小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第5話 なんとかとかまぼこの叫び



ユーリは左手でチャクラ刀を逆手に前に出し、右手を軽く握り、
胸の前に構え、腰を落とした瞬間、ユーリの姿が消えた。

カカシの背後に現れ、チャクラ刀で背中を切りつけたが、
カカシは這いつくばる様にしゃがんでそれをかわしながら、
逆立ちする様に足でユーリのチャクラ刀の柄を蹴り飛ばした。

「チッ!」

蹴り飛ばされた勢いを利用して、下段蹴りを放ったが、
逆立ち状態で手でジャンプする様にしてかわした。

浮いた状態のカカシに後ろ回し蹴りを放ち、カカシは腕を交差し
それを防御したが、蹴りの勢いに負けて吹き飛んだ。

カカシは受け身をとり、体勢を戻したと同時に、バックステップで
その場から移動した。
さきほどまでカカシがいた場所には、上からチャクラ刀の様な物を
下に向けて突き刺そうとしているユーリが落ちてきた。

「チャクラ刀はさっき蹴り飛ばしたはずだが?」

「ああ、これはチャクラ刀を複写した忍術によるチャクラ刀ですよ」

「もうそこまで、形態変化を使いこなすのか?」

「逆ですよ。うちでは、形態変化しか教わりませんから」

「???、どういうことだ」

「オヤジ曰く、一通りの形態変化さえ出来るようになれば、
 この眼でほぼ全ての術をコピーできるから、
 実際の術は仲間に見せてもらうなり、任務で覚えるなりしろって、
 言われました」

「性質変化の問題はどうするんだ?」

「ああ、さいわい、適正だけは宗家の内は、基本的なの一通りあるみたいです。
 まあ流戸一族全てがって、わけじゃないですがね」

「どこが劣化写輪眼か問い詰めたいところだな」

「いったでしょ、コピーに関してはうちだって。
 伊達(だて)に複写なんて名前ついてないですよ」



「ふうっー、もういい。
 それにしても、鈴を狙うんじゃなく、攻撃にくるとはね。
 お前はサスケ以上に頭角を現してきたね」

「鈴なんて、二の次でしょ」

「おいおい、この任務の作戦目標は鈴を奪うことだぞ」

「チームで、でしょ」

「・・・どうして、そう思う」

「普通の下忍はまず一人で任務を任されることはないから。
 んでもって、さっきも言ったように実力が違うのに
 速いもの勝ちである様にあおっていることかな。
 まあ、鈴を取った後なら抜け道がつかえるけど」

「抜け道?」

「簡単だよ。一つの鈴を半分に割ればいい。
 そうすれば、全部で鈴が四つになるわけだ。
 チームで組んだ時に報酬で揉める事がなくなるわけだ」

カカシは頭を押さえた。

「これは、トンチの問題ではないんだが・・・・。
 今までやってきてそんな発想するやつはいなかったと思うが、
 あれか、天才となんとかは紙一重ってことなのか?
 それとも一般人に天才の発想は理解できないってことなのか?」

「失敬な、鈴を二つに割ってはいけないって、前条件つけないのが
 いけないんじゃないですか。
 それに、昔、天才って、呼ばれてたのは先生じゃないですか」

「お前の情報収集能力は忍者向きだと思うわ」

「でしょ」

「まあ、実力は下忍でもトップクラスかもな。
 だが、つめが甘いな・・・。
 5、4、3」

カカシは指を折ってカウントダウンを始めた。

「???、何を?って、そういうことか!!」

ユーリは疑問符を浮かべた後、その答えにたどりついた。

「2、1、0!」

カカシのカウントダウンが終了したと同時に目覚まし時計が
鳴り響いた。

「しまったーーー!!!」

ユーリの叫びが目覚ましの音と同様に辺りに鳴り響いた。




<ナルトは弁当を先に食おうとはせずに、罠に引っ掛かったままでしたが、
 丸太にくくり付けられてます。
 それ以外は、ユーリが加わってること以外は原作通り進み、
 無事四人とも合格しました。>


「縄ほどけっーーー!!」

ナルトは叫んだ。
すると、ユーリは振り向きナルトの前まで来た。

「ユーリ、ほどいってくれってばよ」

ユーリはポケットからペンを取りだし、ナルトの額に「肉」と書いた。

「じゃあな、かまぼこ。
 額にこの文字を書くと、ピンチの時に信じられないほど力が
 出せるらしいって、本で読んだんだ、
 だから、実際出来るかどうか試してみてくれ」

そういうと、瞬身の術でカカシたちの元に追いついたのであった。

「ユーリのばっかやろうーーーー!!」

ナルトの叫びはむなしく辺りに響いたのであった。

-5-
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