小説『魔法少女リリカルなのは〜心の剣と小さな奇跡〜』
作者:ディアズ・R()

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第十三話・管理局×無視





やりたい放題だよな、あの三人。
赤髪は剣を爆発させたり、青髪はプラズマ出したり、KYは魔法を使ったり。
結界があるからいいけど、常識的に考えてヤバイだろ。
なのはを見てみる。
未だに呆然とフェイトの飛んでいった方を見ている。
ユーノを見てみる。
プルプル震えていた。

「トイレか?」
「い、今、結界、の、維持で、大変なん、だよ……」

まあ、頑張れ。
でも、人間になれるなら人間になった方が楽だろうに。
ハッ!コレが縛りプレイというヤツか!
ユーノはMだったんだな。
恋人はSなんだろう。
そんなどうでもいい事はさておき。

「ユーノ。お前の心、借りるぞ」
「え?ふぁ!?」

女々しい声だな。
ユーノから取り出した心は、白い小さな鍵。
【開閉する鍵(マスターキー)】という名前で、現存する全てに効果があるようだ。
開くことも閉じることもできる万能鍵。
うむ、使い方次第では反則だな。
鍵を三人に向け、呟く。

「ロック」

その瞬間三人のデバイスが停止し、コスプレ衣装から私服に戻る。
そう、鍵を使ってデバイスの機能を閉じたのだ。
超便利。

「クッ!デバイスが停止した?いや、故障か!こんな時に!」
「エクスカリバー!?マジかよ!?直せんのかな?」
「クッソ!なんだってんだよ!!」

鍵を使って、瞼と口を閉じる。
コレで五月蠅くないし、何をしても見れない。
そう言えば、この鍵便利そうに見えるけど、ユーノの魔力が全てだ。
ユーノの魔力が尽きれば唯の鍵だし、ユーノより魔力が高い相手だとキャンセルされる。
今回は、無駄に魔力を消費しててくれてたから簡単に閉じれた。
それはさておき、三人の首筋に手刀を叩き込み気絶させる。
コレで一件落着。

「……ハッ!そのKYにOHANASIしなきゃいけないの!」
「まあ、落ち着け。気絶してる相手にそれは不味い。PTA的にも」
「それ、PTAじゃなくて人道とかじゃないかな?でもまあ、夜空の言うとおりだよ」
(貴方達、少しいいかしら?)
「よくないの」「よくない」「よくないよ」
(……えっと)

虚空にモニターが現れ、そこに美人が映っていた。
何か言ったが、即答したら余裕な表情が困惑した表情になった。
微妙に空気が読めてない感じ……あのKYの親族と見た。

「とりあえず、今日はもう帰ろうな?家族も心配してるだろうし」
「そうだよなのは。今日はもう帰ろう。きっと、また会えるから」
「むぅ〜わかったの」
(あの、聞いてもらえないかしら?)

美人の言葉を無視して、赤青コンビを持ち上げる。
一応クラスメイトだから、少しでも安全そうな所に連れて行くつもりだ。
具体的には公園辺り。
ここに放置すると、大変な事になりそうだし。

「持ってくの?」
「基本的に誰にでも優しいお前は何処に行った?」
「その二人が特別なの」
「そうか。んじゃ帰るか」
「は〜い」
「うん!」
(……クロノを回収しておいて)

そのまま帰った。
ただ、監視されてる感じがする。
管理局だろうか?
どうでもいいか。


◇◇◇◇◇


と言う訳で次の日。
まだ監視されてる様だが、気にならなくなった。
というより、リニスがいろいろと妨害しているようだ。
なので、俺は普通にパンを作る。

「いらっしゃ、なんだはやてか」
「ちょい待ち!失礼やあらへん!?」
「新作のパンをやるから落ち着け」
「わ〜い」

ノリなのか素なのかいまいち判断できないが、俺の差し出した見た目メロンパンを躊躇いなく食べた。
そして、停止した。
このメロンパン、見た目に騙されるとビックリするんだよな〜

「この味を出すの、苦労したよ」
「……」
「食感はそのままに、味だけ変える。コレがまた難しくてな」
「……」
「ところで、何時まで止まってる気だ?」
「何故お好み焼き!?」
「いや、はやて関西弁だから好きだと思ってな」

もしかして、関西弁はキャラ作り?
はやても大変なんだな。
できれば、パンの感想が欲しい。

「まあええわ、普通に美味しいし。でも、凄い違和感があるんやけど」

俺としては、美味いならどうでもいいな。
商品としていけそうだな。
後は、朧さんに許可を貰うだけか。

「そう言えば、はやてって誕生日まだだったか?」
「ん?そうやで。まあ、もうそろそろやけど」
「じゃあ、なのは達でも呼んでパーティーでもするか?」
「おぉ〜ええなそれ!折角やし、ホタルちゃんらも呼ぶで!」

そこには、あの二人が入っているのだろうか?
いや、入っていない。
どうでもいいか。
はやてと話し込んでいたら、お客さんが入ってきた。
最近見たことある美人な女性だ。
思い出せないが。

「いらっしゃいませ〜パンを買いますか?それともパンを買いますか?はたまたパンを買いますか?そしてパンを食べますか?それ以外はお断りさせていただきます。と言う訳で、帰れはやて」
「しゃあないな〜パーティーの事、明後日にでも皆と相談しよか。ほな、また明日〜」
「……お勧めのパン、6つほど貰えるかしら」

普通のお客っぽいので、裏メニューは入れないでおく。
最初の掴みが大事なんだよ、中毒に………常連にさせるには。

「え〜約730円です」
「1000でお願いするわ」(何で約?)
「27円間違えた270円のお返しです。またのお越しをお待ちしておりま〜す」
「間違える要素あったかしら?まあいいわ。貴方と少しお話がしたいのだけど、今いいかしら?」
「閉店後に出直して来い」
「……分かったわ」

美人が落ち込みながら出て行く。
なんとなくはやて達みたいに接したけど、違和感が無いな。
普段もこういう扱いを受けている人なんだろう。
特に気にならなかったので、入ってきたお客さんの相手をする。


◇◇◇◇◇


閉店後。

「それで、どちら様でしょうか?」
「私は時空管理局提督のリンディ・ハラオウン」
「そんな組織知りません」
「……別の世界、または別の星から来たと言えば分かるかしら?」
「え?じゃあ宇宙人ですか?キャトルミューティレーションですか?大宇宙の意思ですか?それとも、唯頭がかわいそうな人ですか?」
「……とりあえず、話を聞いてもらえるかしら?できれば、一緒に来てくれるとありがたいのだけど」

ヤバイ、連れて行かれる。
解剖される。
こういう時は、リニスを呼ぼう!

「リニス〜管理局だって〜」

猫状態のリニスが俺の頭の上に乗っかる。

「追い帰しなさい!塩も撒いて!」
「だそうなので、お帰り願います」
「……また来ます」
「帰れ帰れ!」

リンディさんが帰っていくのを眺め、リニスを抱っこする。
よほど管理局が嫌いらしいく、凄い威嚇してる。
まあ、宇宙人らしいしな。
関わらないのが一番だ。


◇◇◇◇◇


「夜空君!一緒に来て欲しいの!」
「……とりあえず、俺の上から退け」

朝の4時に、なのはが寝ている俺の上に乗って笑顔で言ってくる。
俺の部屋に、プライバシーはないのか?
てか、こんな朝早くに何しに行くんだ?
適当に準備して、なのはと外に出る。
リニスも、頭に乗っけて連れて行くことにした。
特に意味は無い。
パソコンを見ながら荒い呼吸をしていたとか、そんな理由は無い。
玄ちゃんはどうやってるのか知らないが、背中に張り付いている。
少しして、着いた所は懐かしの公園。
昨日来たけど。
ホタルと姫、二人もいた。
青髪はイライラしながら見てくる。
赤髪は俺のことを見ながら、何か考えているようだ。
どうでもいいけど、何時になったら名前教えてくれるんだろうか?
二年以上絡んでるのに、名前を知らないのは寂しいな。
まあ、どうでもいいけど。

「来てくれたか。昨日はいきなりすまなかった。この前も名乗ったが、僕はクロノ・ハラオウン。時空管理局の者だ。君達には少し聞きたいことがある。一緒に来てもらえるかい?」

お〜昨日のKYは、こんなに丁寧な奴だったのか。
二人は普通に頷いた。
ホタルはめんどくさそうに手を振ってる。
姫はホタルの後ろに隠れて、ビビッている。
何処にいたのか気付かなかったユーノが、なのはの足元で頷く。

「とりあえず、一発殴らせるの!」

なのはが握り拳を作って言う。
随分と凶暴になったな、なのは。
昔のお前は、何処に逝ってしまったんだ?

「あの子って、あんな感じだったかしら?」
「え、あ、ち、違うと思う、かな?」
「……用事が終わってからでいいかい?」
「むぅ〜分かったの」
「君は?できれば、君に一番来てもらいたいのだけど……」

メンドクセェ。
なのはに服の端を掴まれているし、リニスがペシペシ猫パンチしてくるし、行った方がいいよな〜
ダルイ。
霞さんがデートだなんだ言って、今日は店を休んで良いと言われた。
とりあえず、小さく頷いておく。

「ありがとう。それじゃあ、転移するからもう少し近寄ってもらえるかな」

と言う訳で、キャトられた。

-14-
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