第25話
Side 平沢 憂
私と梓ちゃんが軽音楽部に入った事で、律さんが『記念撮影しようぜ!』という提案で三脚とカメラを音楽室の中にある物置から出して、少し埃っぽいので、払う事にした律さんだけど・・・
「へっくしょん!」
大声でクシャミをして、澪さんがティッシュを律さんに渡す。わぁ、澪さんって優しいんだなー。
近くにいたお姉ちゃんも鼻がムズムズしてきたのかな?『へっ、へっ』と言っちゃうから心配しちゃう!
「こ、この物語は・・・フィークションっ!であり、登場する個人・団体の名称は全て架空の物です。もし、知っている名称があるなら、それは気のせいです。目の錯覚なのです」
「な、何を言っているんですか?唯先輩・・・」
お姉ちゃんは映画の後に流れるような注意を言ったけど、何の事かさっぱり分からないよ・・・梓ちゃんだって反応に困っているよお姉ちゃん・・・
「唯、澪、ムギ。ちょっと来い」
律さんは何故かお姉ちゃん達を物置まで連れて行って、何かを話すけど・・・何の話なんだろう?
「・・・で、澪が・・・」
「・・・え?何で・・・」
ここから遠くて聞こえないけど、何か秘密の話だったら聞いちゃまずいかな?と思 って梓ちゃんと苦笑いしながら雑談を交わしていると・・・
「おっ、おまたせーっ!」
ムギさんが瞬きしないでやって来たんだけど・・・ええ!?何で瞬きしないんですか!?ムギさん!
「か、可愛い後輩をずっと見守りたいですからー。あ、唯ちゃん、こっちこっち♪」
ムギさんがお姉ちゃんを呼んでお姉ちゃんも、とてとてとムギさんに駆け寄る姿に私は和み、お姉ちゃんと話す事に。
「そ、そだよー。か、可愛い後輩を見守りたいんだよー」
お姉ちゃんは私達の事を可愛いと言うから私は
「えへへー。私、お姉ちゃんの後輩で良かったよー」
と笑顔で答える事にしたの。だって、お姉ちゃんから可愛いって言われたんだよ?嬉しいに決まっているよ♪
「ッッ!」
すると、お姉ちゃんとムギさんは私達を見ないで誰も居ない方向に向いて、ぷるぷると震えていたの。ど、どうしちゃったのかな?
「ま、まだだ。まだやれるよ。ムギちゃん」
「わ、私だってーっ。やれば出来る子よっ。頑張れ!私っ!」
そんなやり取りを見た梓ちゃんはというと・・・
「・・・大丈夫かな?この部・・・」
ポツリと言っちゃう梓ちゃん。だ、大丈夫だもん!お姉ちゃんがいるから大丈夫だもん!
「くぅーっ!・・・逃げちゃダメだよ、私っ!」
「が、頑張って!唯ちゃんっ!わ、私も頑張るからーっ」
だ、大丈夫だよね?多分・・・