小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第18話

side 平沢 唯

本末転倒な合宿を終え、今日も音楽室で一人ギターを適当に弾いている。みんな、遅いな。


「お、やってるな。唯」


澪が部室に入る。何だか俺が練習している事に満足のようだ。


「澪ちゃん。これ結構難しいよねー」


「ん?どこだ?」


「ここの・・・ーーーー」

ーーーー

俺は澪の助けを貰い、何とか理解した。本当に助かる。


「ありがとう!澪ちゃん!」


さて、律、紬も今来た。紬はニコニコしお菓子を俺達に分け、紅茶も注いでくれる。しっかりした子だな。


すると、和が部室に入ってきた。珍しい事もあるんだなー。


「あっ!和ちゃん。お菓子食べる?」

「いや、私はその為に来た訳じゃないから。軽音楽部の部活申請用紙を部長に渡したんだけど・・・」


む、そういえば律は忘れていたシーンがあったな。今ここに再現している。


「りーつー!」


「あ、いや、あは、あははは」


ーーーーー
和に手伝って貰い部活申請用紙を書いているのだが・・・


「軽音楽部っと。で?顧問は?」


和の質問に澪達は『はっ!』とリアクションをするのだが、こいつら抜けてんのな、と呆れる。


「顧問は音楽の担当の山中先生に頼んでみない?」


と俺はそう言い、澪達は『それだっ!』とリアクションする。いちいち面白いのな。



澪達はそそくさと山中先生を探しに行くが俺は、ある準備をするため部室に行き物置の中にあるアルバムらしき物を見つけた。


山中先生は、この高校の卒業生だった事を友達曰く話してくれた。だからアルバムをパラパラと捲り・・・・


「・・・あった」


その写真の人物である山中先生は、学園祭でライブをやったのか派手な衣装に、メイクが恐ろしいな。

携帯で写真を撮って保存する。そして、その写真を懐に入れ俺がやるのはもちろん・・・


ーーーーーーーーーー

はぁ、やっと見つけた。どうやらまだ説得中だった。


俺はあちらこちらへと皆を探し、合流した。


「あっ!唯遅いぞー何やってたんだよー」


「あ、ごめんねー。律ちゃん」


律に何故か怒られたが、それよりも・・・

「ねぇ、山中先生ってここの卒業生だったんだよね?」


「な、何故知っているの?平沢さん」


「音楽室で見つけたんだ。先生の・・・写真」


俺の言葉を聞き何処かへと走りだす。

「え!?どうしたんだ!?」

「な、何か知っているのか!?唯!」

「え?え?どうしちゃったんだろう」


上から順に律、澪、紬が驚くように話す。


「ついていこう!」
律の提案により、俺達は先生の後を追った・・・


ーーーー

「あれ?どうしてなの?あの写真が無い!?何で?」


俺達は先生を追い詰め、音楽室へと到着した。


「先生。探しているのってこれですか?」


ニヤリと俺は先ほどの写真を手に持ち、ヒラヒラさせた。


「あ、か、返して!」


「これって先生なんでしょ?」


「え!?いや、あの、その・・・」

「バラされたくなければ、顧問になってください。これをたくさんコピーして学校中に撒き散らします。もちろんこの写真を奪ってもバックアップのデータがありますので。・・・後は分かりましたよね?先生」



「は、ハイ。顧問をやらせてください」


澪達は『ぽかーん』としていた。お前達は芸人か。


人生初めての教師に脅迫をやり、俺達は、やっと正式に部活動の活動を認めて貰った。そして、バンド名も職権濫用を見事に使った先生が決めてくれた。その名は・・・


『放課後ティータイム』


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