小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第14話

side 琴吹 紬

私は、三歳からピアノを弾いていたので合唱部に入ろうかな?なんて軽い気持ちで音楽室へ行ったんだけど、あの軽音楽部に入るって言う子達が楽しかったの♪

「えーと、りっちゃんに澪ちゃんだね」

「おっ、私はあだ名か。いいぜー、代わりに私もムギの事をムギって呼ぶぜっ」

「よ、よろしくな・・・む、ムギ・・・」

澪ちゃんは顔を赤くして、私の事をムギって呼んでくれた事に私はすっごく嬉しかった!


そして、次の日にこの部に入部希望する子が来るという報告を聞いて私達はとてもとても緊張して、その子を待つ事に。

すると、りっちゃんはその入部希望である平沢唯ちゃんっていう子を引っ張り、私達は唯ちゃんの為にお茶やケーキを用意して、食べさせることに。
唯ちゃんはとても気に入ってくれて、すぐに入部したいって言うものだから私達は大喜びしちゃった♪これで、軽音楽部が活動出来るって幸せな気分になって、唯ちゃんは『初心者なんですけど』なんて言うけど私は大歓迎するよ!ううん、りっちゃんも澪ちゃんも大歓迎しちゃうんだから!


side 平沢 唯

さて、何とか軽音楽部のメンバーになった俺は適当に自己紹介し、メアドも交換しあった。


俺は澪、律、紬のことを、澪ちゃん。律ちゃん。ムギちゃんと呼んでいる。はぁ、女子をちゃん付けで呼ぶのは少々恥ずかしかったのだが、癖になってしまったので、呼び捨てには出来なくなっていた。

休日。俺のギターを買うため、軽音楽部のメンバーと『10GIT』へと向かった。


10歳からお小遣いを貰い続け、ずっと貯めていた。そして、旅行から帰ってきた母親たちに何とか十万円ほど貰った。

おいおい、いいのかよ。そんな大金を・・・


「ううん。唯ちゃんはすごく頑張っていたからね?」

だそうだ。

店に入り、ギターを探す。まさかまた変な頭痛がくるんじゃないだろうな。


恐る恐る、適当にギターを探していたが、ふっ。とある見覚えのあるギターに目をやる。


これは・・・唯が使っていたギターだな?確か名前は『ギブソン・レスポール・スタンダード』それ以外には目を向けられなかった。
なんなんだ?これを買えってか?



俺は突然座り込みその『ギブソン・レスポール・スタンダード』を食い入るように見ていた。

「唯ちゃん。それ欲しいの?」


紬が聞いてくる。まぁ、そうだろうな・・・俺の意志と関係なく勝手に身体が動いてしまうんだからな。

そして、このギターの値札をよく見てみると・・・
げげっ!二十五万円!?
ギターって結構、金かかるんだな・・・この前行った時、赤いギターがあったのだが、そのギターも二十万前後もしていたのだ。

でも、何故かこのギターが欲しいと本能?が言ってくるので、俺の部屋から持ってきた二つの財布を確認する。
親達から貰った十万円が入った財布と昔からずっとお小遣いを貰い続けて無駄使いしないで貯金していた財布の二つの財布の金額を合わせると・・・

うわっ!?三十万円はあるぞ!学生が持ち歩く金額じゃないぞ!

「どうしたの?唯ちゃん」

紬は首を傾げ、俺の異変に気づいたので俺は咄嗟に『こっ、コレ買うっ!』とギターに指差し紬は『じゃ、店員さんに伝えましょうー』と俺と共に近くにいた店員の元と直行し、『ギブソン・レスポール・スタンダード』を買う旨を伝え、メンテナンスというものも、あったけかと思い、それらの道具一式を買ったのだ。


「わ、唯って結構金持っていたんだなー・・・」


律の呟きを耳に流し、大切そうにギターが入ったギターケースを店員から受け取ったのであった。

-15-
Copyright ©かがみいん All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える