小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「…現場にあったんです。HARUNOって書いてあったから春さんのかと思ったんです。それで…」
…最悪の事態だ。これじゃますます春が怪しくなる…
私は思い切って春に尋ねた。
「春さん、これは…どういうことでしょう?」
「これは…どうして?私もよくわからないのですが…ただ、私がハンカチを落としたのは架令に呼び出された部屋なんです。でも私は殺してなんかいません!本当です…」
…?呼び出された?それも架令に…
「呼び出された?それはどういうこと?ありえないじゃない!」
天木は驚いたような声で春に言い寄った。
「なんであんたが驚いてるのよ。あいつに…手紙で呼び出されたの。会見会場に来いって。だから、昼食を持っていったのよ。でもあいつは居なかった。だから私はトイレに行って…その後、あなたが死体を発見したんじゃない。」
天木は相変わらず鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。
ただ…どういうことだ?二人も呼び出されている?しかし、その場には現に二人共行っていた。…これはキーになりそうだ。
「ありがとうございました。それでは、私はこれで。」
私は二人に軽く頭を下げ、来井と正治と共に厨房をあとにした。

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