第5話
平沢唯8歳。小学三年だ。今俺はというと・・・・
「んで、これがかけられると、こうなるんだよね。」
「「なるほどー」」
俺は和と憂とで我が家のリビングで勉強を教えてあげている。憂も俺に着いてくるように小学二年になっていた。
「はい。今日はこれまで。お疲れ様」
「「ありがとう!」」
本当に二人は飲み込みが早い。憂は小学二年レベルまでだがそれでも結構優秀だ。和も天性の勉強好きなのでかなり成長している。教えるのが本当に楽しいと感じている。
「うふふ。お疲れ様。そうだ、ご近所のおばあちゃんの家にいきましょう。和ちゃんもね。」
「「「うん!」」」
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「でね、お姉ちゃんがお勉強教えてくれるんだ!」
「そう。それは、よかったね」
ここは、一文字とみの家で見た目は七十代くらいだろうか?その人はいつもニコニコして子供のなんたるかを熟知している。全身優しさが伝わってくるような、なんだか暖かい人物だった。こういう人物は好きだ。
「ほら。カステラよ。仲良く食べなさいね」
「「「わーい」」」
俺は甘い物が嫌いなはずだが、女の身体になっているせいか、美味しく感じている。
「わざわざすみません」
「いいのよ。この子たち美味しそうに食べるからこっちまで幸せになるからね」
本当にいい人だ。この人が困った時、なにがなんでも助けてあげたい。
「「「ありがとうね!おばあちゃん」」」
「いえいえ、いつでも遊びに来てもいいからね」
おばあちゃん・・・俺・・・
いつでも遊びにいくからな。
俺達は別れを告げ、我が家へと帰っていくのである。
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Side 秋山 澪
私の名前は秋山 澪。小学三年生。幼稚園を卒園して桜が丘小学校に入学して、人と接するのがものすごく怖いのから、休み時間で本を読んでいたら・・・
「なぁなぁ、その本面白いか?」
「へっ!?」
急に話しかけられちゃったから、何を言うべきなのか分からず、慌てていた私をその話しかけた女の子にオロオロしながら『ゆ、ユニーク?』と答えてしまった、ううっ、恥ずかしい。
そして、給食の時も・・・
「おおっ、すげー!左利きなんだーっ!かっけーっ!おーい、みんなーっ」
この女の子は私が左手で箸を持つ事に興味を持ったのか、クラスのみんなに報告しちゃうから、慌てて右手に持ち替えちゃった。
「えー?もう終わりかよー。あっ、私の名前は田井中 律。律でいいぜ。お前は?」
『りつちゃん』っていうのか・・・何だか言いにくいな。『りっちゃん』でいいかな?そのりっちゃんは私の名前に興味を持って、私は恥ずかしくて小声で
「あっ、秋山 澪(みお)。澪でいいよ・・・」
こうして、私とりっちゃんはお友達?になれたんだ・・・ううっ、少し恥ずかしいなっ。でも、少し嬉しいかも・・・