小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第39話


ライブハウスを終え、役目を終えた俺達は外に出る。すると、『ラブ・クライシス』が出てきて、そのファン達がきゃっきゃっと興奮しているのを見て、俺達との違いの差がコレなんだな、としみじみに思い、俺は『ラブ・クライシス』に、感謝する為


「ライブハウスに誘ってくれて、ありがとうございます!」


深々と頭を下げる。本当にいい経験が出来たので、当たり前の行動だ。すると、みんなも


「「「ありがとうございます!」」」


俺の真似をする。『ラブ・クライシス』は、笑顔で『どういたしまして』と言ってくれた。本当にいい人達だ。


「みんな!いい演奏だったわね」

「「「さわちゃん!」」」


山中先生の登場だ。それに、和だ。後、誰だ?茶髪の団子みたいな髪している奴は?


「本当にいい演奏だったわよ。唯。憂。それに、他のみんなも」



和の褒めに俺は『でへへ〜』と言うのだが、その団子頭が気になってしようがない。俺は


「え、えーと。あなたは?」


「私は鈴木純です!唯先輩!」


初見のその子は、元気に自己紹介をした。なんなんだ?


「私、唯先輩のファンなんですよ!後、澪先輩もファンなんです!」

「「え!?ファン!?」」


澪と同時に言葉を発した。こんな俺達のバンドでも、ファンがいるのな。


「本当にいい演奏でしたよ!憂も!」


「へ!?あ、ありがとうね。純ちゃん」

憂と純は友達なのだろうか?親しく話しているが。


「あ、この前、私がギター貰った話をしたでしょ?この純ちゃんが譲ってくれたの〜」


それは驚きだ。そんな俺の状況を置いてみんなは、雑談していた。

ーーーーーーーー


和、純と分かれ、軽音楽部は我が家にて、年を越すのだそうだ。


「よーし、年明けるまで寝ないぞー!」


声を高らかに宣言したのは律。そのやる気を部活にもっとやって欲しいものだがな。


「りっちゃん!私、頑張るよ!」


紬も、参加意志を。なんでお前までもかよ。そんなことより、俺は


「あ、憂。年越しそば作ろうよ」

「あ、いいね〜。みなさんもいかがですか?」


「「「食べるー!」」」


ーーーーーー


年越しそばを食べ終わり、俺達はこたつにて、暖をとっている。が、


「来年がもうすぐ来るわね」


「「「さわちゃん!」」」


突然の山中先生だ。いつ入って来たのだろうか?いつの間にか、梓の頭にトラ耳が着いている。神業だな。おい。


「山中先生、普通に入って下さい。不法侵入で捕まりたいのなら、警察呼びますよ?」


「ち、ちょ。唯ちゃん!?ほんの冗談よ!?本当よ!?」


山中先生は、慌てていた。憂は、この会話を聞かなかった。聞いていたらどうなっていたのだろうか?まぁ、いいか。

ーーーーーー


山中先生、紬、トラ耳梓は、眠ってしまった。澪、律、憂はまだ起きていたいだそうだ。


「はー。ダウンしたかー。年明けまで、起きようって、言ったのになー」


「しょうがないだろ?律。みんな疲れているからな」


澪、律は困った表情で、山中先生達を見る。


「ねぇ、澪ちゃん、律ちゃん。今年の一年、どうだった?」


「今までいろんな事があって、楽しかったよ。唯」


「ああ!私もだ!唯!」


楽しそうに笑う二人を見て、俺も

「うん!私も楽しかったよ!部活に入ったり、澪ちゃん、律ちゃん、ムギちゃん、梓ちゃん、山中先生に会えて良かったよ!私に『夢』が出来たから!」


「「唯・・・」」


『さぁー。年が明けるまで後、少しですよ』


「あっ、おーい!みんなー!起きろー!年が明けるぞー!」


テレビの声で律は『はっ』として、みんなを起こそうとするが


ごーーん、と鐘が響いた。


「あ、年明けた。」


「くすっ。新年早々、締まらないな。私たちは」


「やる時はやるけど、やれない時は全然やれない私達だね。」


律、澪、俺は笑い。俺達も眠った。


ーーーーーーーー


朝、初日の出を見るため、みんなを起こす。


「みんな!初日の出を見よう!私、穴場知っているんだ♪」


「う、うーん・・・」
「えー。いいよ・・・」
「今、何時ですか・・・」
「寒いから、いいよ・・・」
ーーーーーーーー


渋々、律、澪、紬、梓、それから憂を納得させ、山を登り、ある場所へと向かう。


すると、初日の出は向かいの山頂から、ゆっくりと、でてくる。


「おお・・・」
「へぇ・・・」
「わー・・・」
「綺麗です・・・」
「こんな所があったんだ・・・」


山中先生は留守番を任せて貰うことにして、俺達は初日の出を見る。


「みんな。今年の抱負は?」


と、澪が聞いてくる為、俺は


「私ね。ずっとこのメンバーでバンドして、無我夢中に『夢』に向かって、頑張りたい。それが私達の、軽音楽部(いきかた)だよ!」


ひゅ〜。と風が吹く。すると、澪、律、紬、梓、憂は


「ああ!」


「そうだな!」
「そうだよ!唯ちゃん!」
「はい!私もそれで頑張りたいです!」
「分かったよ!お姉ちゃん!」
  


「あ、ところで、梓ちゃん。いつまでトラ耳付けているの?」


「え!?あ、本当だ!一体いつから付いていたんですか!唯先輩!」


「や、最初から付いていて、気に入ったかな〜。と」


「気に入ってません!律先輩も笑わないでください!」


律は大笑いで、紬も、澪も、憂も、梓は赤面ながらも、笑っている。
ああ、軽音楽部、最高だな。

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