小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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…これくらいか…
「そうね、正治、来井。ここで調べるのはこれくらいね。事情聴取、でもしてこよう。」
「そうか。じゃあそうしよう。」
「さんせ〜いw」
「よし…じゃあ、井原さん、また後で。」
「…」
…まさかの無言。まぁいいや。
そして私は事件関係者に事情聴取をしにいった。

―夜烏ビル厨房 花茂芽―
私はあのフォークが出る元になった厨房へと足を運んだ。
たしかここのシェフが第一発見者だったような…
その中に一人、椅子に腰掛けた紅一点のシェフを見つけた。
「あの…申し訳ありません、いまお時間よろしいですか?」
「え!?あぁ、はい!大丈夫です…」
「えっと…天木 須照美(あまき すてび)さんですよね?」
「あ、はい!私です!」
「…大丈夫?w」
「大丈夫です…はい。」
どうやらかなり緊張しているようだ。
この人物は天木 須照美。死体の第一発見者だ。美しい…と言うよりは可愛いと言った方が正しい顔立ちだ。
「今回の事件について、お話を聞かせてもらいたいのですが…」
「はい…あれは…お昼ですね。その時間に私呼び出されておりまして…」
「呼び出された…誰にでしょう?」
「あの…架令さんに…」
…!被害者に呼び出された?これは重要だな…
「架令…被害者の架令 譜羅都さんですね?」
「はい…それでそこに行くと…あの状態に…」
「そうですか…ありがとうございます。」
「いえ…で、犯人は分かったのですか?」
「それなのですが…今は一応春 秋桜さんが容疑者として…」
「え!?春さんが!?いえ、それはありえません!」
…?なんだろうこの反応。少し気になるが…
「何故ですか?」
「それは…いえ。何もないのですが…でも彼女は!そんなこと…するわけないです!」
どういうことだろう…?もう少し詳しく聞いてみるか…

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