小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―秋桜楽屋 花茂芽―
私たちは秋桜の楽屋に向かった。
中に入ると、そこには警察風(いや、警察なのか…?)の男と秋桜がいた。
「あの…秋桜さんですか?」
私は恐れながらも彼女に聞いた。そんなこと分かりきっているのに。
「え…あ、はい。私が春です。」
「?あなたたちは?ここは立ち入り禁止なのですが…」
そう外に追い出されかけたとき、正治がその手を止めた。
「俺たちさ、俺の上司に呼ばれたんだ。だから…いいんじゃない?」
「え?でも…」
「大丈夫だって!君は外で見張りでもしてなよ!」
「え?あ!ちょっと…」
正治は彼を外に追いやると扉に鍵をかけた。
「お〜い…俺はどうするのさ?なんで追い出したのさ?」
雑用が何か言っている。正治が追い出してくれたんだ。
まぁ放っておくか。
「お〜い…」
「秋桜さん。お話をお聞かせ願えますか?」
「ええ。私が知っていることなら…」
私は彼女の目を見た。
彼女は犯人ではない。そう確信した。

-5-
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