第67話
Side 秋山 澪
私達は今年から開催されたマラソン大会を嫌々ながら走っていた。だけど、唯が・・・
「ええ!?遭難!?」
いつの間にか消えていた・・・ずっと私達と一緒に居たのに・・・
「まさか唯、キャトられたのか?」
「違うだろ!」
「あ、皆さん!」
「唯先輩見つかりました!?」
「いいや。まだだ」
憂ちゃん、梓がやって来て唯の捜索を手伝ってくれた。
「あ、あの。お姉ちゃんはどの辺で見失いましたか?」
憂ちゃんは涙目ながらも、聞いてくるから私はありのままの事を伝えた。
「え、えーと。確かチェックポイントの前まで近所のーー」
私の説明に憂ちゃんは頷きながらも聞き、憂ちゃんは・・・
「うーん・・・ぁ、分かりました!お姉ちゃんの居場所!」
え!?たったコレだけの情報で唯の居場所が分かったのか!?凄いな・・・憂ちゃん・・・
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Side 平沢 唯
「あ、唯ちゃん。茶柱が立っているねぇ。いい事が起きるわよ」
今、おばあちゃんが用意してくれた茶を啜りながらものほほんとしていた。あーあ、結局のんびりとし過ぎたな。
ぴんぽーん
インターホンが鳴り、おばあちゃんは『はいはい』と言いながら玄関へと歩いていく。やはり律達かな?
おばあちゃんは戻って来て、
「唯ちゃん。お友達が呼んでいるわよ」
重い腰を上げながら俺も玄関へと歩く。
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「みんなごめんっ!心配かけてっ!」
俺は腰を90度直角に曲げ、頭を下げる。この程度しか出来ないが、許してくれるだろうか?
「全くっ!心配したんだぞっ!」
「そうですよ!私達、あちこち探しましたよ!唯先輩!」
「大変、申し訳ありません!」
律も梓も怒っている・・・やはり、許してもらえないか。
「まぁまぁ。許そうよ。りっちゃん、梓ちゃん。
唯ちゃんが無事だったから安心したわ」
紬は怒らないのだろうか?勝手に居なくなった俺を。
「みんな・・・本当に・・・ごめんね・・・」
震える声で謝罪し、律達は『もういいから』と許してくれた。
憂は教師達に俺を見つけたと報告する為に学校へと走っていく。
ゴールした筈なのに、また走るなんて精神的に参ってしまうだろう・・・帰ったら憂にマッサージでもしてあげようかな。
「あーあ。結局、私達はビリだな」
律の呟きに澪は『目立つ・・・』と呟く。
こんな所でモタモタしていたら、みんなの分のお汁粉が無くなってしまうから俺は励ますように
「ほらっ。走ろうよ」
「ああ!さっさとゴールしてお汁粉だ!」
ダッダッダッ・・・・
「ふふふ。若い子はいいわねぇ」
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学校が見え、ゴールしたであろう生徒達が『頑張ってー』と応援していた。澪は『やっぱり、目立ってる・・・』と頬に朱を染めていた。
「早くゴールしないとお汁粉貰えませんよー!」
梓の脅しながら応援している。や、別にお汁粉はいいのだがな。
「え!?本当に!?早くしないとっ」
紬は急にスピードを上げた。おいおい、食べ物で釣られるなよ。
「び、ビリは嫌だー!」
なんと、澪までも泣きながらスピードを上げた。いくらなんでも、目立つの嫌だからって泣く事無いだろ。
「お、おい!待てよ!澪、ムギ!」
仕方なく律もスピードを上げた。このままだと、俺が最下位になってしまう。
そんな事はさせない。プライドが許さない。俺はスピードを上げた。
『おぉぉぉー!』
俺達は我先にとゴールへと向かう。
ずるっと澪は転んで倒れそうになったが、咄嗟に受け身をゴロゴロと、とっていく。ていうか、上手だな受け身。
「はっ!目立ってしまった・・・」
赤面しながら恥ずかしがる。澪、律、紬、俺の順でゴールし、俺達の為にお汁粉をキープしてもらったので、ありがたく頂く。
「わ♪美味しいね♪」
紬の感想に俺達は『そうだな』と相づちを打ちながらお汁粉を頬張る。
「あ、そういえば、さわちゃんは?」
「ん?どういう事?律ちゃん」
律が言うには、俺を探す為にいろんな所を捜し回っているという。澪達は『あ・・・』と山中先生の存在を忘れていたそうだ。
ていうか、山中先生存在感薄いなー。と俺は、のほほんとお汁粉を食べていたのであった。
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マラソン大会が終わり、夕方。俺は心に決めていた事を憂にしてあげたいので、憂に
「私の為にまた走ってくれたから、マッサージするよ」
「え!?い、いいよいいよ。気にしなくて」
憂は反論するが、俺は『いいから、いいから』と憂をソファーに座らせ、足の裏をマッサージする。
「ぁ・・・気持ちいいかも・・・」
憂は目をトローンとさせ、『もっとしてくれる?』と言ってくるのでふくらはぎをマッサージする。
「あ〜・・・お姉ちゃん、上手だね〜・・・」
憂はのほほんと言う。てか、ちょいと・・・アレだな・・・うん・・・これ以上は言えん、俺の心中を察してくれ。
「ありがとうね。お姉ちゃん」
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Side 中野 梓
マラソン大会が終わって数日が経ったある日のHR。
マラソン大会で唯先輩が遭難するという、ハプニングがあったのに来年度以降もマラソン大会をやるという方針に。
唯先輩って、しっかりしているんだか、していないんだか、よく分からないな・・・
律先輩達が言うには、唯先輩は優等生でしっかりとしているらしいんだけど・・・
実際、私も勉強を教えてもらっているし、とても上手な教え方だったんだよね・・・
そんな唯先輩に感謝の言葉を言ったら・・・
『わっ。なるほどです!本当に分かりやすいですよ。唯先輩!』
『いや〜。でへへへ〜』
褒められたのが嬉しいのか、でれでれしちゃう唯先輩・・・まるで子供みたいだ・・・
で、休み時間。クラスのみんなは恒例となった部活の話をワイワイと騒いで嬉しそうに話していた。そんなクラスの一員が急に
「で、中野さんの軽音楽部のメンバーってどんな感じかな?」
話を振ってきた。
「え!?あ、あの・・・」
なんて言えばいいんだろう・・・うーん、個性的?それだけじゃ答えとしては、ダメかも・・・
「あ、ご、ごめんね。中野さん。変な事、聞いちゃったかな?」
「あ、ち、違うの!」
私は今度、軽音楽部のメンバーがどんな感じか教えるという約束をして、私はこの機会に『軽音楽部のメンバー』を改めて知ろうと決心したんだ!
私は、純から『軽音楽部って、どんな感じのメンバーなの?』と聞かれて答えられなかった・・・でも、憂や先輩方を見直すと新たな一面が見られるかもっ!
「あ、梓ちゃーん。えへへ〜」
何だろう、憂は弾ける笑顔でいつも以上にニコニコしている・・・一体、何があったんだろう?
「う、憂?何だか、嬉しそうだね・・・」
憂は『それがねー♪』と目を輝かせて、ずいっと顔を近づける。
「お姉ちゃんがね、マラソン大会が終わった後、マッサージしてくれたんだー♪」
憂はくねくねと動いて頬に朱を浮かばせてから、嬉しそうに微笑んでいるけど・・・本当に唯先輩が好きなんだな・・・
「でね?私も、マッサージしてあげたら、お姉ちゃんもすっごく嬉しそうにしたんだよ〜♪」
これもまた、嬉しそうにくねくねと動いていたけど・・・やっぱり、姉想いなんだなー・・・
あ、そういえば、家事とか出来るって話を聞いた事があるし、マラソン大会で唯先輩を見つけた後、すぐに先生方に報告するし、出来た娘だったな
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放課後。憂は『掃除当番で遅れるから先に行ってね』と私に伝え、私は早速、部室へ向かい、部室のドアの前で『よしっ!』と気合いを入れ、ドアノブを掴み・・・
ガチャ・・・
部室に入って、オルガンの影にムギ先輩らしき影が見えた。一体どうしたんだろう?あんな所で・・・
「あ、梓ちゃ〜ん。おはよー」
眠り眼を擦りながら私に挨拶。のんびりとしすぎですよ。ムギ先輩。
「あー。ここ暖かいから梓ちゃんもどう?」
「あ、いえ、いいです。でも、何でこんな所に?」
「私ね。来た人を驚かせようとして、ずっとスタンバってました〜。あ・・・わぁー♪」
ムギ先輩の満面の笑みで両手を広げ可愛らしい声を出す。そんないきなりの行動に私は硬直。
「あれ?梓ちゃん、びっくりしなかったの?」
ムギ先輩の発言により私は、はっと気がついて、私は咄嗟に口を開いて
「や、驚かせると聞いた後だから別に驚きませんよ・・・」
ムギ先輩は『ショボーン・・・』と落ち込んでしまったので私は咄嗟に『わ、わぁー。もう驚いちゃったなー』と演技してムギ先輩は『わぁ♪』と自分の夢を達成出来たからか満面の笑みで照れる。
「あ、唯先輩達はまだですか?」
「みんな掃除当番だって〜。うーん。こうかな?『わぁー♪』。違うかな『ぅわぁー♪』かな?」
ムギ先輩はまたも人を驚かせる為、予行練習しているんだけど・・・いちいち動作が可愛らしくて反応に困るんだろうなー・・・
「ねぇ、梓ちゃん」
「はい?」
私のムスタングのネックに手が触れた途端にムギ先輩が何かを期待するような表情で近付いてきた。
「ギター弾くのって難しいの?」
「そうですね・・・」
そこで言葉を区切って、ふと考える。
もしかしたら、ムギ先輩は・・・
「弾いてみますか?ムギ先輩」
私の直感が正しかったら、ムギ先輩はギターに興味があると思うんだ。
「え!良いの!?梓ちゃん」
「はいっ」
「わぁ〜♪ありがと♪」
私の直感は正しかったみたいだ。無邪気に笑って楽しそうに笑うムギ先輩。何だか子供みたいだなーと失礼な事を感じちゃう私。自重しないと。
「私ね。前にりっちゃんが唯ちゃんや憂ちゃん、梓ちゃんのギターを弾いてたでしょ?あれ見てたら私もギター弾いてたみたいなって思ってたの♪」
ムギ先輩はギターを装着し、部室にある鏡を見て
「わぁー♪似合うかな?」
「ええ。ギターも似合いますね」
「ギター『も』?」
「はい。キーボードを弾いている姿も似合ってますよ。ムギ先輩」
ムギ先輩は褒められて嬉しいのか、『わぁぁ♪』といつも以上に目が輝いていた。
そんなムギ先輩は私のギターを渡した。ってええ!?弾かないんですか!?
「うふふ♪私は満足になったよ♪私、ギターを持ってみるの夢だったのー♪」
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次の日のHR。純に昨日の事を報告していると・・・
「あははっ。ムギ先輩って可愛い人だね」
「そうなんだよ・・・こっそりお菓子を食べちゃったり、それが私にバレたりと様々な面白可笑しな出来事がたくさん起こるんだよ」
『あはは』
放課後。私はムギ先輩を可愛いと思うために部室に来た訳じゃない!と気合を入れ、部室へと向かう私。
今度こそ、やってやるもん!カムバック私っ!
『や・・・違うから・・・』と言いながら部室のドアノブを捻り、部室に入る。
ガチャ
「ん?何が違うんだ?梓」
「あ、気にしないでください。それより、他のみなさんは?」
「日直とか色々とあってな」
「そうなんですか。じゃ、二人で練習しませんか?」
「そうだな。あ、でも弦とか張り替えないとな」
澪先輩はメンテナンスを手際よくこなし、私はそれをじっと見る。手馴れているのかスイスイと弦を張り替えていた。澪先輩すごいな!と、そんなことよりも・・・
「あ、学園祭の曲、どうします?」
澪先輩は『ムギが作ってくれている、新曲を入れたいな』と提案したので、私も『バラードの曲なんてどうですか?』と提案。バラードって学園祭みたいな行事に最適だもん!
ーーーーーーー
ガチャ
「助けてー!みおえもーん!」
律先輩は涙ながら、部室に入ってきたけど、何ですか?みおえもんって・・・
あと、唯先輩とムギ先輩、憂も入って来た。
スタスタ・・・
唯先輩は澪先輩の後ろに周り・・・
「『どーしたんだい?律太(りつた)君。またジャイソン君にいじめられたのかい?』(ダミ声)」
「そ、それが聞いてくれよ!みおえもん!」
な・・・何ですか?急にコントを始めたのかな?澪先輩は『ムギ。唯にお茶を』とムギ先輩に唯先輩の為にお茶をあげ、唯先輩は『ちぇー・・・こっから抱腹絶倒のネタがあるのにー』と渋々、自分の席に座る・・・なんだかんだで、ちゃんと言い付けを守る先輩なんだな。
「で?何だ?何をしたらいいんだ?」
「スカートだよ!家庭科で出た宿題を手伝ってくれ!ミシンとか慣れていないんだよ!」
え・・・?律先輩って機械苦手なのかな?律先輩の新たな面が見れたな・・・
「はぁ・・・仕方ないな。じゃ、律の家に行くか」
「ですね。澪さん」
澪先輩の提案に憂は賛成なんだけど・・もしかしてこのパターンは!
「おおー!心の友よー!」
律先輩は澪先輩に抱きついて、澪先輩は『やれやれ』と呟いていた。
それを見たムギ先輩は『ぽ〜・・・』と自分の世界にトリップ。
憂は苦笑い。
唯先輩は・・・
「『うんうん。やっとわかり合えたんだね。律太君』(ダミ声)」
まだ変な声でコント?している・・・ていうか、律太君って律先輩の事ですか。ってあれ!?練習は!?
「どうした梓。みんなと一緒に律の家に行かないのか?」
いつの間にか、律先輩の家に行く事になった私達。結局、練習出来なかったよ・・・
ーーーーーーー
「はぁ・・・結局、律先輩の家に来てしまった・・・」
私達は律先輩の家に集合し、家庭科の宿題であるスカートを澪先輩がミシンで作っているのを見ていると・・・澪先輩上手だなー・・・手際よく、次々とスカートが出来上がっていた。
「あ、私、お手洗いに行きますね」
私は、先輩方にそう伝え、お手洗いに。すると、リビングの方から・・・
『おー・・・上手だね。ここっ!』
『お、お姉さんこそ・・・上手ですね。わっ!』
律先輩の弟である聡君と、唯先輩の声がしてきた・・・ええ!?ま、まさか!?そんな筈ないよね!?まさか、唯先輩って・・・わわわっ!
そろりそろりとリビングに近づくと・・・また声がした。
『ふふふ。私の実力はこんなものじゃないよ・・・それっ!』
『そ、そんな・・・ダメだよ・・・お姉さん・・・うっ!』
やっぱり唯先輩と聡君って・・・ええ!?聡君まだ中学生 ですよ、唯先輩!
でも、様子が見たいので、差し足忍び足で近づいて、リビングを見てみると、大きなテレビの前で唯先輩と聡君がゲームをやっていた。ってゲーム!?
「うん。あんな風に攻められたら上段攻撃がオススメだよ。聡君」
「へぇー・・・姉ちゃんには、そんな風に教えてもらってなかったですよ」
わ、私はなんて事を考えてしまったんだろう・・・いくらなんでも唯先輩が聡君と付き合う筈ないよね・・それにしても、格闘ゲームか。何だか、ギャップがあるな・・・唯先輩って・・・
ーーーーーーー
次の日の昼休み。澪先輩や律先輩と一緒にいた事で、知ったことを純に報告。
「へぇー・・・でも、寄り道しすぎだね。遊びに行っただけじゃん」
ち、違うもん!あの後、律先輩がご飯を作ってくれたのから、食べただけだもん!
「でも、美味しかったよねー。梓ちゃん。私、レシピ聞いちゃった♪」
「あ、そうか。憂は軽音楽部だもんなー・・・知ってて当然かー」
私は寄り道する為に部室に来た訳じゃないもん!次こそはやってやるぞ!カムバック私っ。
なんだか、自信無くしたな・・・
放課後。部室へと向かい、部室のドアノブを掴み・・・
ガチャ
トンちゃんを見ていた唯先輩を見つける。
「梓ちゃん。ちょっとコレ見てよ」
唯先輩はトンちゃん・・・いや、水槽に何らかの異常に気付いたのか、水槽に疑問があるらしんだけど・・・こ、今度こそ練習しましょうって言おう!ってあれ?水槽が・・・
「何だか汚いですね・・・」
「そうなんだよ。だから洗ってあげない?トンちゃんの為に」
「そうですね。じゃ、ホースを・・・」
はっ!このままだと、また先輩のペースに巻き込まれてしまう!ど、どうしよう・・・
練習を・・・練習を・・・
ーーーーーーー
私と唯先輩のお陰で水槽はピカピカになったんだけど・・・
でも、練習出来るよね?早速、練習をしましょうと促そうとしたんだけど、唯先輩が
「梓ちゃんに教えて貰いたい事があるんだよね。ムギちゃんの新曲なんだけど・・・」
唯先輩はカバンを漁り、楽譜を出し『この読み方って何?』と聞いてきたんだけど・・・って、そこからですか!?唯先輩!
「ーーーで、フィーネで終わりって感じですね」
「なるほどー。いやー。私はまだまだだなー。ギター弾いているのに、楽譜が読めないなんて、みんなに笑われちゃうよねー」
そうですよ唯先輩・・・一体、今まで何を学んでいたんですか・・・でも、本当によく掴めないなー。唯先輩って。頭はいいし、料理は出来るって憂が言っていたし、裁縫もミシンとか上手に使えるらしいし、絶対音感だし・・・なんだか唯先輩って完璧超人?って思う所もあるけど、こういう所が弱いんだって知ったら、唯先輩の新たな一面が見れたな。
「で、唯先輩が言っていた『最後はいい感じに』は、フェルマータですね」
「おお・・・何だか必殺技みたいだね・・・どこから出ると思う?」
必殺技って・・・唯先輩ってボケているのかな?とりあえず・・・
「目・・・ですかね?」
「おお・・・梓ちゃん、目とは・・・ロマンがあるねー。私は手のひらから『波(は)』が出ると思ったんだけどね」
何ですかこの意味の無い会話は・・・私達は結局、澪先輩達が来るまで雑談を交わしていった・・・って、練習はー!?