小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第16話

side 平沢 唯

月曜日。ギターを買いまだ、2日しか経ってない。


憂が作ってくれた朝食を食べ、お馴染みの制服へと着替え、バックを取り・・・おっとギターの事をすっかり忘れてたな。俺も抜けているな。


ギターをケースに入れ、肩に掛ける。

「いってきまーす!」

「いってらっしゃいー!お姉ちゃん!」

ーーーー

通学途中、和が後ろから


「おはよう唯。それ何?この前言ってた軽音楽部に関する物なの?」


「あぁ、うん。ギター買ったんだー。部の皆とねー」


「へぇ、本格的じゃない。あ、そうだ。中間試験が始まる頃だけど・・・。唯、もちろん勉強したんでしょうね」


「あー。す、少し勉強したよ」

俺は今回のテスト範囲を見る限り、パラパラ教科書を見るだけで何となく、『あぁ、この辺くるだろうな』と予測してしまう。簡単にいうと、勘だ。そして大学生でもあるのだから、簡単に理解している。そうやって、俺は今までずっとそれで満点を取ってしまうのだ。


「はぁ、ずっと満点取っている人が何言ってんだか」


和は、ジト目で見てくる。何なんだ。


テストが何とか終わり、テストの答案の点数に『やはりか』と俺と和は納得する。全教科満点だ。和は平均94点だ。それでも、かなり優秀だ。


部室に行く。何だか無意識に体が動いている感じがして、そんなにも軽音楽部に依存しているのか。と自分に呆れている。


ドアを開け、澪達三人は何やらテストの点数を見せキャッキャッいっている。本当に女子高生っぽいな。ぼけっとしていると


「なぁなぁ、唯は何点だったー?澪はなぁー」

「ちょっ!バカ律!」

ゴンッ。澪は律に頭を殴った。とても痛そうだが・・・

「ん?あー。全教科満点だけど?」

俺はそれがどうした?みたいな表情をし、


「ま、またまたー。嘘だよなー。唯が嘘つきなんてー。珍しいなー」

「そ、そうだな。唯、嘘ついたらダメだぞ?」


「そ、そうよー、唯ちゃん。あ、それよりお菓子食べるー?」


上から律、澪、紬の順で言ってくる。しょうがない、証拠を見せるためテスト答案を全て三人に見せる。


すると、三人は『どれどれ?』といった感じで俺の答案用紙を見て固まる。


「ど、どうしたの?澪ちゃん、律ちゃん、ムギちゃん?」


わざとらしく言ってみた。


「す、すごいな!この引っかけに答えられるなんて!唯ってまさか・・・天才なのか!?」

「た、確かに。私もこの問題に見事に引っかかたが・・・」

「す、すごいよ!唯ちゃん!私なんて、この問題が分からなくて空欄だったんだけど・・・」


律、澪、紬はとても驚き俺を見ている。


「い、いやぁ。それ程でも無いよー」

うむ、やはり褒められると恥ずかしい。俺はそんなに褒められることをしていないつもりなんだが・・・

ーーーーー



「すっごい!お姉ちゃん高校でも満点取っちゃうんだ!」

恒例の家族相談。これをしないと、一日が終わった気がしない。



「あ、あはは。そんなに褒めないでよー、憂ー」


憂に褒められると嬉しいのだが恥ずかしいのもあるな。


「あはは。私も頑張ってお姉ちゃんみたいに、頭よくなるからね!」


頑張るのはいいが、気を詰めるなよ、憂。俺にとって可愛い妹なんだから。ま、俺も頑張るよ。憂の姉としてね・・・

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