小説『項垂れ、乱れて、舞い踊る』
作者:大烏()

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(風鈴)「この阿呆めが。こんなところで倒れたら、ムカデやらなんやらに襲われるぞ。」


と言うと飛び起きた。



(鈴白)「それはやだなぁ。」



2人でけらけらと笑い飛ばした。



すると鈴白は行き成り咳こんで、焦って口を手で覆ったが、指の隙間から真っ赤な血があふれていた。



(風鈴)「・・・!どうした、鈴白!」



(鈴白)「近寄るな!・・・お前に・・・この病がうつったらどうする!・・・ゴフッ・・・。」



そのまま鈴白は倒れこんだ。


(医者)「・・・。これは結核ですね・・・。大分進んでおります。若様はこのまま1年持つかどうかのところです・・・。」


カッとなって私は医者の胸倉をつかんだ。


(風鈴)「いい加減にせんか貴様ぁ!こやつがそんな病におかされるような輩(やから)に見えるのか!馬鹿は病気にかからないという言葉を聞いたことがないのか貴様ぁ!」


その時だった。


(鈴白)「誰が馬鹿だって?・・・。」



Σ(医者)&(風鈴)「何故息を吹き返したし。」



(鈴白)「なんでそんな嫌な言い方なんだよ。もっかい眠りについてやろうか?永久に!」


(風鈴)「いいよめんどくさい。」


(鈴白)「ひどくない!?」


(風鈴)「冗談だよ。さ、俺はもう帰るよ。じゃぁな。」


(鈴白)「お、おう。」


・・・と明るくふるまったものの、なんとなくうれしかった。長い付き合いだし、当り前だろう。自然の摂理さこれが。


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