小説『魔法先生ネギま! 【R−18】』
作者:上平 英(小説家になろう)

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【 第5話 新任教師は10歳の魔法使い!? 】





 中学二年生も終わりに近づいた冬――。

 木乃香の祖父である学園長に頼まれ、新任教師の迎えに行くために走っていた。

「やばいやば〜い!」

 木乃香の隣を走る明日菜が走りながら叫んだ。

 明日菜も木乃香の付き添いで新任教師を迎えに行くために校舎へ走っていたのだ。

 走りながら木乃香が占いで明日菜をからかっていた時に、突然明日菜の隣に、包帯が巻かれた長い杖を背負った赤毛の少年が現れた。

『クラウスくん、この子……』

 木乃香は赤毛の少年が内に秘めた大きな魔力に気づいて【念話】でクラウスに声をかけた。

『ああ、内に大きい魔力と内包しているし、背負った杖は魔法使いが使う本物の杖だ』

『やっぱそうなんかぁ〜。でも、なんで女子校エリアにおるんやろう?』

 木乃香が考えていると、少年が明日菜に向かって声をかけた。

「あの〜……、あなた失恋の相が出ていますよ」

『…………』

『…………』

 現在高畑に恋している明日菜にとって最悪の言葉を呟いた。

「な……、し……しつ……って」

 明日菜がショックを受けて言葉を失った後、怒りが込みえてきたのだろう、顔を真っ赤にして少年へ向かい怒鳴った。

「何だとこのガキャー!!」

 明日菜の怒鳴りに少年は驚きながらも呟いた。

「い、いえ、何か占いの話をやってたようなので……」

「どどどどういうことよ。テキトー言うと承知しないわよ」

「い、いえ、かなりドギツい失恋の相が……」

「ちょっと〜!!」

 少年に掴みかかる明日菜、普段は礼儀正しいいい娘なんだが、少年の言葉が悪かった。

 女子高のど真ん中で大喧嘩を始めてしまった。

 木乃香がとりあえず明日菜を止めようとした時、校舎の窓から身を乗り出した高畑タカミチが大声でこちらに向かって叫んできた。

「お久しぶりでーす!!! ネギ君!」

 高畑に気づいた明日菜は少年との喧嘩をやめて、高畑の方へ向き直る。

「た、高畑先生!? お、おはよーございま……!」

「久しぶりタカミチーッ!」

 明日菜が挨拶していると中に、少年が高畑に手を振って叫んだ。

「し、知り合い……!?」

 明日菜は高畑と少年が知り合いだった事に驚きの声を漏らす。

 そして、さらに高畑が続けざまに放った言葉に驚く。

「麻帆良学園にようこそ。いい所でしょう? ネギ|先生(・・)

「せ、先生?」

 高畑の言葉に木乃香も声を漏らして、少年の顔を見る。

 明日菜と木乃香の視線を受けた少年は頭を軽く下げて自己紹介を始めた。

「この度、この学校で英語の教師をやることになりました。ネギ・スプリングフィールドです」

 赤毛で後で髪を短く一つに束ね、可愛らしい顔つきに小さな丸めがねで、絵本に出てくる魔法使いが使用する鍋や杖を背負っているところ以外、普通の小学生ぐらいの少年だった。

「え……、ええーーっ!!」

 明日菜は大声で驚きネギに掴みかかる。

「ちょ、ちょっと待ってよ! 先生ってどーういうこと!? アンタみたいなガキンチョがー!!」

「まーまーアスナ」

 木乃香が苦笑しながら明日菜を落ち着かせようとする。

 そこに高畑がやってきた。

「いや彼はいいんだ。安心したまえ」

「先生……、そんなこと言われても……」

 高畑に言われても納得できない明日菜に追い討ちをかけるように高畑は呟いた。

「あと今日から僕に代わって君達A組の担任になってくれるそうだよ」

 がーーんッ! っと明日菜は想い人の高畑から第一印象が最悪で、子共と担任が入れ替わる事にショックを受けた。

 そして涙目になりながら抗議する。

「そ、そんなぁ……。あたし、こんな子イヤです。さっきだってイキナリ失恋……。いや、失礼な言葉を私に……」

「いや、でも本当なんですよ」

「本当いうなーー!!」

「大体あたしはガキがキライなのよ! あんたみたいに無神経でチビでマメでミジンコで……」

 滝のような涙を流しながらネギの襟を掴んで睨んだ。

 一方、ネギはと言うと親切心で占いに出た内容を伝えたのに、明日菜が親切心を踏みにじったと思い憤慨していたが、急に鼻がムズムズしだし、大きなくしゃみを放った。

 ネギがクシャミを放つのと同時に、ネギの魔力が暴発してすぐ目の前にいた明日菜の制服のボタンを弾き、衣服を飛ばした。

 一瞬で下着姿になった明日菜……。

 その場に居た木乃香と高畑、木乃香の影で様子を眺めていたクラウスの視線が明日菜の下半身に注がれ、三人の脳裏にあるキーワードを浮ばせた。

「(毛糸のくまパンか)」

「(くまパン……)」

『くまパンだな』

「キャーーーーーー!! 何なのよコレーーーーーッ!!!!」

 いきなりストリップさせられた明日菜と高畑と目が合い、明日菜は一瞬で顔を羞恥で真っ赤に染めて、その場にへたり込んで、大声で理不尽を叫び、その叫び声は空しく響いた。

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