小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:裕奈


 「魔法…随分ミステリアスでファンタスティックなのね貴女達。」
 「にわかには信じがたいのですが…この状況を見ては否定が出来ません…。」


 だよね。
 はやてが若本ぶっ倒して、レッド寮に戻った私達は、大雑把にだけど雪乃んと委員長に魔法の事とか説明。
 レイハにも手伝ってもらって、エフェとなのは達を見えるようにしたら流石に驚いたみたいだね。
 ……おかげで信じてくれたんだけどさ。

 「せやけど2人とも順応性高いな〜。私なんて初めて魔法的なモン見たときは驚いて目ぇ回してもうたのに。」

 「私の場合は周りがアレだったからねぇ…」
 本気でどんだけだい麻帆良…。
 まぁ、それは良いとして。


 『えっと…はい、できました♪』
 『ありがとうツヴァイ。主とお前と同じ髪留めか、悪くないな。』
 『えへへ、此れでお姉ちゃんも私とはやてちゃんとお揃いです♪』


 何やってんの君達は…てか精霊でも髪留めとか後から着けられんの!?若しかして何でもありか!?

 『あり。カードイラストは変らないけどね♪』
 「It's so.」

 そうなんだ…にしてもエフェとレイハ、アンタ等仲良いねぇ…











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX14
 『罰則は制裁デュエル?』











 ってのが夜中の話で、今は朝!今日も一日頑張るぞ〜!って感じだったんだけど…

 「何で私等こんなとこに居るんだろね?」

 「何でやろなぁ?まぁ、後ろに控えてる軍人風の人達に拉致られたからやな。」

 だよね。
 早朝行き成り押しかけてきて、拒否権無しの強制連行とか私等何かしたっけか?
 しかも十代と翔君まで一緒だし、雪乃んと委員長と明日香まで来てる。

 学園長室まで拉致って何の用だっての…
 てかこの人が学園長だったんだ…入学式の長ったらしい話は教頭だったのね。


 「うぅん。端的に聞きますが、君達が廃寮…通称『幽霊寮』に忍び込んだと言うのは本当ですか?」

 あ、やっぱしばれてた。
 まぁ、隠し通せるとは思ってなかったけど、思った以上に情報が早い事……朝倉もびっくりだねこりゃ。
 ってもどうしよう?下手に嘘付いてもばれるだろうし…ぶっちゃけるか。
 「はい、本当です。
  私のPADに正体不明の男から通信が入り、明日香を預かったから帰して欲しかったら幽霊寮まで来いって。」

 「ホンで明日香救出であそこに行ったんや。あくまで救出目的やで?」

 「あんな場所を指定するアイツが悪いぜ。」

 「イカサマ師っすからね…」

 そうそう。
 立ち入り禁止区域に入ったのは悪いかもだけど、今回は非常時の緊急措置、不可抗力だってーの。

 「あの、発端は私が廃寮に入ったせいなので彼等への処罰と言うのであれば其れは不当です。
  受けるべきは私でしょう?」

 「学園長、そもそもあのような不審人物の不法侵入を許してしまうこの学園のセキュリティに問題が有るのではないでしょうか?」

 「あんなのが又出てきてしまったら安心して夜は眠れないわ…」

 おぉ…流石に明日香は真面目だね〜。
 けどそれ以上に、委員長と雪乃んナイス!!
 そーだよ、若本が侵入してくるようなセキュリティに問題あんじゃないの?




 ――若本とぅぉ言うぬぁ!




 何か聞こえたけど無〜〜視!
 「ま、違反したのは事実だから否定もしねーけどさ、
  処罰にしてもその辺の事情を汲み取って欲しいな〜って思うわけです。」

 「それになぁ、呼び出すんやったら普通に校内放送すりゃえぇやん?どしてこないな軍人さん使うかな?」

 「「「「確かに。」」」」

 普通だったら此れだけで問題になりそうだよね。
 つってもアカデミアも麻帆良に負けず劣らず普通じゃね〜んだけどね…

 「ちっちっち、甘いです〜ノ!貴女達〜がコソコソ逃げないようにの非常手段なの〜ネ。」

 「…別に逃げないぜ?なぁ?」

 「せやなぁ…」

 「呼び出し位じゃねぇ?」
 その辺は普通に考え無いのかい白塗り先生…で、結局違反罰則の方はどうなんの?

 「フン、進んで罰を受ける姿勢だけ〜は、評価してやるの〜ネ。それでは罰の方を発表するの〜ネ!
  先ずは全員、今週中にデュエルに関するレポートを300枚提出するの〜ネ。
  デュエルに関することなら〜バ、内容は問いません〜ノ。」


 「ウゲッ300枚もかよ!」
 「しかも今週中っすか…!?」

 「あ〜〜流石にキツイねこりゃ。」
 「まぁ、しゃ〜ないやろな。」

 ま、気合入れてやりますか。

 「其れとは別〜ニ!」

 まだアンの?

 「天上院明日香、原麗華、藤原雪乃の3名〜は、3日間の謹慎とするの〜ネ!宜しいです〜カ?」

 「はい…其れ位は甘んじて受けます。」
 「仕方ないわ…退屈だけれど…」
 「デッキの調整でもしますか…」

 3日間の謹慎か〜…結構来たね。
 ん?て〜と私等にも未だなんかアンの?てか絶対有るよね?

 「せやろな。しかもブルーで謹慎3日やったら私等ドンだけのが来んねん…」

 「だよね…」
 絶対ロクでも無いのが来るよね〜…


 「そし〜て、明石裕奈、八神はやて、遊城十代、丸藤翔の4名〜は此方が用意したデュエリストとデュエルなの〜ネ!
  形式は2vs2のタッグデュエ〜ル!誰と誰が組むか〜ハそちらで決めて良いです〜の。
  しか〜し、このデュエルに負けたら、退学してもらう事になるの〜ね!」


 「「「「退学!?」」」」

 マテコラ白塗り!退学って何でよ?いや、負けるつもりは無いけどさ!
 違反の罰則にしちゃ重すぎっと思うんだけど!

 「ふん、何を言います〜ノ!
  本来なら〜ば、最下級の彼方達オシリスレッドの生徒なん〜テ違反即退学でもおかしくないノ〜ネ!
  其れを『制裁デュエル』と言うチャンスをあげたのですか〜ら、感謝してもらいたいの〜ネ!」

 こ、この野郎…
 「おい、黙れ白塗り。」

 「少し頭冷やそか?」

 はやても怒るか…そりゃそうだよね。
 つーか何処まで非エリートを見下せば気が済むのよ…!
 「何度も言うけど私等が最下級なのは認めるよ、実際そうだしさ。
  でも、その最下級の連中に負けたのは何処のどいつよ?
  それに、レッド生の中にはアンタがカード渡したブルー生徒に勝ってる人が居るんだけど?」

 「それとも何か?最下級の生徒は勝っても全部まぐれとでも言う気なんか?
  せやったらアンタのデュエリストレベルも高が知れとるわ。
  ついでにそんなにエリートが好きなら、外部入学廃止して初等部からの生え抜きだけで学園成り立たせればええ。
  そないな事したら結果としてデュエリストの質が下がる事は目に見えとるけどな。」


 「ちょ、八神さん、明石さん!?」
 「言うわね…なかなか素敵よ…」
 「2人とも、少し落ち着いて!」

 「うっわ〜…物凄い啖呵切ったっすね…」
 「2人ともスゲェ。」

 皆驚いてんね…雪乃んと十代は何か違うけど。
 でもしょうがないよ、マジでムカついた。
 室内じゃなかったらなのはとダブルブレイカーかましてる所だよ!

 「ぐぬぬ、レッドの分際で生意気〜ナ!そんなに退学になりたいのな〜ラ今すぐ退学にしてやるの〜ネ!」

 「ほざけやアホンダラ。アンタが私等退学にしたいだけやろ!」

 「出来るモンならやってみろっての。あんたに其処までの権限がアンならね!」
 売り言葉に買い言葉?知るかっつーの。
 私もはやても、こうなると退く事なんてまず無いかんね。


 「うおっほん。少々落ち着きましょう。」

 「鮫島校長〜〜!?」

 「「校長先生…」」

 流石に校長の言う事は聞くんだ。…当然か。

 「些か言い過ぎですよクロノス先生。其れに制裁デュエルは退学させるのが目的ではありません。
  後が無い状態に追い込んで、どれだけ生徒が『背水の陣』で力を発揮できるか見るものでしょう。
  実際に過去に制裁デュエルの敗北で退学になった生徒は居ない訳ですからね。」

 あ、そうなの?…おい、如何言う事だ白塗り…

 「校長〜〜〜。しか〜し、廃寮は厳重な立ち入り禁止区域です〜の!
  そこへの無許可進入は相応の罰が必要なの〜ネ。」

 「ならばこうしましょう。制裁デュエルで負けたら有無を言わさず即日退学。
  ただし如何なる状態でも勝てば無罪放免。
  全員のレポート300枚と、ブルー生徒3人の謹慎も帳消し、この件に関する一切は不問としましょう。どうです?」

 「私は異議なし。」
 「私も異議なしや。」

 「俺も其れでいいぜ!翔も良いよな?」
 「うぇっ!?いやその…てか良いも何も無いじゃないっすか!やるしかないっす!!」

 対象者は一応全員異議なしだぜ?如何する白塗り!!

 「…分かったの〜ネ。それで手を打ちましょ〜ウ。でも覚悟するの〜ネ!
  伝説のデュエリストに匹敵する人達を連れてくるの〜ネ!!」

 上等!それくらいじゃなきゃ面白くないぜ!
 「でも、せめて地上目よりは強いの連れてきてよ?」

 「せやな。あんまし弱いと拍子抜けや。そやろ十代?」

 「勿論!どうせなら強い奴とやりたいぜ!」

 つーわけよ。
 どっからでも掛かって来いっての!


 「小癪な…精々吼えておくの〜ネ!!」


 ――バタン!


 捨てゼリフ残して行っちゃったよ…。
 けどまぁ、どうやっても負けられないデュエルが決まったからね…特訓、しますかね?

 「せやな。誰と誰が組むにしても特訓は必要やしね。」

 「そうと決まれば、早速やろうぜ。…アレ?でも何処で特訓するんだ?」

 何処でって…良い場所があるじゃん!
 早速行ってみよっか!








 ――――――








 Side:はやて


 てな事でやってきたで『札屋・吉良アカデミア出張店』。
 制裁デュエル組だけやなくて、隼人君に、明日香ちゃん、雪乃ちゃん、麗華ちゃんに途中で準も一緒にな。

 「退学を賭けた制裁デュエルとは…大変な事になったな。」

 「まぁ、貴様等が負けるとも思えんが、クロノスとやらは中々の阿呆だな?器の小さい事だ。」

 言うなぁエヴァちゃん。
 まぁ、負ける気はあらへんよ?

 「で、態々俺の店に来た用件はなんだ?カードを買いたいってんなら好きに店内を見てくれ。
  デュエルディスクの修理・改造も受け付けてるぞ?」

 「それもええんやけど、店長ってデッキ構築趣味やったろ?やったら色んなデッキ相手に特訓できるかなぁ思て。」

 「私とはやてはタッグデュエルやったことは有るけどそんなに経験が有る訳じゃないし、十代と翔君は始めてっしょ?」

 「初めてっす。」

 「俺も。でもタッグデュエルで、しかも相手が伝説のデュエリストレベルなんてワクワクするじゃないか!」


 …うん、分かってたけど再確認、十代の脳味噌は100%デュエルで占められとるな。
 まぁ、それはいいとしてや、店長もエヴァちゃんもデュエルは強いんやろ?
 せやったら特訓の相手になって欲しいんやけどなぁ?

 「別に良いぞ?…エヴァも構わないよな?」

 「構わん。こやつ等を扱き上げるのも面白そうだ。」

 うん、思ったとおり即了承や。
 身近にこないなデュエリストが居るんやから恵まれてるよなぁ?

 「特訓か、なら俺も手を貸そう。速攻型のパワーデッキ対策くらいにはなるだろう。」

 「私も付き合うわ。本を正せば私が廃寮に行ったのが原因だし…」

 準と明日香ちゃんも、おおきにな。

 「私達も付き合いますよ。」

 「彼方達が居なくなったら退屈してしまうわ…」

 「サンキュ、委員長、雪乃ん。」


 ホンマ、私等は恵まれてるなぁ…
 何が何でも負けることは出来へんね!

 「よっしゃ〜〜!それじゃあ早速デュエルしようぜ!!」

 「良かろう、掛かってくるがいい!」

 …で、何でエヴァちゃんは私等よりテンション高いんやろね?

 「誰かを扱き上げんの好きだからねエヴァちんは。ネギ君も相当にやられてたし。
  つーか十代は相変わらずだよね…」

 「ホンマやね。」
 まぁえぇけどな。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ・・・・・

 ・・・



 てな訳でデュエルの特訓始めたんやけど…

 「手札より魔法カード『死者融合−フェイル・フュージョン』発動!
  私のフィールド又は墓地から融合素材モンスターをゲームから除外し、
  アンデッド族の融合モンスターを融合召喚する!
  私は墓地の『バーサーク・デッド・ドラゴン』を含むアンデッド族4体を除外し…
  現れろ『キメラデッド・バーサーク・ドラゴン』!」
 「グゥゥゥゥゥ…!」
 キメラデッド・バーサーク・ドラゴン:ATK4000


 エヴァちゃん又凄いもん出してきたなぁ…


 「キメラデッドは融合召喚に成功したとき、融合素材にしたモンスターの数までフィールド上のカードを破壊できる!
  私が使用したモンスターの数は4体!よって丸藤翔、貴様のフィールドのカードは全て破壊される!」

 「えうえぇえ!?」

 「トドメだ!キメラデッドでダイレクトアタック!『ヘルレイズ・プレッシャー』!」

 「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
 翔:LP2000→0


 圧倒的や…予想以上にエヴァちゃん強いなぁ?

 「マジでね。つーか4000で召喚時の複数破壊とかドンだけよアレ…」

 「普通にチートレベルや。攻撃力固定やしね。」
 せやけど今のデュエル…翔君が一瞬戸惑ったように見えたけどドナイしたんやろ?
 デッキそのものは『ロイド』を使った機械族で、デュエルの腕前もそない悪くなかったけど、あの戸惑いの後に行き成り…


 「おい、丸藤翔手札を見せろ。」

 「うえ、ど、如何してっすか!?」

 「いいから見せろ。貴様に拒否権はない!」

 おぉう、エヴァちゃんが絶対命令モードや。
 此れは逆らえへんね。

 「う…」

 「…………オイ貴様如何言うつもりだ?やる気がないのか?」

 「どったのエヴァちん?」

 「穏やかなやないなぁ?」

 「やる気って…翔は頑張ってたぜ!?」

 「フン、序盤はな。だがコイツは途中から目に見えて戦術が悪くなった。見てみろコイツの手札を。」


 手札て…………え?
 「な、何で!?如何して此れ使わへんかったの!?」

 「此れ使ってたら勝ってたじゃん!」

 「翔、何で…」

 私だけじゃなく裕奈と十代、つられて見た麗華ちゃん達も驚いてる。
 当然や、翔君の手札には機械族最強の融合カード『パワー・ボンド』があったんやから。
 此れを使って『ジャンボドリル』を融合召喚しとったら守備表示の『魂を削る死霊』を攻撃して勝てた筈や。
 其れなのに何でや…?

 「無理っす…僕にこんな強力なカード使いこなせるはずないっす!!」

 「何だと!?だったら使えもしないカードを何故デッキに入れてるのだ貴様は!!」


 お守り代わりに…ってのも有るかも知れへんけどそないな感じやないしなぁ…?


 「……お前の兄が関係してるのか丸藤翔。」

 「翔の兄貴が?如何言う事だ万丈目?」

 「オベリスクブルーのカイザー『丸藤亮』。現在のアカデミア最強と言われているデュエリストだ。
  カイザーのデッキは機械族。そしてその切り札は『パワー・ボンド』だ。」

 「「「!!!」」」

 何と…そないな人がお兄さんやったんか…
 若しかして、偉大なお兄さんの事がコンプレックスになっとるんか?

 「当たりっす。
  僕はお兄さんみたいにはなれないっすよ…『このカードで相手をリスペクトできるデュエリストになれ』なんて無理っす…」


 あっちゃ〜〜…何でそないなプレッシャーかけとんねん…

 「完全に逆効果だよね。てか若しかして翔君が自信無いのってお兄さんのせい?」

 「間違い無いやろな。偉大すぎる兄に萎縮してんのや…」
 難儀すぎんでホンマに…


 「身内が凄すぎるコンプレックスと言うのも分からなくはありませんが…」

 「坊やとカイザーは別でしょう?」

 麗華ちゃんと雪乃ちゃんもフォローしてくれてるけど効果は薄いやろなぁ…
 店長どないしよか?

 「少なくとも俺達じゃどうしようもないな。坊主が自分で乗り越えなきゃならない問題だしな。」

 「やろなぁ…」
 せやけど、このままやったら本番のデュエルでも実力発揮できん事になってまう…
 折角のデッキと腕前が発揮出来んままに終わったら勿体無いで?


 「つっても難しいよね。」

 「自信を付けるとは行かなくても、せめて『デュエルを楽しむ』位にならんときつすぎるぞ…」

 やなぁ…う〜ん…六課時代でもこないに悩んだ事なかったんと違うかなぁ?
 まさかなのはちゃんに『全力全壊』で一撃かましてもらうわけにもいかへんし…

 「なぁ翔、おまえ兄ちゃんの――カイザーのデュエルってちゃんと見たこと有るのか?」

 「えっ?いや、全部見たことは無いっす。でもいっつも圧勝だった気がするっすよ…」


 十代?行き成り何を?
 何か考えが有るんやろか?


 「よっし!だったら俺がカイザーとデュエルするぜ!」

 「えぇぇえぇ!?」

 「「「「十代!?」」」」

 「遊城さん!?」
 「十代坊や?」

 「ほう…?」
 「言うな坊主…良い意気だ!」


 いやいやいや、マテや十代!なしてカイザーとデュエルって発想になんねん!!

 「だって翔はカイザーのデュエルをちゃんと見た事無いんだろ?
  勿体無いじゃないか、そんな凄いデュエリストのデュエルをちゃんと見た事無いなんて。
  それに一度ちゃんと見てみないと、カイザーがどんな気持ちでデュエルしてるかなんて分からないぜ?」

 「あ〜…一理あっかも。」

 「言われてみれば。」
 だけどや、そないな人と行き成りデュエルは出来んと思うよ?


 「それなら大丈夫だ。カイザーの奴はこの間ディスクの調整を依頼して行きよった。
  今日取りに来るはずだ、運が良いな貴様等。」

 「なんちゅうタイムリー…タイミング良すぎやろ…」

 「マジだね。」



 ――カランカラン



 「噂をすればなんとやら。らっしゃい、調整は済んでるぞカイザー!」

 「あぁ、手間をかけさせるな店長。」

 「構わんよ、仕事で趣味だ。」


 うわお、これまたタイムリーでご来店や。

 「…翔、久しぶりだな。調子は如何だ?」

 「お久しぶりっす……うん、マズマズっすよ…」

 「そうか…」


 …何か会話少ないなぁ?
 疎遠とまでは行かなくとも上手く行ってないんやろか…
 けどなぁ、普通やったらちょっと居辛い雰囲気やけど十代は…


 「カイザー、俺とデュエルしてくれ!」

 こうなるわな。
 時たまこの究極デュエル脳味噌が羨ましくなんで!?

 「君は確か『遊城十代』だったか?何故俺とデュエルを?」

 「アンタ強いんだろ?目の前に強いデュエリストが居るのにデュエルしない手は無いぜ!
  それにさ、翔はアンタのデュエルをちゃんと見た事無いらしいじゃないか。勿体無いだろそんなの?
  だからさ、アンタの本気のデュエルを翔に見せてやって欲しいんだ!
  まぁ、俺もデュエルしたいのは本音だけどさ。」

 「…良いだろう。正直俺も君達とはデュエルをしてみたいと思っていた。
  中等部からの万丈目、そして外部受験の明石、八神、十代……今年の1年は中々だからな。」

 カイザー…アンタもアンタで…
 せやけど、案外良い刺激にはなるかも知れへんね?

 「かもね。はっきし言って私もはやても十代も、あと準も同学年には敵イネェからね。」

 「ここらでアカデミア最強の実力を拝んでおくのも良い経験か…」

 「そやなぁ。よっしゃ、そうと決まれば早速やろか?十代は聞くまでも無いと思うけどカイザーも良いやろ?」
 てかやる気やったしな?


 「あぁ、構わない。……外に出ようか十代。」

 「おう!」


 「あ、アニキ!お兄さん!!」


 翔君、やっぱしちょっと抵抗あるんかな?
 せやけど、一度ちゃんと見とき?きっと其れはマイナスにはならん筈や。

 カイザーが翔君に何を伝えたかったのか分かる筈や――きっとな。



 「行くぜカイザー!」

 「来い十代。」


 「「デュエル!!」」


 十代:LP4000
 カイザー:LP4000



 ともあれ、賽は投げられた。
 出るのは、一体ドナイな目やろな…













   To Be Continued… 






 *登場カード補足




 キメラデッド・バーサーク・ドラゴン
 レベル10    闇属性
 アンデッド族・融合/効果
 「バーサーク・デッド・ドラゴン」+アンデッド族モンスター1体以上
 このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
 このカードの融合召喚に成功したとき、融合素材にしたモンスターの数まで、フィールド上のカードを破壊できる。
 このカードは融合素材にしたモンスターの数まで相手モンスターと戦闘を行える。
 ATK4000    DEF0



 死者融合〜フェイル・フュージョン
 通常魔法
 自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
 アンデッド族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

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