小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 Side:クロノス


 …来ましたノ〜ネ。


 「お前が依頼主か?」

 「如何にもなノ〜ネ。貴方が噂の闇のデュエリスト…」

 「そう、我が名はタイタン。闇のデュエリストだぁ。私への依頼は個人の事情に関わらず給料3か月分!」


 思いっきり、個人の事情に関わってる気がします〜ノ…でも、彼な〜ラ…
 「ターゲットはこの3人なノ〜ネ。やっていただけます〜カ?」

 「ふむ、子供が3人か…良かろう、相手が誰であろうとも私は背を見せない主義だ。
  では達成した後に又来るとしよう!」


 ――ズザザザザザザザ…



 こ、こっちを向いたまま…背中見せてね〜……ふっふっふ、プロフェッショナルなノ〜ネ。











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX12
 『幽霊寮にて御登場!』











 Side:はやて


 「そして突如巻き起こるポルターガイスト……白い壁に現われる『ごかいです』の血文字。
  机が飛び回り、硝子が割れ、遂に生徒の一人が悪霊に取り憑かれてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜…!」

 「いや〜〜〜!もう止めてくれっす〜〜〜〜!!!」

 「あ、もう限界?まだオチまで行ってないんだけどな〜?」

 「もう充分っす!てか如何考えても其れレベル6の怪談じゃないっす!!」

 「実を言うとその時取り憑かれた生徒の1人が私で、今も私の中には悪霊がぁぁぁ…」


 …こらそろそろ止めた方が良さそうやね。



 ――スパ〜ンッ!



 「った〜〜、何すんのはやて?つーかどっから出した、そのハリセン?」

 「レイジングハート突っ込みモードや。ちょおリアリティ出しすぎや裕奈。翔君マジ泣きしてもうたで?」
 見てみ?


 「うわ〜〜んアニキ〜〜〜!」
 「怖がり過ぎだぜ翔。たかが学校の怪談じゃないか。」


 「あ、マジだ。ゴメンゴメン、ちょっとやりすぎた。」


 だから言うたやろ。
 まぁ、私はもっと怖い話もOKやけどね?


 「それで、結局どうなったのでしょう?」

 「麗華ちゃん、其処で続きを聞くんかい!!」

 「だって気になるわ…ねぇ?」

 「雪乃ちゃんまで!?」
 あの実技試験以来、この2人はよ〜くレッド寮に……ちゅーか私と裕奈んとこに遊びに来るようになったな〜。
 ブルー生徒がレッド寮に来るんは珍しいから、上級生――特に隼人君が驚いとったなぁ…


 「ん〜、まぁ結局の所、悪霊なんかじゃなくて成仏できなかった生徒の霊で、
  誤解が解けた後は開かずの席の隣に座ってた新聞部の子の守護霊になったみたいだよ?
  今は…多分侵入不可な場所にも入っていけるパートナーって事でその新聞部の子と上手くやってんじゃないかな?」

 「成程。なんや、最後はほのぼのとカタがついたな。」
 ――てか裕奈、今のって前世の体験談やろ?

 ――正解。いや、マジに取り憑かれるとは思わなかった…


 ドンだけやねん麻帆良…まぁ海鳴とミッドも相当やけど…


 「おや?皆で、ブルーの生徒さんまで一緒に何をしているのかにゃ?」

 「大徳寺先生!怪談をやってたんだ。
  40枚のモンスターカードのデッキ作って、ドローしたモンスターのレベルに相応しい話をするんだぜ!」
 「今は裕奈がレベル6の怪談を披露してくれたんだな。」


 行き成り現われた大徳寺先生に十代と隼人君が説明。
 しっかし先生の飼い猫…ファラオ言うたっけ?相変わらず良く肥えたネコやなぁ…アレでネコらしい動きが出来るのか疑問やな。
 「そや、折角やし先生も如何や?アカデミアにも怪談の類は有るやろ?」

 「そうだにゃ〜…うん、此れは真しやかに囁かれている比較的新しい噂なのにゃ。
  2年前まで特待生用として使われていた廃寮が島の一画にあるのにゃ、通称『幽霊寮』。
  その寮が廃寮になったのは、原因不明の事故で生徒が行方不明になり、建物が大きく損壊したせいと言われているにゃ。
  でも、今は立ち入り禁止となったその場所に立ち入った生徒の中には行方不明になってしまった者が居ると言われているのにゃ。
  実際にはそんな事はないのかもしれないにゃ。
  …けどもし行方不明になってしまった生徒が存在しなかった事になり誰の記憶からも消えていたとしたらこれ程怖いものは無いのにゃ…」


 うわお…其れは確かに恐怖やな……


 「さ、流石は先生…私の上を行くね…」
 「あの廃寮にそんな噂が有るとは知りませんでした…」
 「でも、何処と無くミステリアスでぞくぞくしてくるわ…」


 「ま、そんな訳で幽霊寮には近づかない方が良いと思うのにゃ。
  それじゃ、あまり遅くならないうちに寝るのにゃ。それじゃ、又明日なのにゃ。」


 はいは〜い、ほなお休みなさい。
 「えぇ時間やし、ここらでお開きにして私等も休もか?雪乃ちゃんと麗華ちゃんは私等の部屋に泊まっていくとえぇよ。」



 ――Pipipipipipi



 ん?PADが…あ、裕奈のか。


 「と、明日香からだ。何だろう?はい、裕奈だけど………誰アンタ?」


 明日香ちゃんや無いんか?


 「は?何言ってんの!?……ちょ、ふざけんなって!…デュエルで?はぁ?十代とはやても一緒に!?
  ……分かったわよ…場所は……マジで?……行くに決まってんでしょ!明日香に変な事したら只じゃおかないぜ!
  …上等、今から行くから、首洗って待ってろ!!」


 ――プッ


 「裕奈、ドナイした?」

 「…明日香が攫われた!今のは犯人から。登録してある名前の一番最初が私だったからかけたって…」

 「「「「「!!!」」」」」


 明日香ちゃんが誘拐されたやと!?
 何で又…いや、其れよりも相手の要求は何や!


 「私とはやてと十代が目的みたい。明日香を返して欲しければ幽霊寮まで来てデュエルしろって。」

 「うげ…よりにもよって今怪談話聞いたばかりの幽霊寮かい…せやけど行かない訳にはいかんよね?」
 ま、確認するまでも無いけどな?


 「当然でしょ!つーか人質とってデュエルを強要とかなに考えてやがるってとこっしょ?」
 「デュエルは楽しんでやるものだぜ?」


 やっぱそう来るよな?
 電話の感じやと今から出撃するんやろ?…いっちょ返り討ちにしたろやないか!
 「ほな行こうか?…翔君と麗華ちゃん達はドナイする?呼び出されたんは私等だけみたいやけど…」

 「あ、アニキが行くなら僕も行くっす!それに明日香さんのピンチは見逃せないっす!!」
 「お、俺も行くんだな!!」
 「私も同行します。この様な卑劣な輩…見過ごせません。
  ブルー寮の方には外泊届けだしてあるので問題ないですし。」
 「私も行くわ……黙っては居られないもの。」


 其れでこそデュエリストや!よっしゃ、突撃や!!








 ――――――








 Side:裕奈


 つー事でやってきたけどさ…
 「実際来てみると相当に不気味だね此れ…廃寮どころか此れじゃ廃墟だよ…」

 「ホントだぜ。ん?何だ此れ……写真?」


 写真…だね。うん、中々のイケメン。
 此れはサイン?『10Join』……何のこっちゃい…


 「若しかしたらこれで『テンジョウイン』と読むのではないでしょうか?
  10は英語で『テン』と言いますから。」

 「あ〜成程な。ん?って事はこの人は明日香ちゃんと何か関係がある人…?
  !!まさか、さっき大徳寺先生が言っとった行方不明になった生徒って明日香ちゃんの兄妹なんか!?」

 「有り得るかも知れないわ…行方知れずの兄の手掛りを探しに此処に来て何者かに襲われた…可能性としては充分だわ。」


 確かに…だとしたら明日香は完全にとばっちりじゃん!
 つーか、犯人は私等に何の用が有る訳?


 「アニキ、皆、此れを見てくれっす!」

 「どうした翔!…此れは明日香の『エトワール・サイバー』!」

 「「「「!!!」」」」

 「それだけじゃないぞ、カードが他にも何枚も等間隔で落ちてるんだな!」


 道標って事ね…手の込んでることで!
 上等、乗ってやるわよ!



 「どうやら、地下の方に続いてるようですね…不気味な…」

 「だよね、暗いし。ねぇ十代、スパークマンで明るく出来ない?」

 「いや、流石に無理だって。」


 ですよね。
 っと、着いた着いた……此れは如何にもって感じだねぇ…明日香は?


 「ぬははははは…待っていたぞ諸君。」


 む、この特徴的な声は…
 「犯人はアンタだったのか…穴子君!」

 「こないな事するなんて思わなかったでメカ沢!」

 「目的は何だセル!」

 「明日香さんを返せっす、ルガール!」

 「人質は卑怯なんだな、パイパー!」

 「余り誉められた行為ではありませんよ音速丸さん。」

 「誘拐は良くないわジョニー。」


 三者三様見事にバラけたね〜。


 「ぬわにを言っている?我が名はタイタン…闇のデュエリストだぁ。」


 闇のデュエリスト!…流石は若本、言う事が違うぜ…
 「…明日香は何処よ?」

 「心配するぬぁ、手荒な真似はしていない。今はねむっているがな。」


 ――パチンッ


 壁に立て掛けてあった棺桶が開いて……明日香!!


 「さて、さっきも電話では言ったが、彼女を取り返したくば私と闇のデュエルで勝負するのどぅあ。
  参加資格があるのは明石裕奈、八神はやて、遊城十代の3人!それ以外は大人しく見ているのだ〜。」


 さっきの電話で分かってたけど、目的は私とはやてと十代か…
 売られた以上は勿論買うけど…
 「…誰からやる?私から出ても良いんだけど…」

 「俺もやりたいぜ!」

 「私も行きたいなぁ?」


 だよね。じゃ、此処はお決まりで、
 「じゃんけんで決めよっか?勝った人がデュエルするって事で。」

 「異論無しや!」

 「俺も其れで良いぜ。」


 それでは…


 「「「最初はグー、じゃんけんポン!」」」


 結果は…私と十代がパーではやてがチョキ…ま、負けた…!
 でもま、この面子なら誰が出ても負けることは無いと思うけどね。


 「ちぇ〜…負けか〜。」

 「はっはっは、私はじゃんけん強いで?ま、2人の分もやってくるわ!」


 頼んだよ!



 「ほう、お前からか八神はやて〜。良かろう、お前から闇のデュエルの餌食にしてくれるぃ!」

 「やれるモンならやってみや。アンタが裕奈や十代と戦う事は無い。此処で私に倒されるんやからな!」

 「生意気な小娘ぐぁ!後悔させてやる〜〜!」

 「御託はいらんわ!行くで…」


 「「デュエル!!」」


 はやて:LP4000
 タイタン:LP4000




 「手加減無用だ、やっちまえ!」
 「頑張れよはやて!」
 「明日香さんを助けてくれっす!」
 「気張れ、はやて〜〜!!」
 「そんな輩には負けないで下さい。」
 「やってしまいなさい…」


 「任しとき!バッチリやって見せるわ……夜天の主の名に賭けて!
  私のターン!カードを2枚伏せ、魔法カード『煉獄の契約』発動!
  手札3枚を全て捨て、其の後捨て札の中からインフェルニティを特殊召喚する。
  現われや『インフェルニティ・ジェネラル』!」
 インフェルニティ・ジェネラル:ATK2700


 「ターンエンドや。」


 はやてが負けるとは思わないけど、闇のデュエル……何を仕掛けてくるか分かんないかんね…

 気をつけてよはやて…


 「私のターン。魔法カード『おろかな埋葬』。この効果でデッキからモンスター1体を墓地に送る。
  私が墓地に送るのは『ヘル・エンプレス・デーモン』。
  更にフィールド魔法『万魔殿−悪夢の巣窟−』発動。
  そしとぅえ、『インフェルノクインデーモン』を守備表示で召喚!」
 インフェルノクインデーモン:DEF1500


 「マダマダ、魔法カード『死者蘇生』!蘇れ『ヘル・エンプレス・デーモン』!」
 ヘル・エンプレス・デーモン:ATK2900


 「バトルだ!ヘル・エンプレスでインフェルニティ・ジェネラルを攻撃!」

 「悪無い攻撃やけど、墓地の『インフェルニティ・ビショップ』の効果。
  手札0でこのカードが墓地に存在する場合、私のフィールド上のモンスター1体は破壊されへん!」


 よっし、流石はやて!
 戦闘ダメージは喰らうけど破壊不能の上級モンスターは次に繋がるよ!


 「小賢しいことを…だがダメージは受けてもらう!!」


 ――ズシャァァ!


 「く…せやけど200ポイントくらい如何って事無いわ!」
 はやて:LP4000→3800


 そうそう、200ポイントくらい…って!
 な、え?嘘でしょ!!
 「はやて!!身体が!!」

 「へ?身体…って何やねん此れ!!身体が一部消えとる…?」


 ど、どうなってんの?
 若しかして『闇のゲーム』ってマジ…!?



















   To Be Continued… 

-12-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




「遊戯王デュエルモンスターズGX」EDテーマ「Wake Up Your Heart」
新品 \1260
中古 \125
(参考価格:\1260)