小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―事件現場 花茂芽―
事件現場に着くと悪夢が再び訪れた。
「あ、花茂芽さ〜ん!また会いましたねぇ〜」
「「「まさかの三回目…」」」
…三度目の井原 花蓮だ。
「なんですかぁ〜そのリアクション!二回目ですよぉ〜?それに、今回は役に立てると思いますよぉ〜鑑識さんを連れてきましたからぁ〜」
「…花蓮、それじゃ役に立ってるのあんたじゃ無くて鑑識さんじゃない?」
そういうと花蓮は黙ったままそっぽを向き、鼻歌を歌いだした。
あともう一息だ…もう一息で事件を終わらせることができる。
「さ、正治、来井。捜査を始めましょう。どこに偽造工作がしてあるのか…問題はそこね。」
私がそう言うと、来井が近づいてきて真剣な声色で何かを伝えてきた。
「なぁ花茂芽。お前郵便物を受け取ったことある?」
「え?急に何よ。あるに決まってるでしょ?」
そういうと今度は緩まった声色で、
「あれの印鑑って押しにくいんだよねぇ…なんかかすれちゃってさwでももう一回押してきっちりおさまった時の達成感といったらもう…」
そこまで言ったところで私は奴のみぞおちに一発喰らわせた。こんな時に何を言ってるんだ…
「うぐっ…なんで…」
「当たり前でしょ?今その話関係ないでしょ?あんたの存在がかすれればいいのよ。もう二度と修正されることなく…あれ?」
私は頭の中で何か閃いた。
「上から…重ねる…?」
「…やっと気付いた?偽造工作w」
来井が不敵な笑みを作ってこちらを見てくる。正治は話についてこれないようだ。
「…正治、あのレイピアはずしてちょうだい。すぐに。」
「え?いいけど…」
正治はゆっくり甲冑に近づきレイピアを外した。それを私に渡した。
「ありがと。花蓮、ちょっと頼まれてくれる?」
「なんですかぁ?」
「これ、鑑識に回して。ルミノール反応を見てもらって。」
「るみのーる?」
「血液が付着してるか検査する薬品よ!今回は役に立てたようね、花蓮。」
「は〜い。鑑識さ〜ん、これ、ルミノール反応でみてくださ〜い。」
…日本語がおかしい。まぁいい。とりあえずこれでルミノール反応が出れば…

数分後、花蓮を通じて返事があった。
結果は…反応あり。血液が付着したということだ。
「よし…やったわ!これで犯行を明らかにできる…正治、来井、花蓮。事件関係者を全員ここに集めて。鈴白さんも含めてね。」
そういうと全員返事をして部屋を出ていった。

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