第２３話
憂が軽音楽部に入り、律、澪、紬はとても嬉しそうだ。
という事で、俺達は音楽室でミーティングという名の雑談をしていた。
「本当にびっくりだよー憂」
「えへへ。お姉ちゃんをびっくりさせたくって・・・ごめんね。お姉ちゃん」
憂よ。本当に驚きだったぞ。
「よーし。憂ちゃんが入った事だし、練習するか!」
律の提案により、練習しようとするのだが・・・
「待てよ律。憂ちゃんは初心者なんだぞ?コードとか教えなきゃだめじゃないのか?」
うむ、確かに。俺のギターには、ちょくちょく触る程度しか関わっていないのだ。
「いえ。大丈夫ですよ。澪さん。お姉ちゃんがギターを弾いているのを見て、コードは一通り覚えました」
な、何!?見ただけで、コードを覚えたのか!?憂はどうやら才能があるのだな。
「す、すごいよー憂」
「えへへ。ありがとう。お姉ちゃん」
で、俺と憂はコードの確認し、憂に俺が指定したコードをあっさりと弾いてしまう。末恐ろしい才能だ。
しばらく俺と憂とで軽くセッションしていると・・・
「あ、あの入部希望なんですけど」
黒髪のツインテールをした、一年らしき人物がいた。
「え!入部希望!?」
「ほ、本当か!?」
「よ、ようこそ!」
律、澪、紬はその一年を引っ張り音楽室へと招待する。憂はぽかーんとしている。
「え?憂?」
「あ、梓ちゃん?」
その入部希望の一年の名前は中野（なかの）梓（あずさ）。ムスタングというギターを愛用しているそうだ。これで、『放課後ティータイム』が結成したのである。憂はイレギュラーだがな。でも、歓迎しよう。
「私、初心者で、ちょっとお聞き苦しいですけど・・・」
俺達は、梓の力量を見るため、梓にテストを施す。
♪♪♪ーー
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「・・・」
はっきり言おう。上手い。俺なんかよりもだ。経験者らしいから当たり前だがな。
「す、すごいよ。梓ちゃん。上出来だよ」
「え、そうなんだ。ありがとう。憂。先輩方の意見はどうでしょう?」
憂と梓は同じクラスだから仲がいいだそうだ。だが、梓よ。あまり上手では無いのですが、みたいな顔をするな。
「あ、うん。今日から梓は軽音楽部のメンバーだ。よろしくな」
「はい!」
律の提案により、梓は軽音楽部に正式に入部した。よかったな。梓。
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で、次の日の放課後。俺、憂、律、澪、紬は音楽室にて、雑談をする。
「こんにちは!」
キラキラと笑顔を見せ、音楽室に入る。元気だな梓。
「おー。張り切ってるなー梓」
「はい!放課後が待ち遠しかったです!」
「梓ちゃん。一緒に頑張ろうね」
上から律、梓、憂が。すると、急に律が
「よーし。ムギお菓子の用意だ!」
「よしきた!りっちゃん!」
梓は、ずるっとこける。何だ?リアクション芸人にでもなるのか?
「え?音楽室を私物化していいんですか?」
うむ、梓の言いたいことは分かる。ティーセットとか、食器棚とか、お菓子とか、やりたい放題だもんな。
「みんなー頑張っている?」
山中先生の登場に梓はあたふたする。憂は、慣れていたので微動だにしない。慣れってすごいのな。
「顧問の山中さわ子です」
さて、次の日の放課後。律、澪、紬はお菓子を食べている。俺と憂はまだまだ初心者な為、長イスに座りギターをいじっている。
「ち、ちょっと先輩方!憂と唯先輩しか練習してないじゃないですか!」
「あー。唯と憂ちゃんはまだ始めて間もないから・・・」
「え!?唯先輩が!?」
澪が梓に事情を話すが、何だ?俺が初心者だから見下しているのか?
「ん?なんで驚いているの?梓ちゃん」
俺は真意を確かめるため、梓に質問するが・・・何だその顔。鳩が豆鉄砲をくらったような顔。
「信じられないです・・・あんなに上手だったのに・・・あれで初心者なんですか?澪先輩?」
む、遠回しに褒めているのか知らないが、澪は
「あぁ、あれで初心者なんだ。唯は」
梓は、あり得ないという表情をする。俺は暇さえあればギターをいじるだけなのだが、そのおかげか?
何とか梓を説得に成功し、俺と憂はまたギターをいじる。はぁ、いくらなんでも初心者では無い腕前とか俺を褒めすぎだ。
「すごいでしょ?お姉ちゃんって♪」
憂までも・・・やれやれ