小説『誠の時代に』
作者:真田尚孝()

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ふとボンヤリした意識から我に返りしっかりと前を見ると、すぐ前に猫がいるではないか。


「ヤバい!!」


猫と言えど轢くわけにもいかない。慌ててブレーキを踏みハンドルを切るがマンホールの上でハンドルを切ったらしく、車はスリップしてコントロールを失い歩道にある電柱へと突っ込んでゆく。


「!!!!」


思わず両手で顔を覆ったその時、まっしろい光に包まれたと思えば、体を妙な浮遊感が襲った。
そう、落下するときのあの感覚だ。衝突の衝撃ではなく何故落下の感覚が自分を襲っているのか、そんなこと俺は考えている余裕もなくただ悲鳴をあげるだけしか出来なかった。







「うわぁぁぁぁあっ!!」








……。

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