小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第21話 覗きと弟子とおたじゃくし





「おはようございます。自来也先生」

ユーリは温泉地に向かい、昨日決めた集合場所にいた自来也に
挨拶をしていた。

「うむ。もう一人来るはずだから、少し待っとれ」

自来也がそういいながら、腕を組み、再び待ちの体勢になっていた。

「もう一人?」

「ああ、お主も良く知ってる人物じゃよ。
 っと、来たな」

自来也のその言葉にユーリは自来也の視線の先を見た。
ナルトがこちらに向かって走ってきていた。

「ナルトですか?」

「そうじゃ。まあ、説明はめんどくさいんで省くが、
 お主と別れたあの後にちょっとあってのう」

「はあ。別に僕の方は、かまわないですけど」

「あー!!ユーリがなんでここにいるんだってばよっ!!」

ナルトが着いたと同時に言葉を発した。

「お前らの面倒はわしが見る事になった。黙ってわしについてこい。
 んでもって、仲良くしろとはいわんが、喧嘩はするなよ。
 といっても、同じ修行には多分ならんから、大丈夫じゃろ」

そういいながら、自来也は移動を始めた。

「ああ、その心配はないですよ。なあ、ナルト」

「そうだってばよ。サスケはともかく、ユーリとは比較的良好な
 関係だってばよ」

二人はその後についていきながら、喋りはじめた。
互いになぜ自来也に師事することになったのか話していた。

「エロ忍術か・・・複写しとくべきだったかな・・・」

「たまには、役に立つことだってあるんだってばよ」

ナルトとユーリが会話をしていると、自来也は開けた場所で止まった。

「よーし、さあ、技を伝授するぞ」

後ろ向きのまま、言葉を発した。

「・・・って、オイ!こっち向いて、言えってばよ。エロ仙人!」

「・・・何か・・見えるんすか?」

自来也はそのまま、草影からなにかを覗いてるようだった。
ナルトは叫び、ユーリは隣並び覗きこんだ。

「水着で遊んでいる姉ちゃんたちが見える・・・・」

「やれやれ、仕方ないのう。まずはユーリちょっと、こっち来い。
 ナルトはそこで水上歩行やっとけ。すぐ戻るから」

「わかったてばよ」

自来也はユーリを連れて、ナルトから見えない場所に移動した。

「さて、ユーリはナルトのことをどこまで知ってる?」

「どこまでって、中身のことですよね?」

「やはり知っておったか・・・、他にも何かあるのかのう」

「そうですね・・・、四代目火影の息子であるってことぐらいですかね?」

「そこまで知っておるのか?どこで知った?そちらについては人柱力で
 あること以上に秘密裏にされておる筈じゃが」

「ナルトの誕生時期そして、病院の忍びこんで見た四代目火影の妻の病院の診断書での妊娠経過。
 そして、ナルトの名字が四代目の妻の旧姓と一致ということから考えて、
 ほぼ間違いないと思ってましたよ」

「病院の診断書か・・・、情報収集は得意なようだのう」

「ひょっとして、九尾の力でも引き出すんですか?
 たしかにナルトは波の国の任務時に一回それらしいのを引き出したこと
 あるみたいですけど。でも狙って、そうゆうことって、出来るんですか?」

「賢い子だのう。疑問はおそらく可能だのう。
 ナルトは感情の高ぶりや身に危険が迫った時に無意識に九尾チャクラを引き出しているのだろう。
 もっとも、それがナルトへの還元した九尾チャクラの余剰分なのか九尾自身が貸しているのかまでは、
 わからんがのう。」

「思うんですけど、ナルトが死ぬと九尾も死ぬわけではないんですよね?」

「そうじゃな。おそらく数十年または数百年単位だと思うが、
 九尾は復活するじゃろう」

「なら、九尾が力を貸す可能性は低いんじゃ・・・、おれ達からすれば、
 長い時間ですが、九尾からすればそうでもない時間なんじゃ?」

「さあのう、あくまで予想だから、正解は九尾自身しかわからんのう」

「ですか・・・」

「まあ、話はこれくらいにして、修行に入ろうかのう」

「了解」

そういうと、二人は水上歩行を行っているナルトの元に向かった。
自来也はナルトに二種類のチャクラの話をして、それを意識して
引き出す様にナルトに説明した。
ナルトは早速やってみようと試みていたが、引き出すことはできなかった。

「才能ないのぉ。お前・・・」

自来也のその言葉にナルトは反論していた。

「お前はまず、もう一つのチャクラを引き出せるようにした方がいいのう。
 それが出来て始めて使える技や術がいっぱいある」

「たとえば?」

「口寄せの術・・・時空間忍術の一種だのう。
 それを今からユーリとナルト、お前らに教える」

「おー!なんかすごそうだってばよぉ」

「口寄せ・・・契約ですか?」

「まあ、その前にナルト・・・お前は水面歩行の業で普段のチャクラを
 使いきれ」

自来也は背中側にある川を指差しながらいった。

「えー、そんなことしたら、下手したら死ねるってばよ」

「わしがおるから、死ぬ心配はない」

「おれは・・どうします?」

「お主は少し待っておれ」

自来也は川で遊ぶ水着の姉ちゃんたちを覗き、ナルトは水面歩行の業を
ユーリも自来也と同様に覗いていた。

「ユーリよ。あの二人だとどちらが好みかのぅ?」

「そうですね。僕はあのショーットカットの女性の方が好みです」

「ふっ、まだまだ青いのぅ。ロングの方が絶対エロイのぅ。
 お前も経験を積んでいけばわかるようになるがのう」

「そういうもんですか?」

「そういうもんだのう」

とエロ師弟トークをしていると、

「・・・ほったらかしだってばよ。ユーリもあういうキャラだったとは、
 知らなかったてばよ」

といいながら、ナルトの体が徐々に川に沈んでいった。

「あっ!ナルトが沈みましたよ」

「ユーリ、拾ってこい」

「先生が助けるとかいってませんでしたっけ。まあ別にいいですけど」

そういうと、川に入り、沈んだナルトを河原に引き上げた。
ナルトが起きるのを待って、その後、修行となった。
自来也がまず口寄せの術を使い、契約の巻物を加えたカエルを口寄せした。
二人とも巻物自身の名前を書き契約を行い、自来也の説明に従い、
チャクラを練って印を組み、手を地面につけた。

二人ともほぼ同時に行っていた。
片方はおたまじゃくしをもう片方は自来也が口寄せしたカエルと
同じくらいの大きさのカエルを口寄せした。

「おたまじゃくし・・・、やっぱり、こいつ才能ないのう。
 チャクラの差があるとはいえ、カエルですらないというのは、初めてケースだのう」

「ナルト・・・・、まあ、チャクラを使いきってるから、
 しょうがないのか?」

「・・・・・、まだ初日だから、調子がでないだけだってばよ」

ナルトの手元には、おたまじゃくしが、ユーリはカエルの上に乗っていた。


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