小説『俺は平沢唯に憑依してしまう。【完結済】』
作者:かがみいん()

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第47話

修学旅行。それは学校行事の唯一の楽しみの行事なのでは?と思う程だ。だから・・・


「やったーっ!修学旅行だ!」


「やっとだ!楽しみー!」


クラスのみんなは、大興奮し、はしゃいでいた。律、紬、澪、俺は同じグループになって行動しようとしたいのだが、和とも一緒に行動したい。が、一班につき四名しかダメだそうだ。和を一応誘うが


「ごめんね唯。私、他の娘と約束したの。でも後で合流しましょう」


和は申し訳なさそうに、俺を見る。俺はいつからかワガママになっていたかもしれない。自重しないとな。


「うん。絶対に合流しようね。和ちゃん」


「ええ」








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修学旅行当日。衣類やらカメラやら旅行のしおりなどを詰め込んだ旅行バックを肩にかけ、憂に一言。


「憂。行ってくるよ。家事とかちゃんとするんだよ」


「うん。分かってる。お土産よろしくね♪」


「うん。じゃ」


憂は、笑顔で手を振り、俺も笑顔で手を振る。


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まず学校に着き、生活指導の教師が高校生らしく真面目に取り組むように、などだらだらした説教を耳に流し、教師の先導のもと新幹線に乗り、京都へ向かう。


「おー!富士山だ!記念撮影しようぜ澪!」


律はハイテンションだ。いきなりすぎるぞ。


「少しは落ち着け律!」


「修学旅行だぜ?テンションが上がらない事は無いだろ!ムギを見てみろ!」


「え?」


俺、律、澪は紬を見る。
紬は目が輝いている。無邪気に外を見て『わぁー♪』と、はしゃいでいた。


「ムギがあんなに、はしゃいでいる・・・」 


澪は驚いている。何故だろうか。別にいいだろうが。


「という事で記念撮影だーっ!」

律は、俺、澪を無理矢理立たせる為、山中先生が見回りに来て


「こらそこっ!用も無いのに立たない!」


教師らしい発言だ。あ、山中は教師だったか忘れていた。


「あっ、さわちゃん!記念撮影しようぜー!」


「ダメよ!さっさと座りなさい!」

律は、カメラを構え


「いくぜー!はいチーズ!」


カシャッ


何故か山中先生がセンターに移動して一緒に写っていた。


「・・・山中先生、教師でしょ・・・何流されているんですか・・・」


「はっ!・・・唯ちゃん、この事内緒ね・・・」


しょんぼりと俯いた山中先生。
律は紬も誘い記念撮影をもう一度撮るのだが。


カシャッ


「・・・山中先生・・・はぁ・・・」


「唯ちゃん!?私に呆れないで!?」

俺達の修学旅行が面白可笑しく始まろうとしている。



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新幹線に揺られ、バスに乗り、途中で降りて昼食を食べ、またバスに乗るのだが・・・


「おーい!記念撮影しようぜ」


またかよ、と律に呆れる。山中先生が『早く集合しなさい!』と一喝するが


カシャッ


「・・・何も言う事無いです・・・」


「・・・私だって楽しみたいのよ・・・」


またも、山中先生がセンターに写っていた。


ーーーーーーーー


バスは金閣寺の近くに止め、俺達は自由行動だ。金閣寺の境内をウロウロしていた。


「おっ。見えたぜー!あっ、そうだこれから関西弁しか使っちゃいけないゲームしようぜー!」


ようやく見つけた金閣寺。律は、大はしゃぎだ。ていうかなぜ急に?
ま、それよりも金閣寺だ。池に青い空と金色に光る金閣寺が映る。うむ、絶景だ。


「わぁ。ピカピカやー♪」


「綺麗だなー・・・」


律の提案にノリノリな紬、澪は金閣寺を見て惚けていた。すると、風がそよそよと吹いていて・・・


『唯先輩!助けてください!』


何故か空耳が聞こえた。俺は空を見上げる。声は梓だろうと思ったが、ここに居るはずが無いので
気のせいか、と思うことにした。

「ん?どうした唯。何かあったか?」


「んーん。何でもないよ澪ちゃん。あ、そうだ憂にメールしておこう。」

「唯っ!関西弁使えー!あ、使うんやでー!」


澪は『そうか』と納得してくれた。律のめんどくさい提案に嫌々ながらもメールを送信。ただ何故、梓の声がしたのだろうか?めんどくさい事になって無い事を祈ることばかりだ。憂に定期的にメールで報告し、憂からは『そうなんだ♪楽しそうだね♪』と返ってくる。はぁ、俺もシスコン気味かな、と自分に呆れる。

金閣寺の境内を出る。次の目的地は・・・


「なぁ澪。次どこだっけ?」


「清水寺だろ?ちゃんと先生の話を聞け」


「清水寺かー、楽しみだわー♪」

という訳で、俺達は清水寺に行く訳である。

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