小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第10話 伝説の覗き魔、現る!!



〜修行開始から七日目〜

「雷遁・感電掌」

ユーリは手を川に突っ込み、雷遁を流し込んでいた。
魚がぽこぽこと浮いてくるのでそれを捕っていた。

「まあ、こんなもんあれば十分かな?」

ざっと十匹近くの魚が竹かごの中に入っていた。

「そろそろ帰るか」

籠を持ち、帰り道を歩いていると、茂みの中に入っていく人影が見えた。

「なんだ?
 あっちになんかあったかな?」

その人影を追いかけて見ると、遠眼鏡で何かを
覗いている白髪のデカイオッサンがいた。

「グヘヘヘヘ」

そのオッサンはいやらしい笑いを浮かべていた。
視線の先には、どうやら天然の露天風呂があるようだった。

「あやし・・・。とりあえず、君子危うきに近寄らずってね」

そういいながら、後ずさりしていると。

「まあ、待て小僧」

いきなり後ろから声を掛けられたので、後ろを振り向いて見ると、
さきほどまで前にいたはずの白髪のオッサンがいた。

「なっ!」

「その額当て、木ノ葉の忍びか」

「ええ、そうですが。
 (アレ待てよ。白髪で長髪のデカイオッサンでよく女湯を覗いている・・たしか、
 オレの読んでた本にそんな人物が書いてあったな)」

「どうやら、わしの正体にこころあたりがあるみたいじゃのう」

オッサンはユーリの表情から、読み取ったようだった。

「やっぱり、そうなんですか?あなたが伝説の
「そう。泣く子も黙る色男。伝説の三人の自来也様とはわしのことだ」
 覗き魔ですね」

二人は同時に言葉を発した。

「「ん?」」

「小僧、今なんと言った?」

「えっ、伝説の覗き魔じゃないんですか?
 オレがいつも読んでいる里伝説の書いている本[ウー]に書いてありましたよ。
 その伝説の覗き魔は、5代目水影の風呂を覗いて、暗部に追われたが、
 その暗部を見事に撒き、逃げおおせた伝説の覗き魔だって。
 目撃情報から白髪で長髪のデカイオッサンだって、話でその逃遁術の見事さから、
 名のある忍びなんじゃないかという情報がありましたけど」

「いや、たしかに水影の風呂は覗いたがのう。
 三忍の自来也って、聞いたことないかのう?」

「いえ、ないですけど。オジサンは有名な忍びなんですか?」

「こやつらくらいの世代には、あまり有名ではないのかのう。
 それよりお主、名前は?」

「うずまきナルトです」

しれっと、嘘をつくユーリであった。

「うずまき・・まさか、ミナトの・・・って、あきらかに嘘じゃろ。
 お主の黒髪黒眼でチャクラや顔の面影から考えて、
 その特徴は流戸一族って、ところじゃろ」

「すごいですね。たしかに流戸ですけど」

「なんでウソをついた?」

「いや、知らないオジサンに本名を知らせるのは、普通危険と考えますよ」

当然であるような表情をユーリは浮かべていた。

「まあよいわい。流戸ということは、ユウトのせがれか?」

「ええ、たしかにうちの親父はユウトですけど、知り合いですか?」

「まあのう。一時期、教えていたことがあったからのう」

「そうなんですか。オレは流戸ユーリです。よろしくお願いします」

「うむ。所でなぜこんな所におるんだ?」

「メシ調達ですけど」

そういって、持っていた竹かごの中身を見せた。

「いや、そうでなくて、任務で来とるんじゃろ」

「バカンスでこの国には、こないでしょうからね」

「まあ、そこはどうでもいいわい。
 担当上忍には、わしと会ったことは黙っておくようにしといてくれ」

「カカシ先生にですか?」

「カカシか・・あやつが担当か」

「まあ、わかりました。
 (とりあえず、後で報告しとこう。どうゆう人か気になるし)」

「それでは、わしは取材があるので失礼するわい」

そういいながら、自来也は先ほどまでいた方向に歩いて行った。

「はい。さようなら」

茂みに入ったのを確認した後、タズナの家への帰り道を歩き始めた。
帰った後、ユーリは自来也にあったことをカカシに報告していた。
カカシは大変驚いていた。どうやら、自来也は火影候補にも、
選ばれた事のある里でも屈指の実力者であるとのことであった。
現在は、抜け忍にこそなっていないものの、里にはほとんど戻らず、
各地を転々していて、行方がわかってないとのことであった。

「あのオッサンがそんな有名な忍びだとは、知らなかったな。
 今度あったら、術教えてもらおう」

そうユーリが発言していると、サスケとナルトがぼろぼろになって帰ってきた。
どうやら、二人とも頂上まで登ったとのことだった。
カカシはナルト達も明日から護衛に加わること伝えた。
するとタズナの孫のイナリが泣き、叫び始め、ナルトと揉め始めた。
ナルトは気まずくなったのか、席を外した。

その日の夜にカカシは海を見ているイナリと話した。


〜次の日の朝〜

「じゃあ、ユーリ。お前はこっちの護衛を頼んだぞ」

「了解」

カカシ達とタズナは橋の方へ向かっていった。

-10-
Copyright ©サムナ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える