第7話
俺は12歳になり、中学へと当たり前のように進学して入学式が始まったのだが、俺は全校生徒の前に立たされている。なぜかというと・・・・
「ーーーだから私はこの中学時代を精一杯頑張ろうと思います。ーーーー入学生代表、平沢唯」
何だか知らないが小学校の教師やら中学校の教師やらが俺に入学生代表として無理やり押し付けたのだ。やれやれ、職権濫用だな。
「・・・ふぅ」
代表の言葉を終え、自分の席にもどり椅子に腰をかける。
ーーーー
式が終り、どっと疲れて机にべちゃっと体を休ませる。和も一緒の中学で一緒のクラスだったので嬉しい。
「お疲れ様ね。唯。それにしても唯が入学生代表なんてね。本当にびっくりだわ」
「あははっ。たくさんの人の前で発表するの緊張しちゃったなー」
俺はそういう人物だったが喋られない事は無い。
「くすっ。その割りには、一言も噛んでいないじゃない」
嫌味ですか?コノヤロー
まぁ、それはさておき。
「ねぇ、和ちゃん部活って何に入るの?」
そうこれは最大の問題である。友達曰わく、唯は中学何も入ってなかったらしい、だから俺も家でゴロゴロしてたい。ダメ人間だな俺。
「そうね、風紀委員って所に入ってみようかしら?唯は?」
な、風紀委員だと?なんとまぁ、真面目そうな事を・・・
「わ、私は入らないで家でゴロゴロしてたいなー、なんて」
「くすっ。唯らしいね」
なんだと?俺がまるでダメ人間みたいな言い草だな。
で、学校が終わり、帰宅すると・・・
「すごいねー唯ちゃん!入学生代表だったんだ!」
帰ってくるなり父親は俺に言ってくる。
「すっごいよね!お姉ちゃんって!」
憂もキラキラと笑顔を俺に向けてくる。俺はそんなに出来た人間ではないんけどな。
「ま、まぁねっ!」
胸を高々に、俗に言うえっへん!の体勢で言い張る。
「今日は赤飯よー、唯ちゃんが頑張ったからねー」
ーーーーー
食事が済み母親が何やら俺にプレゼントがあるそうだ。
「いつもリビングで勉強している唯ちゃんを見てね、勉強部屋が欲しい頃だと思ったのよー」
母親と共に二階のエリアへと向かった。そういえば、ここは三階建てで二階に部屋が何個かあったのだが、ガラーンとしていた事を思い出したが、いかんせんそれを見たのは何年も前だったので気にもしなかったのだ。
「ここが唯ちゃんの部屋よー」
ガチャンとドアノブの音と共に俺は絶句した。
ピンクがちらほら散りばめていて、熊のぬいぐるみとか、ピンクの目覚まし時計とか、それはもう
「・・・女の子みたいな部屋だね」
ポツリと本音を言ってしまうほどだ。
「何言っているのよ。唯ちゃん女の子でしょ?」
確かにそうだが・・・布団もあることだし、一人でゆっくり寝られるな。
今まで俺達は一緒の部屋で川の字の線が一本増えたような字で家族皆と一緒に寝ていたのだ。
「唯ちゃん、この頃頑張っているから部屋あげちゃった。」
「ありがとう!お母さん!」
一応言っておくが、ママは小学二年で卒業した。もちろんパパもだが、かなり拒否反応を起こしたが
「お父さん、私の事嫌いなの?」
ちょっと涙目で言ってしぶしぶ了解を得た。憂も俺の真似してママパパを卒業した。
「今日から毎日頑張るよ!お母さん!」
「うふふ。期待しているわ」