小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第3話

Side 真鍋 和 
私は、桜が丘小学校という場所にパパとママの勧めで入学しました。

最初は知らない人達ばかりで、緊張しちゃってお友達作れるかな?なんて不安になったの。

でもね、幼稚園の時、『唯ちゃん』っていう髪が少し茶色ぽい女の子がね、私とたくさんおしゃべりして、すぐにお友達になったの。
そのきっかけはというと・・・

「和ちゃんっ、一緒にお絵かきしようっ」


「え?うん、いいよ」

急に話しかけられちゃったから、びっくりしちゃったけど、私達は紙とクレヨンを用意して、私が好きなりんごを描いていくと・・・

「わっ、すごい上手だねっ」

「え?そ、そうかな?」

いきなり褒めてくれたので私は、嬉しい気持ちになり、次々と絵を描き、唯ちゃんは『すごいっ、すごいっ』と大はしゃぎで私を褒めていたの。エヘヘっ、嬉しいな♪

ーーーー
side 平沢 唯
平沢唯6歳になりました。
あれから真鍋和と、すっかり仲良くなって時々遊びにいっている。

だが、この時期がくるとやはり、
「唯ちゃん。今日から小学生だよ」
ふむ、やはりきたか。これは避けて通れないな。義務教育だしな。
「しょーがくせぇ?」
やはりボケたふりをするのめんどくさいな。

「そうよ。お友達とたくさんお勉強する場所よ。」
勉強か、参ったな。中身は小学生レベルだろうから、かなりの退屈になるに決まっているよな。

「う、うん。たくさんお勉強するよ」
俺は必要最低限の笑顔を母親に向ける。

「うん。頑張ってね。唯ちゃん」
「頑張るんだぞ。唯ちゃん」
「頑張ってっ!お姉ちゃん♪」

ーーーーー


「はい。いちたすいちは?」
「「「にぃーっ」」」
「はい。よくできましたね。」
今、俺は小学校のとある教室にて絶賛拷問中である。
数学ならともかく、算数って・・・しかも一桁の足し算引き算って・・・かったるいな、やはり。
「はい。今、配ったテストをやります。皆、落ち着いて頑張りましょうね。」
女性の先生はかなりやさしく見た目も若々しく印象がいい。
「「「はーい」」」
ーーーーー

「唯ちゃん!すごい!あなただけ満点よ!」
先生は俺の頭を撫でながら言う。当たり前だろう。出来なかったらアホだ。
「ど、どうも・・・」
照れながらテストを取る。
「ゆ、唯ちゃん。負けないからね」
と和は涙ぐんで俺に言ってくる。いや、どうしろと・・・和に変なライバル心を抱かれたようだな。
「う、うん。頑張ってね。和ちゃん」
俺は、そう励まし和の頭を撫でる。

「えへっ。頑張るよ!」
ーーーーー
で、幼稚園が終わり、我が家へと帰宅して・・・
「そうかそうか。テストで満点か。将来が楽しみだな。」
父親は笑いながら俺の頭を撫でる。今は絶賛褒められ中である。
「すっごーい!お姉ちゃん!」
憂も俺の頭を撫でながら言う。
こいつら人の頭を撫でながらじゃないと喋れないのか?恥ずかしいが。
「え、エヘヘっ。たまたまだよ。」
俺の小学生ライフは始まったのである。





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