小説『NARUTO〜複写眼を持ちし者〜』
作者:サムナ()

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第8話 写輪眼とコピー忍者



「写輪眼のカカシと見受ける・・・、悪いが
 じじいを渡してもらおうか」

「!」

「?」

「(写輪眼!?)」

「(あいつ、強いな。先生と同レベルくらいか?)」

「卍の陣だ。タズナさんを守れ・・・、
 お前たちは手を出すな。それがここでのチームワークだ。
 ザブザまずは、オレと戦え」

ユーリはタズナの後ろで構えた。

「(おいおい、隊長の指示だろうが、さっさと、構えろよ)」

カカシは額当てを上げながら告げた。
額当ての下の左目には、勾玉の様な文様が三つ浮かんでいた。

「ほーーー、噂に聞く写輪眼を早速見れるとは、光栄だね」

ザブザと呼ばれた刀の柄の上に立っていた男が言った。

「さっきから、シャリンガンシャリンガンって、なにそれ?」

ナルトは騒いでいた。
その声に答え、サスケが写輪眼の説明をし始めた。

「写輪眼・・・、いわゆる瞳術の使い手はすべての幻・体・忍術を瞬時に
 見通して、はねかえしてしまう能力を持つという・・。
 ・・しかし、写輪眼の能力はそれだけじゃない」

「え?」

「クク・・、御名答。ただそれだけじゃない。
 それ以上に怖いのはその眼で相手の技を見極め、コピーしてしまうことだ」

「(はねかえす方が強いと思うのはおれだけかな?)」

「俺が霧隠れの暗殺部隊にいたころの手配帳にお前の情報が載ってたぜ。
 千以上の術をコピーした男、コピー忍者のカカシ」

「スゲェーってばよ!」

ナルトは喜んでいた。

「さてとお話はこれぐらいにしとこうぜ。
 オレはさっさとそこのじじいを殺らなくちゃならねえ」

「!!」

「「「!」」」

ナルトたち三人はタズナを囲むように構えた。

「(遅えよ!)」

「つっても、カカシお前を倒さなくちゃならねえみたいだな」

ザブザは刀を引きぬき、瞬身の術で水上に移動した。

「(地の利を取ったか。水遁系が得意なんだろうな)」

ザブザはすでに印を結んで、構えていた。

「あそこだ!」

「水の上!?」

ナルト達がそれに気が付き、そちらに視線を向けていた。

「忍法・・・霧隠れの術」

「(複写しとこう)」

ユーリはすぐに複写眼を発動させた。

「消えた!?」

サクラの言うとおり、ザブザの姿はあたりの濃い霧のせいで見えなくなっていた。

「まずは、オレを消しにくるだろうが・・・、
 桃地ザブザ・・、こいつは霧隠れの暗部で無音殺人術の達人と言われた男だ。
 気が付いたら、あの世だったことになりかねない。
 オレも写輪眼を全てうまく使いこなせるわけじゃない。
 お前たちも気を抜くな」

下忍たちは気を入れなおしていた。

「8ヶ所、咽頭・脊柱・肺・肝臓・頸動脈に鎖骨下動脈・腎臓・心臓、
 さて、どの急所がいい?クク・・・」

「「「!!」」」

辺りを静寂が包んでいた。

カカシが印を組むと、辺りに殺気が満ち溢れた。

「サスケ・・、安心しろ。お前たちは俺が死んでも守ってやる。
 オレの仲間は殺させやしないーよ!」

と笑顔でカカシは告げた。

「(死んだら、守れなくねえ?)」

一人、空気の読めないことを考える少年がいたとか、いなかったとか。

「それは、どうかな・・・?」

ザブザの声がどこからか聞こえてきた。
次の瞬間、ザブザはサスケたちとタズナの間に現れた。

「おっさん!」

「「「!!」」」

ユーリはタズナの襟首を掴み引っ張ろうとしていた。

「終わりだ」

その言葉の次の瞬間、カカシはサスケ達を弾き飛ばし、ザブザの目の前に現れ、
クナイを突き刺していた。
クナイからは、血ではなく、水がこぼれていた。
もう一人、ザブザがカカシの背後に現れていた。
刀をカカシに向かって、振り始めた。

「先生!後ろ!」

ナルトは指差しながら叫んだ。

「!」

カカシが気づくと同時にクナイを指していた方のザブザが水になった。
刀がそのまま、振りぬかれ、カカシは上半身と下半身に分離したと思いきや、
カカシの方も水に変わった。

「動くな・・・」

ザブザの背後には、ザブザの首元にクナイを突きつけたカカシがいた。

「終わりだ」

「ククク・・終わりだと・・分かってねえな」

「(先生、気づいてねえな)
 違う!先生!そいつも水分身だ」

タズナの襟首を掴んでいたユーリは叫んだ。

「!!」

今気付いたようだったカカシの背後に、ザブザが現れた。

「たいしたガキだ。だが、遅かったな!」

その言葉と同時に分身は水に戻り、本物の方は刀を両手で振りかぶっていた。
カカシが背後を振りかえると同時にザブザは刀を振りきった。
カカシは、這いつくばる様に屈みなんとかよけた。
ザブザはその振り切りを地面に打ち付け、その回転エネルギーを利用して、後ろ回し蹴りを
放ち、それをカカシはまともに喰らい、水上へと飛ばされた。

飛ばされると同時にまきびしを撒いて、追撃を防ごうとしたが、それに気付いたザブザには、
交わされた。

「・・くだらねぇ」

ザブザは瞬身の術で水上に移動した。

「せんせぇー」

水の方へ飛ばされたカカシは体が重そうに鈍い動きをしていた。

「あの水、チャクラが練りこんであるな」

ユーリたちは水面の方を見ていた。

「フン、バカが!水牢の術」

ザブザは素早く印を組み、術を発動した。
カカシを水球が包み込んだ。

「何!?」

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