小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「ねぇ来井…これ、なんなの?」
「ああ、これ?これは『ロジックノ塔』って言うやつでね、その名の通りロジックを組むための塔なんだ。中世のヨーロッパの塔みたいで素敵でしょ?」
「どうでもいいのよ、あんたの趣味とか。それより…ロジックって何?」
「うるさいよ!あんたって子は…まぁいいや。ロジックっていうのは証拠や証言、その他状況等根拠となるものから真実を見つけ出す…まぁ数学でやる証明みたいなもんだねw」
来井はあどけなく笑った。
「そう…で、どうしたらいいの?」
「そうだねぇ…じゃあ俺の質問に答えていってもらおうかな?いいかい、準備は?」
「ええ。もちろんよ。」
私は中央の円盤を見つめた。おそらくここに何かが出来るのだろう。
「それじゃ、まずあの事件の始まりは何?」
「そうね…架令の誘い…かしら。そこから始まったんだもんね。」
「そう。じゃあその次に起きたことは?」
「春さんが現場に行ったわ。昼食を持ってね。」
そう私が言うと、真ん中の円盤の上に直径は長く低い円盤が積まれた。色は灰色で…
そうか。だいたい分かった。事件を追っていくとその順で塔が積まれていくのだろう。そういうことなら、とっとと塔を作り上げて事件を終わらせるまでだ。ここからは慎重にいかなくては…
「そうだ。じゃあ次行くよ?」
来井の言葉と共に私はつばを飲んだ。

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