―数時間後 花茂芽― 疲れた… 呼び出されたのは正治の元上司だった。 事件が起きたからすぐ来て欲しいとのことだったらしい。 事件現場は都会。夜烏町(やがらすちょう)。 今夜ここで会見が開かれる予定だった。そう、あの問題図書のだ。 だが、その現場は地獄絵図へと変わっていた。 胸から血を流し死んでいる男性。その傷跡は思いの外小さかった。 そしてこの事件の容疑者…それは… 春 秋桜 だった。