小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第25話 終了と開始




ユーリは三又のクナイを辺りに刺して、地面に刺さるクナイの上に立っていた。
ふと思いついた様に近くで水遊びをしている姉ちゃんたちを
覗いている自来也に話しかけた。

「先生。そういえば、ナルトはどうしたんですか?」

「ナルトのやつなら、病院だ」

覗いた姿勢のまま、答えを返した。

「病院?」

ユーリは首を傾げていた。

「そうだ」

「ついに限界が来ましたか?」

「まあ、あれだけ毎日チャクラ捻りだしてりゃ。
 疲労も溜まるわい」

「あいつの修行は成功したってことですか?」

「おそらく・・・としかいえんのう、今回は自分の意志で九尾のチャクラを引き出したことは
 間違いない。もっとも、またそれが出来るかどうかナルトしだいだがな」

「きっかけは掴んだってことですか・・・・。
 オレも負けてられないですね」

ユーリはニヤリと笑いながら答えた。

「ほれ。ナルトのことを気にするより、自分のことをやらんか。
 このままでは、飛雷神の発動までの時間が長すぎて実戦ではつかえんぞ」

「準備をして、一回ってとこですかね」

「わかっておるなら、もっと発動を速くせい。
 このままじゃ、一回こっきりのびっくり技と変わらんぞ」

「螺旋丸の完成まで15秒、飛雷神発動までに同じく15秒。
 この両方を一瞬で発動してた四代目はすごいですね」

「あほう。お主たちは、ミナトやワシをいずれ超えていってくれんと困るぞ」

「今すぐは無理でも、そりゃいずれ超えるつもりですけど・・・」

「当り前だ、弟子は師を超えていくものだ」

「なんか以外ですね・・・」

ユーリが微妙な表情をしていた。

「何がだ?」

自来也は疑問の表情を浮かべながら訪ねた。

「いえ、てっきり、『百年早いわい』とか言われるかなと思ったんですが」

「知らんのか?弟子の義務は師を超えることだ」

ドヤ顔をしている自来也だった。

「そのセリフは水着の姉ちゃんたちを見ながら、言わなければ、
 かっこよかったんですけど・・・・」

もちろん姉ちゃんたちを見ながら。

「わしは欲望に正直なんじゃ」

「正直すぎる気がしますが・・・」

自来也はこちらに向き直り、

「知らんのか?弟子の義務は師を超えることだ」

「いや、何事もなかった様にTAKE2を始めないでください」

「融通のきかん教え子だのう」

「先生風に言うなら、オレは自分に正直なんです」



そんなこんなで、自来也の元での修行を本選二日前まで続いたのであった。

自来也がユーリの目の前に立っていた。

「よし、今日で修行は終わりだ。
 明日は1日しっかり休息を取り、本選に望め」

「はい!ありがとうございました」

ユーリは頭を下げた。

「まあ、相手は日向だったかのう。
 勝てるかどうかお主次第というところか」

「俺なりに作戦は考えてますし、簡単に勝てる相手だとは思ってないですよ。
 でも、やる以上、当然勝つつもりでやりますよ」

「まあ、がんばれ」

「はい!」

「それではのう。美女がわしを呼んでいる気がする」

そういうと、自来也は木ノ葉を巻き上げ、姿を消した。

「さて、帰るか」

ユーリは自宅に向かい歩き始めた。





二日後、試合当日になった。
試合会場に集まり、本選の審判の誘導に従い、整列していた。

ユーリはきょろきょろと周りを見回し、

「オレ、ナルト、シカマル、ジノ、カンパチロウ、ケマリ、ティアラ、ネジ・・・。
 二人足りないな。サスケと・・・・ドムだったけな?」

しばらくすると、火影が喋り出し、開会の挨拶が行われた。
そして、審判からの俺たちへの説明が始まった。
どうやら、トーナメントが変更され、ナルトがシード的な扱いになったらしい。
本選のルールは予選と同じで死ぬか降参した方の負けとのことだった。
ただし、審判の判断で勝負がついたと思ったら止める所まで一緒であった。

「ふーん。
 (予選の審判はあきらかに勝負着いてる状況なのに。
  止めるの遅かったけど、この人は大丈夫かね?・・・・・あれ?
  この人って、四代目の護衛小隊の人だよな。なら、大丈夫か?
  護衛小隊に選ばれるってことは、優秀ってことだよな多分)」

額当てを後ろ向きに巻き、楊枝の様な物を加えた審判が言葉を放った。


「じゃあ、一回戦、流戸ユーリと日向ネジを残して、他は会場外の控室まで下がれ!」

その指示に従い、他の者は移動していった。
そして、ユーリとネジが向かい合い、真ん中に審判が立っている状況になった。


観客席では、始まるのを今か今かと待っていた。
そこからは色々な声が聞こえていた。

「流戸と日向。いきなり、里内でも名門と呼ばれる一族の対決かよ」

「しかも、二人とも天才って呼ばれるほど、優秀らしいぜ」

「天才対決って、やつか。しかも、二人とも血継限界の瞳術使い、
 片方はコピーでは、写輪眼を上回ると言われる複写眼。
 もう片方は、洞察・観察眼では、同じく写輪眼を上回ると言う白眼。
 くぅー、こいつは面白い試合になりそうだ」

審判のゲンマが片手を上に上げると会場の盛り上がりが落ち着き始め、
やがて静寂が訪れた。

「では、第1回戦、始め!!」

ゲンマは言葉と同時に上に上げていた手を振りおろした。


 

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