ったせいだよね。遊びで本気になるから」
「にゃあ、防がれたの」
「残念だね」
「……二人とも、彼等を狙ったんだね」
「視線がやらしいからしょうがないんだよ」

亀が手足を引っ込め、飛んだ。

「やっぱりガ○ラなの!!」
「なのは、ガ○ラって何?」

意外と余裕な二人であった。
そして、夜空は巻き込まれた。


◇◇◇◇◇


「なんで、亀が飛んでんだ?」

デカイ亀が回転しながら飛んでる。
他の表現のしようが無い。
亀を見上げていたら、落ちてきた。

「は?」

ドォォォォォンッ!!

ギリギリで回避して、潰れることだけは免れた。
この亀、俺を狙ってやがる。
亀が顔をこちらに向け、火を吐き出した。
魔力を放出して火から身を守るが、流石に熱い。

「帰ったら、もう一回温泉入るか」

これ以上、こんな変な生き物に構ってられない。
一気に近づき殴る。

ガッ!

とても、痛いです。
素手じゃ勝てないっぽいから、逃げる。

『ギャオォォォォォ!!』
「亀の癖に速いな、おい」

結構全力で走ってるのに、距離が変わらない。
むしろ追いつかれそうだ。
流れる森の風景が一変、荒れ果てた大地になった。
なのは達、ホタルや姫、気絶している二人がいた。

「なのは!!この亀はお前の仕事だろ!!」
「私は悪くないよ!あの二人が悪いんだよ!!」

それで、何で俺が追いかけられる!?
なんもしてないはず!

「ディバインシューター!」
「フォトンランサー!」

なのはとフェイトが魔力球の様なモノを亀の甲羅にぶつけるが、弾かれる。

「あの亀、魔法が効いてないのか!?」

効かないのかよ。
こうなったら、俺がやるしかないか。
ちょうど近くにいたアルフに向かって走る。

「ちょっと!?何でこっちに来るんだい!」
「アルフ!お前の心、借りるぞ!」
「え、えぇぇぇ!?な、何を!?ひゃ!?」

人型のアルフから、心を取り出す。
オレンジ色のガントレットが右腕に装備される。
この心器の名は―――

「【加速する悲哀(アクセル・ソロウ)】」

この心からは、救いを求める声が聞こえる。
自分を捨ててでも、誰かを救いたいという想いが伝わる。
アルフは、フェイトを救いたいのか?
よく分からないが、あの亀が先だ。
右腕を構え、ガントレットに魔力を注ぐ。
ガントレットが輝き、俺を加速させる。
この力は、アルフの想いの強さで強弱が決まる。
想いが強ければ強いほど、使用者を加速させる。
デメリットとしては、動きが速くなるだけで小回りは出来ない様だ。
まあ今回は、真っ直ぐ突っ込んで、殴り飛ばすだけだ!

「加速しろ!!」

自身ですら、その速度を知覚できなかった。
それこそ、動いたと思ったらすでに亀の目の前にいた。
どれだけ、アルフの想いは強いのだろうか。
そして、その速さをもって拳を叩き込む。

『グギャァァァァァ!?』

亀の甲羅を砕き、その巨体を吹き飛ばす。
数本の木を圧し折り、その身体が元の大きさに戻った。

「ふぅ〜終わったか」

借りていた心を戻して、石を拾う。
ついでに、こちらを見上げている亀も拾う。

「お前、あの時の木に登ろうとしてた亀か?」

何故かジッと見つめてくる亀。
これは、アレか。

亀が起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている。
仲間にしますか?
はい/いいえ

じゃあ、はいで。

亀が仲間になった。
名前をつけますか?

「遊んでないでその石を渡して欲しいの」

遊んでたわけじゃない。
何故か知らんが、やらなきゃいけない気がしたんだ。

「そうだよ。でも、なのはじゃなくて私に頂戴」
「ジュエルシードの魔力が、一部残ってるみたいだね」
「その亀、使い魔にでもすればいいんじゃないかい?てか、私の中から出てきたアレはいったい……」
「アンタ、強かったのね。それと、アレは何?」
「なんだか、私いらない子ですね……」
「その亀、火吐くの〜?」
「夜空さん!とてもかっこよかったです!」
「何だこの生き物!?」

黄色い恐竜もどきと青い毛皮の角付きの二匹。
こんな生き物、初めて見た!!
なのはとフェイトが石を欲しがるので、投げつけた。

「にゃ!?」
「危ない!」
「俺、何してたんドァ!?」

ちょうど起きた赤髪男子に当たった。
そして、光り始めた。

「ガ、ア、ギ、ガァァァァァ!!!」

ドス黒いオーラを撒き散らしながら、暴走を始めた。
……ヤバくね?

「逃げるぞ亀さん!」

なのは達に任せて、宿に向かって走る。

「ちょっと待つの!?」
「意外と強いんだよ!?」

なのはとフェイトの叫びを無視して、俺は逃げた。


◇◇◇◇◇


「逃げられたの!」
「ど、どうしよう!?彼にジュエルシードが憑いたら、どうなるの!?」
「僕、殺されるかも」
「男は全部敵ってことなのね」
「あちゃ〜めんど」
「と、とりあえず、劉君は強いから、究極体に進化しちゃいましょう!」
「了解!アグモン、ワープ進化!」
「わかったよ!ガブモン、ワープ進化!」

アグモンとガブモンが光り、その姿を変える。

「ウォーグレイモン!」
「メタルガルルモン!」

アグモンは竜人型のウォーグレイモンとなり、ガブモンはサイボーグ型のメタルガルルモンとなる。

「なんか凄いのになったの!」
「ガブモンが……」
「使い魔とは違うみたいだけど、魔力生命体かな?」
「随分変わるんだね」
「おぉ〜頑張れ〜」
「二人とも、お願い!」
「「任せろ!」」
「もっと、モット、もット強ク!!投影(トレース・オン)!!」

白と黒二対の剣を創り出した劉は、自身に向かってくるウォーグレイモン(以降グレイ)とメタルガルルモン(以降メルーガ)に斬りかかる。
その速度は、今までの倍以上。

「速い!?だが!」
「足止めする!コキュートスブレス!」

メルーガのブレスが、周りを凍てつかせる。
劉は剣を投げ、一言。

「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!!」

その瞬間、投げられた剣が爆発する。
爆発の余波にメルーガが飲み込まれる。

「なっ!?ぐぁ!」
「ガイアフォース!!」

グレイが地面に爪を突き刺し、炎を真上に溜める。
そして、出来上がった巨大な炎球を劉に投げる。

「全て遠き理想郷(アヴァロン)!!」

劉の前に輝く鞘が創り出され、グレイの放った炎球を反射する。
本来の実力ではここまでの物を創る事は出来ないが、ジュエルシードの力によって強引に形創る。
使えるのが一回だとしても、魔力が続く限りいくらでも創る事が出来る状態だ。

「しま―――」
「殲滅眼(イーノドゥーエ)。その力を喰らい、解き放て」

ホタルが反射された炎球の前に行き、その全てをホタルの眼が喰らう。
喰らった魔力を一気に開放して、劉の目の前に移動する。

「死になさい」
「ローアイ―――」

メキッ!

ホタルが殺す気で劉に回し蹴りをして、骨の軋む音と共に劉が吹き飛ぶ。
劉は吹き飛びながらも、弓を創り出す。

「赤原猟犬(フルンティング)!!」
「プロテクション!」
「ディフェンサー!」

赤い剣の矢を、なのはとフェイトが防ぐ。
だが、剣は砕けずに残る。

「ブロークン・ファンタズム!!」

なのはとフェイトが爆発に巻き込まれる。
防ぐことは出来たが、ダメージが大きく膝をつく。
姫が二人を庇う様に前に立ち、デジヴァイスを掲げる。

「お願い!」
「本気で行く!」
「今度はやられない!」

グレイとメルーガの体が再構成され、右腕と左腕になる。
白い卵が覆い隠し、ソレは誕生する。

「オメガモン!!」

グレイとメルーガを腕とした、白のマントを着けた閃光の聖騎士。
本来より小さくなっているが、その大きさは成人男性の三倍ほどだ。
オメガモンは、ガルルキャノンを展開して、劉に放つ。

「斬り抉る戦神の剣(フラガ・ラック)!」
「グッ!?流石にやるな、だが!」

襲いかかってくる剣を、グレイソードを使いギリギリで防ぐ。
オメガモンがガルルキャノンで放った一撃は、掻き消える様に無かった事にされた。
オメガモンは、グレイソードを掲げる。

「これで、終わりだ!」

グレイソードのAll Delete(オールデリート)の文字が薄く光る。
グレイソードを構え、劉に突っ込む。

「ローアイアス!!」

グレイソードと花弁がぶつかり合い、花弁が散る。
花弁を四枚破壊して、オメガモンは上空へ飛ぶ。
オメガモンの後ろに隠れていた、なのはとフェイトが魔法を放つ。

「ディバインバスター!」
「サンダーレイジ!」
「ガアァァァァァ!!」

残っていた花弁を全て破壊し、桃色と金色の魔砲が劉を飲み込んだ。
魔法が止んだ後には、ボロボロの劉とジュエルシードが残った。

「まだ残ってるの」
「もっと強い魔法を考えないとね」
「はぁ〜終わったのね。もう一回温泉入りましょ」
「お疲れ様〜あ、ま、待ってよホタルちゃん!」
「では、私も戻るとしよう」
「皆、厳しいね」
「……アタシは、一応敵だから!任せた!」

女子勢は、ジュエルシードを回収して宿に撤収。
劉と青髪は、ユーノが回収していった。
こうして、旅行先での争いは終結した。


◇◇◇◇◇


その後。

「はぁっはぁっはぁっ……魔王が、笑って……や、やめ、あぁァアぁぁァァ!!」

劉は悪夢に魘されていた。
そんな劉を心配そうに見ているユーノがいた。
青髪もとい御影は熟睡していた。
なのはとフェイトは、平和的にジャンケンでジュエルシードを奪い合っていた。

「あっち向いてホイ!」
【Divine Shooter】
【Defensor】
「じゃんけんホイ!あっち向いてホイ!」
【Photon Lancer】
【Protection】

……平和的に魔法を使ったやり方で。
ホタルと姫は、のんびりと温泉に浸かっていた。
そして、夜空は屋根の上にいた。

「……フェイトの親、ね」

亀を頭に乗せながら、フェイトのことを考える。
リニスに聞けばいいのだろうが、今のリニスはダメだ。

「と言う訳で、フェイトの事を話して貰えないか、アルフ」
「何がと言う訳なのか分からないけど、そうだね。夜空なら、フェイトを救ってくれそうだね。話すよ」

そして、フェイトの母親の事を聞いた。
この時、俺は一つの決意をした。
まあ、そんなことより。

「亀さんの名前どうしようか?」
「……自分で決めな」

一緒に考えてはくれないのか。
とりあえず、これからは少しばかり本気でやるかな。

-12-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




キャラクタースリーブコレクション 魔法少女リリカルなのはViVid 「ヴィータ」
新品 \2180
中古 \
(参考価格:\699)