小説『誠の時代に』
作者:真田尚孝()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

2人がいなくなった部屋では、近藤と土方の両名が唖然としたまま取り残されていた。


「いやぁ……これで安心だな、トシ」

「まぁな……これで山崎の心配もする必要がなくなったかぁ……あ、まだ誠太のがあった」

「む?二瓶君に何かあったのか?」


チッと舌打ちする土方に、近藤はニコニコと笑ったまま尋ねた。


「いや、アイツの悩みだけは絶対に尽きないってことだけさ……近藤さん、あんたに話してたら日を跨ぐぞきっと」


はぁ……と溜め息をつく土方。
近藤はニコニコしたままはてなマークを浮かべるだけ。


そんな2人のやりとりは誰も知らない。

-36-
Copyright ©真田尚孝 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える