小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第17話


side 平沢 唯


俺は今、軽音楽部の皆で海辺で遊んでいる。


「お、おい!律。合宿の練習をやりに来て、遊びに来ているんじゃないぞ!?」


「へっへっへー。後で後でー」


俺達は合宿に来ている。何故ならば、澪の突然の合宿宣言を聞き何かいい場所は無いかと思案していたら・・・


「む、ムギ。別荘とかは・・・」

「ありますよ!」


「「あるんかい!」」


とこんな感じで事が進んで、軽音楽部の合宿が始まったのだが・・・いかんせん、部長である律と、のほほんとした紬のおかげで今至る。

ーーーーーー

さて、遊び疲れた律、紬はぐだっとしている。おいおい、いいのかそれで。


「ほら。練習だ。律、ムギ、唯」

「えー。疲れたから明日にしないかー」


と本末転倒の合宿が終わろうとしている。


風呂も皆と一緒に入り練習は、やらず寝てしまったようだ。


俺は皆を起こさないように慎重に部屋を抜け出し、別荘のベランダへと向かう。

ーーーーー


「・・・ふぅ、」

俺は夜空を見て何故か溜め息が出る。


俺は、星や月を見るのが好きである。何だか落ち着くのである。


「どうしたんだ?唯。こんなところで・・・」

「そうよ。唯ちゃん。風邪引いちゃうよ」

澪と紬だ。起こしてしまったんだろうか。


「い、いやー。夜空観察?」


本当の事を言ったんだが、二人とも笑っている。


「私な、卒業した先輩の演奏を聞いて、何だか負けたくないって思ってこの合宿を企画したんだ」


ふむ、澪は負けず嫌いなのか。そいつはいい心構えだ。



「澪ちゃん。私達は頑張れるよ。私は、澪ちゃんのベース。律ちゃんのドラム。ムギちゃんのキーボード。皆の演奏は安心できる演奏だから・・・。私も、上手くギター弾けるんだ」


「唯・・・」「唯ちゃん・・・」

「だから、このメンバーじゃないと私。安心出来ない。澪ちゃん、律ちゃん、ムギちゃんだからこそ、いい演奏が出来ると思うんだ」


うむ、語ってしまった。恥ずかしい。
だが、これは本音だ。嘘じゃない。

「ふぁぁー。私、寝るねー」

空気がぶち壊しである。締まらないな俺は。寝るとするか。


俺達はもっと上手くなる。それだけを目指していこうと思う。ま、のんびりと、ゆったりと頑張っていきたいのだ。

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