小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第23話 三又クナイと護衛小隊



しばらくすると、ユーリは目を覚ました。

「起きたか?ユーリよ」

自来也が声を掛けた。

「ええ、まあ、体中痛いですけど・・・」

「それならば、良い。さてお主に聞いて置かなければ
 ならないことがある」

「なんですか?」

「この期間の修行で鍛えたいポイントまたは、
 自身の考えている方針があれば、言ってみろ。
 まあ、その方針通りなるかどうかは、別だがのう」

「うーん、自分で方針をですか・・・。
 基本的に体術の強化と覚えようとしてる忍術が一個あるんですけど」

「まあ、体術は基本だからのう。忍術か・・・どんな術かのう?」

「そっか、ひょっとして、先生ならよく知ってますかね?
 飛雷神の術なんですけど」

「ミナトの術か・・・。あれはあやつだけの秘術といっても過言では
 ない術なんだが・・・、そもそもお主に使えるのか?」

「血継限界ではないんですから、やりようはあると思います。
 一応、術で使用していたっていう、特注のクナイは手に入れてあります」

そういうと、ユーリは、懐から、三叉のクナイを取りだした。

「懐かしいクナイだな。よく残っていたのう」

「オレが忍具を調達していた店が四代目の特注クナイの生産を
 請けおっていた店だったみたいです。見本として何本か貰ったうちの1本を
 ちょっと無理言ってもらいました。
 幸いなことに、柄部分に術式も書いてありましたし、
 複写眼での解析と情報収集での情報からあと一歩って所までは来てると思います」

「複写眼があるなら、見せた方が早いんじゃが。
 といっても、わしはあの術は使えんしのぉ・・・」

自来也は顎に手を当て、考えていた。
すると、何かを思い出したように手を打った。

「そうじゃった。たしか、その術を使える奴らがおったわい」

「えっ!?四代目以外に使える人間はいないんじゃ?」

「その情報はただしくない。正確には、単独で使えるのは、四代目だけじゃ。
 たしか、当時四代目の護衛小隊だったやつらが、三人で発動することが
 出来たはずだのう」

「おおっ!!それなら、見せてもらえれば、使えるようになるかも。
 でも、その三人の人たちの誰かは死んでる可能性もあるんじゃ・・・・」

「多分、大丈夫じゃろ。紹介状を書いてやるから、三代目に渡して、
 そいつらの都合付けてもらい、見せてもらって来い。
 外の任務で出てなければ、2〜3日以内には見せてもらえるじゃろ。
 術は一回見れば十分じゃろ?ならたいした手間にはなるまい」

「今から行って来いと?」

「善は急げじゃ。書いてやるから行って来い」

「了解しました」

自来也に紹介状を書いてもらい、それを三代目に届け、
1日後に四代目の護衛小隊の三人と対峙していた。

「というわけで、お願いします」

そういいながら、ユーリは複写眼を発動させていた。

「流戸のガキか・・・・。
 自来也様の頼みでは、仕方がない。
 一度だけしか見せないから良く見ておけ」

爪楊枝を加えたゲンマが言い放った。

「んじゃまあ、とりあえず、そこからあっちでいいよな?」

頬に火傷の様な傷跡があるライドウはユーリの視界内に収まる位置の
右端と左端を指差した。

「はい。お願いします」

「では、まずマーキングをする」

そういいながら、顎にヒゲを蓄えたもう一人が左端の位置にマーキングを施した。
もちろんその様子は、ユーリの複写眼がとらえている。
その後、護衛小隊の三人で手を繋ぎ、三角形を作っていた。

「これで準備は全部整った。飛ぶぞ。いいな?」

「はい」

ユーリの返事を聞いた後、三人で顔を合わせ、頷くとマーキング位置へと飛んだ。

「これがオレ達、三人での飛雷神の術だ。
 一人でやる四代目とは、多少違う所もあるが、その辺は自分で工夫しろ」

ゲンマが言い放った。

「任務がなくて、ヒマな時なら、分からない点の答えられる事は答えてやるぜ!」

ライドウは優しかった。

「ええ、わからないとこが会ったら、聞きにいかせてもらいます」

「では、おれたちは帰る。じゃあな!」

「ありがとうございました」

ユーリは頭を下げていた。
三人が見えなくなると、

「マーキングをするのも見れたし、飛び方もわかった。
 あとは、修行あるのみだな。
 さすがに、この類(たぐい)の術は失敗するとやばいもんな。
 自来也先生の話だと、時空間忍術の失敗で敵国のど真ん中に飛ばされた人も
 いるって話だからな。そんなのは、ごめんこうむる」

そういいながら、自来也とナルトがいる場所へと向かっていくのだった。


〜護衛小隊〜

「流戸のガキが四代目の術を・・・どう思う?」

「さあな、ただ下忍ではかなり出来るって噂は聞いたことあるぜ。
 流戸一族の天才の再来って、いう話だったかな」

「完成してれば、本選で見せてくれるんじゃないか?」

「かもな」

「そういえば、ゲンマ。お前が中忍試験本選の審判やるんだろ?
 いいのか?」

「ああ、別に問題ないだろ。顔見知りになったらからといって、
 有利なことは一切ないんだからな」

「お前は真面目だから、聞くだけ無駄だったか」

「まあ、下も育ってきてるってことだろ。
 オレたちも負けてられないぜ」

「ガイさんみたく、青春だーー!!とかやってみるか?」

「やらん!!」

そんな会話を続けながら、三人は歩いて行くのだった。



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