小説『ローズヒップは事件の香り』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

−kill the liar 花茂芽−

この空間…一回はきたことがあるのだが、やはり慣れることは出来ないようだ。
仮面は…やはり被っている。だが、秋桜はあまり動揺していない。どういうことだ?
「ねぇ、ジャーム。どういうこと?これってなんなの?」
『おそらく、直に俺が手を下したから帯夢には見えたのだろうが、この万年筆には俺の力のコピーが入っている。だからかかった人物には見えないのだろう。』
なるほどな…
まぁいい。要領はこの間と変わらないだろう。
銃はやはりこの空間が出来た頃から私の手に握られていた。
「秋桜さん…あなた、私に何か隠していますね?私にそのこと、教えてはいただけませんか?」
「えぇ…いやですよ…私隠し事なんてしていません…本当ですよ?」
「わかりました…では、力ずくでもその口を開いて見せましょう。参りますよ?」
私は彼女に宣戦布告した。


「まず、あなたがついている嘘、それは何についてでしょう?」
「だから、私は嘘なんてついていません。ですから何についてといわれても…」
どうしても話さない気か…ならば別の方向から話を進めるとしよう。
「そうですか…失礼しました。では別のことをお尋ねします。そのケータイ小説とはどのような内容だったのでしょう?」
「え?ああ…ケータイ小説ですね…えっと、確か…バトル小説だったような気がします…」
「そうですか。ところであなたが出版している会社名前は…何でしたっけ?」
「紅葉出版社ですが?」
「ああ、そうでした!その出版社、主にどのような本を出版しているのでしょう?」
「たしか…絵本や恋愛小説など…柔らかい小説でしたね。」
よし、ここだ。ここから攻めれば…
「そうですか…あなたの発言、少しおかしいですね…訂正しましょう。よろしいですか?」
私は彼女に銃口を向けた。

-7-
Copyright ©狂ピエロ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える