小説『夜天と勇気と決闘者』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:裕奈


 ソニックフェイトも吃驚の速度で現れた『セブンスターズ』第一の刺客『ダークネス』。
 なんつーか分り易い名前だねマッタク。

 最初の相手に選んだのは十代ってか。
 まぁ、多分十代は負けねーと思うけどね?

 にしても…

 「センス無いよね?」

 「せやな。まぁ、百歩譲って全身黒ずくめは良いとしてやで?あの仮面はアカンやろ?」


 だよねぇ…?
 ぶっちゃけ私的にはあの仮面は死刑に値すんだけど?

 けど、服装と変な仮面は兎も角としてデッキは評価できると思いませんかねはやてさんや。


 「一理あるな。このご時勢に『真紅眼』とは敵ながらに天晴れや!」


 やっぱしそう思うよね!
 尤も、あの真紅眼はレアリティ落とした『焼き直し版』だけどさ。

 それでも、真紅眼デッキってのは中々…

 さて、先手を取られたけど、どうする十代?











  遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX38
 『最初の刺客は真紅眼』










 十代:LP1600

 ダークネス:LP4000
 真紅眼の黒竜:ATK2400



 Side:十代


 くっそーー、初っ端から良いの貰ったぜ。
 まさか先攻1ターン目から真紅眼の火力コンボ決めてくるなんてな。

 しかも、ダメージがマジで来る――此れはきついぜ。
 でも、デュエルである以上は負けられない!



 って、其れは兎も角流石に熱い。
 火山の熱は半端じゃないな…何ではやてと裕奈は平気なんだぁ?


 「あ…そかそか、十代!」


 はやて?
 何を投げて……アレ、これってレイジングハートって言う奴か?


 『Hello Boy.』


 おぉ…本当に喋った。
 で、此れを渡されてどうしろって言うんだよ?


 「セットアップ言うてみ?」

 「へ?『セットアップ』?」

 『All right.Standby, ready.Set up.』


 おわっ!!な、なんだぁ!?
 イキナリ光が溢れて…!

 アレ?制服がなんか変わった?其れに熱さを感じなくなったぞ?


 『It's “Barrier Jacket”』


 バリアジャケットってはやてが着てるみたいなやつか。
 成程、此れなら暑さも気にならないぜ!サンキューはやて!


 「えぇよ。せやけどバッチリ勝ってや!」

 「先ずは勝って勢いつけようぜ!」

 「おう!必ず勝つぜ!」


 応援された以上は勝って見せるぜ。
 ダークネスのフィールドには真紅眼が1体……けどこの手札なら行けるぜ!

 「俺は『E・HERO バブルマン』を守備表示で召喚!」
 E・HERO バブルマン:DEF1200


 「バブルマンの召喚に成功したとき、フィールドに他のカードが無ければデッキからカードを2枚ドロー出来る!
  …そして、マジックカード『融合』発動!フィールドのバブルマンと、手札のウェイブマンを融合!
  氷結の力を宿した戦士よ、無限の氷河で敵を砕け!融合召喚『E・HERO アブソルートZero』!!」
 『ハァァァァァァァ!』
 E・HERO アブソルートZero:ATK2500


 へへ、此れで真紅眼の攻撃力は上回った。
 更にウェイブマンの効果でデッキから『融合』を手札に加えるぜ!


 「行き成りアブZeroと来たか…」

 「最速融合、流石やね十代。」


 融合は俺の十八番だからな。
 行くぜダークネス!アブソルートZeroで真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)に攻撃!凍てつけ『瞬間凍結(フリージング・アット・モーメント)』!!


 ――ガシャァァン!!


 「むおぉぉぉ…!」
 ダークネス:LP4000→3900


 真紅眼撃破!
 100ポイントだけだけど削ってやったぜ!

 「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 「やってくれる…私のターン!手札から魔法カード『思い出のブランコ』を発動。
  自分の墓地から通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。蘇れ『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)』!!」
 『ガァァァァ!!』
 真紅眼の黒竜:ATK2400


 く、又真紅眼が…!
 けど攻撃力はZeroの方が上だ!
 其れに強化してもZeroを破壊したらお前のフィールドががら空きだぜ!


 「分っている。だが、其れが何時まで持つかな?装備魔法『魔霊水晶・紅』を真紅眼の黒竜に装備!
  このカードは真紅眼の黒竜にのみ装備できるカード。そして装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする!」
 真紅眼の黒竜:ATK2400→3000(魔霊水晶・紅 装備)


 「攻撃力3000!」

 1ターンでかよ…コイツ、やっぱ半端じゃないぜ!


 「驚くのはまだ早い。魔霊水晶・紅を装備した真紅眼の黒竜をリリースし、現れよ『真紅眼の漆黒竜(レッドアイズ・ディープブラックドラゴン)』!」
 『ゴォォォォォ…!』
 真紅眼の漆黒竜:ATK2800


 進化した!?
 けど、攻撃力が下がってるぜ?


 「慌てるな。漆黒竜の攻撃力は私の墓地のドラゴン族モンスター1体に付き200ポイントアップする。
  私の墓地には『黒竜の雛』と『真紅眼の黒竜』の2体のドラゴンが存在する。よって攻撃力は400ポイントアップ!」
 真紅眼の漆黒竜:ATK2800→3200


 攻撃力3200!
 来るか…?


 「バトル!真紅眼の漆黒竜でアブソルートZeroを攻撃!『ダーク・テラ・フレア』!!」

 「そうはさせないぜ!速攻魔法『融合解除』!アブソルートZeroをバブルマンとウェイブマンに分離する!」
 E・HERO アブソルートZero:ATK2500
          ↓
 E・HERO バブルマン:DEF1200
 E・HERO ウェイブマン:DEF300


 更にZeroがフィールドを離れた事でお前のモンスターは全滅する!


 「成程な。だが無駄だ。漆黒竜は1ターンに1度だけカード効果では破壊されない。」

 「なんだと!?」

 「消えろバブルマン!『ダーク・テラ・フレア』!!」


 ――ドゴォォォン!!


 バブルマン…けど、トラップ発動『ヒーロー・シグナル』!
 俺の場のモンスターは戦闘で破壊された時、デッキからレベル4以下の『E・HERO』を特殊召喚する!
 頼むぜ『エアーマン』!


 E・HERO エアーマン:ATK1800


 「そしてエアーマンの効果でデッキから『E・HERO フォレストマン』を手札に加えるぜ。」

 「むぅ…モンスターを途切れさせはしないか…。カードを1枚伏せてターンエンド。」


 今度はこっちの番だ!行くぜ、俺のターン!

 「マジックカード『融合』発動!手札のフォレストマンとオーシャンを融合!
  大地と海をその身に宿す奇跡の地球(ほし)にE・HEROが降臨する!融合召喚、現れろ『E・HERO ジ・アース』!」
 『オォォォォォォ…!』
 E・HERO ジ・アース:ATK2500


 「きたー!十代のエースモンスター『ジ・アース』!!」
 「よっしゃ〜!やっちまえ十代!!」


 勿論手加減無しだぜ!
 はやての友達の精霊――なのは流に言うなら『全力全壊』ってやつだ、ジ・アースの効果発動!
 エアーマンをリリースし、その攻撃力を吸収する!『地球灼熱(ジ・アースマグマ)』!!


 『ムゥゥゥゥン…!』
 E・HERO ジ・アース:ATK2500→4300(エアーマン吸収)


 「攻撃力が一気に!!」

 「マダマダだぜ?ジ・アースの効果は1ターンの発動制限が無い!ウェイブマンの力もその身に取り込むぜ!」
 『ウオォォォォォォォ…!!』
 E・HERO ジ・アース:ATK4300→4800


 「攻撃力4800!!」

 「此れがヒーローの力だぜ!ウェイブマンの効果でデッキから『融合』を手札に加える。
  バトル!ジ・アースで真紅眼の漆黒竜に攻撃!切り裂け、ジ・アース!!『地球灼熱斬(アース・マグナ・スラッシュ)』!!」


 ――ズバァァァ!!


 「ぐおぉぉぉ!!」
 ダークネス:LP3900→2300


 黒炎弾のお返しはさせて貰ったぜ!


 「やるな遊城十代…トラップ発動『真紅眼の復活』!私の場のモンスターが破壊されたときに発動。
  自分の墓地より真紅眼の黒竜を特殊召喚する!蘇れ『真紅眼の黒竜』!!」
 『ギョォォォォォ!!』
 真紅眼の黒竜:ATK2400


 又蘇った!?
 しぶとい奴だな……けど、きっとコイツにとって真紅眼は大事なカードなんだな。
 闇のデュエリストつっても、やっぱりデュエリストである事に違いは無いって事か!

 「お前スゲェな…カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
 E・HERO ジ・アース:ATK4800→2500


 「貴様も思った以上だ遊城十代。其れでこそ倒し甲斐も有る!私のターン!
  私はフィールドの真紅眼の黒竜をリリースし、このモンスターを特殊召喚する!現れよ『真紅眼の闇竜(レッドアイズ・ダークネスドラゴン)』!!」
 『グォォォォォォ!!!』
 真紅眼の闇竜:ATK2400


 真紅眼の闇竜!?
 何だよそのカード?いや、攻撃力は同じだけど……ってまさか!!


 「気付いたか。そう、闇竜もまた効果を持っている――私の墓地のドラゴン1体に付き攻撃力が300ポイントアップする効果を!
  私の墓地のドラゴン族モンスターは3体!よって攻撃力は900ポイントアップ!」
 真紅眼の黒竜:ATK2400→3300


 「更に、魔法カード『ドラゴン・ハート』!
  デッキからドラゴン族モンスター3体を墓地に送り、私の場のドラゴン1体の攻撃力を1000ポイントアップする。
  私はデッキから『スピア・ドラゴン』『軍隊竜』『スピリット・ドラゴン』の3体を墓地に送り闇竜の攻撃力を1000ポイントアップ!」
 真紅眼の闇竜:ATK3300→4300


 攻撃力4300…!
 いや、此れだけじゃない。
 ドラゴン・ハートで墓地のドラゴンが増えたってことは…!!


 「そうだ。墓地のドラゴンが更に3体増え、闇竜の攻撃力は更に900ポイントアップする!!」
 『ガァァァァ!!』
 真紅眼の闇竜:ATK4300→5200


 「攻撃力5200…!!」

 とんでもないな。
 けどこのカードなら行ける筈だ!


 「此れで終わりだ!真紅眼の闇竜でE・HERO ジ・アースに攻撃!『ダークネス・ギガ・フレイム』!」


 く…、行けるか!?

 「リバースカードオープン!!」


 ――ドガァァァン!!!


 「ふむ…差分ダメージ2700、終わったな。」


 「いんや、まだ終わってへんで?」

 「フィールド良く見てみな!」


 へへ、やっぱしはやてと裕奈には分るか!


 「何を馬鹿な。何を発動しようともこの攻撃で終わりだ。」

 「其れは如何かな!?」
 十代:LP900


 「なに!?ば、馬鹿な…何故ライフが!!」

 「へへ、俺が発動したカードは此れだ!トラップカード『ディフェンス・ドレイン』!
  この効果でお前の闇竜の守備力を0にし、その数値をジ・アースに上乗せしたのさ!」

 「なにぃ!?」
 真紅眼の闇竜:DEF2000→0


 此れでジ・アースの攻撃力は4500になり、俺のライフは900ポイント残ったんだ。


 「小癪な…だが、攻撃力5200の闇竜を前に如何する?ターンエンドだ。」


 確かに今の俺に闇竜を攻略できるカードは無い。
 けど、このドローで戦局が変わるって思うとワクワクしないか?


 「なに?」

 「デュエリストの可能性は無限てことさ!俺のターン…ダークネス、このデュエル俺の勝ちだぜ!」

 「なんだと!?」


 行くぜ!マジックカード『融合』発動!
 手札の『エッジマン』『スパークマン』『ボルテック』の3体を融合!

 「迅雷の雷を従えた戦士が、闇を引き裂き突き進む!融合召喚、轟け『E・HERO プラズマ・デストロイヤー』!」
 『ウォォォォォォォォ!!』
 E・HERO プラズマ・デストロイヤー:ATK3000


 「3体融合…だが、攻撃力は闇竜が遥かに上だ。」

 「焦るなよ。プラズマ・デストロイヤーの効果発動!
  融合償還に成功した時、元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低いモンスターを全て破壊する!
  プラズマ・デストロイヤーの攻撃力は3000、闇竜の元々の攻撃力は2400…プラズマ・デストロイヤーよりも低い!」

 「な…!」


 此れで効果は有効!
 吹き飛ばせ、プラズマ・デストロイヤー『ライトニング・エナジー』!!


 ――バガァァン!!


 「ば、馬鹿な…!闇竜がたった一撃で…!!」

 「此れでお前を護るモンスターは居ない!行け、E・HERO プラズマ・デストロイヤー!
  ダークネスにダイレクトアタック!蹴散らせ『プラズマ・ボルテッカー』!!」


 ――バチィィィィ!!


 「うおわぁぁぁ!!!」
 ダークネス:LP2300→0


 「ぃよっしゃーーーー!!!」

 『お見事。素晴らしい逆転勝利だね。』
 『クリクリ〜〜♪』


 サンキュー、ユベル、ハネクリボー。
 っと、オイ大丈夫か?


 ――ずず…


 !!拙い、足元が崩れて!
 此れじゃ火山に真っ逆さまだぜ!


 『No problem.』


 いや、レイジングハートそうも行かないんじゃないのか?


 「大丈夫や十代!頼むでシャマル!」

 『はい!纏めて転送!!』


 あいつは、え〜〜と…シャマルだっけ?
 アレ?な、なんだぁ!?


 ――シュイン!


 ……あれ?此処は?


 「レッド寮に続く道の途中や。シャマルの『旅の鏡』で転移した。」

 「そうなのか?スゲーなシャマル!」

 『これでも夜天の騎士ですから♪』


 なんか、スゲェ!
 あ、はやてレイジングハート返しとくぜ。


 「ん、毎度。ご苦労さん、レイジングハート。」
 『Don't worry Captain.』


 「お〜〜〜い!」
 「無事か十代!!」


 アレは、万丈目に翔達!
 おう、全然平気だぜ!!








 ――――――








 Side:はやて


 先ずは十代の勝利やけど…まさかこの人がダークネスとはな…


 「流石に驚きだよね…」

 「ドナイしたモンやろね…」

 十代達は勝利に盛り上がってるけど…


 「無事だったのね?」

 「おう!へへ、結構強かったぜ!」

 「セブンスターズだったのだろう?まったく…呑気な奴だ…」


 せやな。
 けどや…なぁ、明日香ちゃん…


 「はやて?如何したの。」

 「如何したも何も…ダークネスの顔見てみ?」

 あのへんてこな仮面は取り外してあるから分るやろ?


 「!!そ、そんな………兄さん!!」

 「吹雪…!!」


 カイザーもお知り合いか。


 そう、セブンスターズ第一の刺客『ダークネス』は明日香ちゃんのお兄さんの吹雪さんやった。
 行方不明の生徒が闇のデュエリスト……セブンスターズ…どうやら簡単に済む相手や無さそうやね…
















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 魔霊水晶・紅
 装備魔法
 このカードは「真紅眼の黒竜」にのみ装備できる。装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする。



 ディフェンス・ドレイン
 通常罠
 フィールド上に表側表示で存在するモンスター2体を選択して発動する。
 エンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の守備力を0にし、
 その数値分もう1体のモンスターの攻撃力をアップする。



 真紅眼の復活
 通常罠
 自分フィールド上のモンスターが破壊された時に発動できる。
 自分の墓地の「真紅眼の黒竜」1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。


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