小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第7話 依頼のウソとアブナイ手裏剣



「チッ、余計なコトを」

サスケは毒付いていた。

「ナルト、悪かったな。けがさしちまった。
 様子見が過ぎて、ユーリに指示を出すのが遅くなっちまった。
 サスケとサクラはよくやった」

カカシは一人を脇に抱えたまま、喋りかけた。
ユーリは投げ飛ばした男の上に乗り、クナイを首に突き付けていた。

「大丈夫か、ナットウ。
 こいつらの爪は毒付きだから、早く毒抜きしないと。
 とりあえず、毒がまわらない様に腕をきつくこのヒモで縛っとけ」

ユーリが相手を抑えつけたまま、話しかけ、取りだしたヒモを投げた。
ナルトは不安そうな表情して、それをうけとった。

「ふんっ、よぉ、ケガはねーかよ。ビビり君」

サスケはナルトにバカにする様に話しかけた。

その後、襲いかかってきた男たちを縄で縛り、
カカシはなぜ、襲いかかられるのをそのまま見ていたのか理由を説明し始めた。
理由は敵のターゲットを知るためで、自分たちの小隊の誰かが狙いなのか?または、
依頼主のタズナが狙いなのかを知る必要があるためである。

この小隊にも、狙われる理由が多々あるためだろう。
カカシは言わずもがな、他里にも名は知れ渡っていて、当然恨みもたくさん買っているだろうし、
ユーリとサスケは、木ノ葉の中でも有名な血継限界の家系であるし、
ナルトは九尾が封印された人柱力であるためだ。
何もなさそうなのは、サクラぐらいだろう。

だが、敵の狙いがタズナであることは明らかだった。
しかも、どうやらタズナには心当たりがあるようだった。
カカシはタズナに事情を問いただし、始めた。

依頼でウソがつかれていて、ナルトの治療も必要ということで
一度里に戻るように話が進んでいると、
ナルトが自分のケガしている左手の甲にクナイを突き刺した。
キズが広がったため、血がいきよいよく出ていた。

「ナルト、なにやってんのよ!!アンタ!」

サクラはその様子を見て、騒いでいた。

「オレがこのクナイでオッサンを守る。任務続行だ!!」

ナルトは笑いを浮かべながら叫んだ。

その後、カカシがナルトの治療していると、タズナが事情を話し始めた。
タズナには、この忍者たちの雇い主に心当たりがあるようだった。

その名は、ガトーカンパニーの社長のガトー。
世界でも有数の大金持ちである。
そのガトーは、1年ほど前に波の国に眼をつけて、
海上交通・運搬を牛耳っているとことであった。

波の国は、現在、陸路では行く事ができないため。
海上交通を牛耳るということは、その国を支配しているといっても、
過言ではないだろう。
故にタズナが橋を完成させて、陸路で行く事が可能になってしまうと、
その支配力が弱まる事につながるため、タズナ暗殺を狙っているとのことだった。

その間、ユーリはというと、

「先生、こいつらの装備もらっていいですか?」

「構わんが、荷物を増やすことはあまりお勧め出来ないぞ」

「ああ、大丈夫です。この前、知り合った武器屋の息子に
 倉庫用の巻物貰ったんで。
 早速、役に立つとは、思わなかったな」

ユーリは襲いかかってきた男たちの装備を取り外し、巻物の中に突っ込んでいった。

とりあえず、その後の話し合いにより、国へ帰るまで護衛を続けることになった。









タズナの知り合いの船に乗り、波の国に着いた。
そこから、少し歩いていると、ナルトがキョロキョロし始めた。
何かに気付いた表情をした後、

「そこだぁー!!」

と、手裏剣を草むらに投げつけた。

その後、静寂が流れた。

「フ・・・、なんだネズミか」

「って、何かっこつけてんのよ!
 そんなとこになにもいないじゃない」

「コラ!お前が手裏剣使うな。マジで危ないから」

「そうだぞ。もし、一般人がいたらどうすんだ」

「チビスケ!まぎらわしいことをするんじゃねえ」

ナルトは反省していないようで、再びきょろきょろとまわりを
見回し始めた。

「「!」」

そして、再び手裏剣を草むらに投げつけた。

「そこかぁーー!!」

「ヤメェーイ!」

サクラはナルトを殴って止めた。

今度は手裏剣の位置を確認してみると、
白いウサギに命中していた。

「なんてことすんのよ!」

サクラはナルトを叱りつけ、ナルトはウサギを抱いて謝っていた。

「なんだ・・・、ウサギか」

タズナは安堵していた。

「先生」

ユーリはカカシの方を見ていた。

「気づいたか?」

「ええ、これって」

その時、二人は何かに気付いた様だった。

「「!!」」

「全員伏せろ!」

カカシは叫んだ。
全員が伏せていると、巨大な何かが飛んできた。
その何かが木にささると、それは人の身長と同じくらいの刃が
ついている剣だった。
その剣の柄の部分に人が立っていた。
どうやら、敵であることはほぼ間違いないようだった。

「これはこれは、霧隠れの抜け忍の桃地再不斬君じゃないですか」

カカシは男に話しかけ、ナルトが飛び出そうとするのを
手で押さえた。

「邪魔だ。下がってろ、コイツはさっきのやつらとは、桁がちがう。
 このままじゃあ、キツイか・・・」

カカシは自身の額当てに手を掛けた。

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