小説『誠の時代に』
作者:真田尚孝()

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ようやく沖田さんも幹部を呼びに行ったが、俺は土方さんと2人きりで残された。
なんだかとても気まずい……。
なんか話したほうがいいかな?


「あの、幹部の方って誰がいらっしゃいましたっけ?」

「あぁ?未来から来たんならわかるだろ?」


うぅ、そんな睨まないでくださいよ……せっかく話のネタにしようとしたのに。

来たばかりなのに早くも心が折れそうになっていると、廊下が何やら騒がしくなってきた。


スパァァァアン!!


またしても勢いよく開かれた襖は、勢い余ってちょっと閉まってしまった。
いきなり開かれた襖に俺がビックリしていると、またしても土方さんの怒鳴り声が部屋を包んだ。


「平助ェェェ!!お前にも勝手に戸開けるなといつも言ってるだろうがァァァ!!」


平助?じゃあこのちっさい人が藤堂平助?うわぁ……かなり童顔だなぁ。これならショタコンに人気なわけだ……。


「いいじゃん土方さん。細かいこと気にしない気にしない!!この人が総司が言ってた人?うわぁ……でっけぇ……」


藤堂さんは怒る土方さんを諸ともせず、俺を見て感嘆の声をあげた。
丁度立ち上がったところで入ってきたため、藤堂さんと並ぶ形になった。


「あっはっは!!平助がちっせぇだけだって」

「そうそう、ぱっつぁんの言う通りだぜ?平助」

「うるさいなぁ」


新たにまた2人入ってきた。
筋肉ムッキムキの彼はぱっつぁんと呼ばれていた。永倉新八か?なんか体育会系だな……あの豪快な笑い方からして暑苦しそう。

と言うことはもう1人は原田左之助か。
2人共かなりイケメンだなぁ……つか新撰組じゃない、壬生浪士組ってイケメン率高いな。
どこの乙ゲー?


「おー、ホントにでっけぇなお前!!島田さんといい勝負じゃねェか!!」


そう言って永倉さんは笑いながら俺の背中をバシバシ叩く。
ちょっ!!力抜いて!!痛い!!

だが未だバシバシ叩く永倉さんの手を、横からスッと伸びてきた他の手が掴んで叩くのを止めてくれた。


「……そこら辺でやめておけ。痛がっている」

「おっ、一か。おぉそうだったかすまねぇな」


永倉さんを止めてくれたのは、どうやら斉藤一のようだ。いやー、クールな人だな……。
しかもさりげなく優しいし。

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